Wednesday, January 17, 2007

"Mr. Maxwell's Mouse" by Frank Asch, Devin Asch (Illustrator)

Mr. Maxwell's Mouseあれれ、いつの間にか「mouse」なんていうカテゴリが……。a nanny mouse さんって、愛鼠家だったんですね。というわけで、2004年発行とちょっと古いですが、こんな絵本はいかがでしょう?

めでたく昇進が決まったネコのハワード・マクスウェル氏。自分へのお祝いってことで、レストランで豪勢に「生きたネズミ」を注文しました。出てきた料理がこの表紙の絵。パンの上に平然と寝そべってるこのネズミ、こにくたらしくてイヤですね~。なにやら不吉な結末を暗示しているような。ネコの味方の私は、コワくて続きは知りたくないです。

しかし "Mouse Noses on Toast" なんて本もありましたが、ネズミはパンに載せていただく決まりなんでしょうかね。

文とイラストのアッシュ氏は親子だそうです。

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Thursday, December 28, 2006

The Fate of Mice, by Susan Palwick

The Fate of Miceなにやら不吉な、わたしの先行きを暗示しているような表紙ですね^^;

去年出た長編 The Necessary Beggar が積読になっているスーザン・パルウィックですが、短編集がまとめられることになったようです。ずっと気になっていた作家なので、Asimov's に載っていた表題作の "The Fate of Mice" を読んでみましたが、『アルジャーノンに花束を』をメインのモチーフに据えたなかなかの佳品でした。

IQブーストとボイス・シンセサイザーで人間と会話できるようになったネズミが、実験室を訪れる科学者の娘からアルジャーノンの話を聞き、自分の置かれた立場を悟ると共に自由への希求に目覚めるんですが……。不安に満ちた開放の物語がうまく表現されてます。シンデレラの馬車を引く馬に変えられたネズミや、綱で縛られたライオンを開放したネズミ、あるいは飛び去ったマーガロを追って旅に出るスチュアート・リトルへの言及もあり、ネズミ・フィクションに対するメタフィクション的な趣もありますね。少女とのやりとりもチャーミングです。

ということで短編集は買うことに決定。"The Fate of Mice" はこちらで途中まで読めますが、ネズミの運命が気になって、読み始めると多分最後まで読みたくなりますよ^^)

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Wednesday, November 08, 2006

The End of Mr. Y, by Scarlett Thomas

The End of Mr. Yじつは PopCo が積読になっているスカーレット・トマスですが、こんどの作品もまたまたヘンテコそうです。けど、表紙がネズミとあっては見逃せませんね。

古本屋で見つけた19世紀の科学者の書いた The End of Mr. Y という本の処方に従って、Troposphere という次元に紛れ込んでしまったヒロイン、ネズミやネコや人間の意識に自由に出入りできるようになるんですが……どうせろくなこと起こらないんでしょうね。タイム・トラベルにアリストテレス、デリダ、サミュエル・バトラーにビデオゲームがらみのプロットで、オタクのためのチック・リットなんだとか。どーなんでしょう、サーズデイ・ネクストみたいな感じなのかな?

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Wednesday, August 09, 2006

"Mouse Noses on Toast" by Daren King

Mouse Noses on Toastぷっ、この表紙でもう買いじゃないでしょうか。

「私はトーストに、ネズミの鼻をのせてもらおうか」(←ゲロゲロ)
レストランのテーブルに隠れていたネズミのポールは、客がそんな注文をするのを聞いてびっくり仰天。これってマジ? それともジョーク? というわけで、モンスターだの、クリスマスツリーのデコレーションだの、ヘンテコな友達を招集して「ネズミの鼻」の謎を解こうという、なんだか恐ろしく楽しそうな児童書です。

えーと、彼の作品は動物の絵の表紙が多いのですが、他は大人向けということなのでお間違えなきよう。この "Mouse Noses on Toast" が初めての児童書だそうです。

デビュー作 "Boxy an Star" は1999年に Guardian First Book Award にショートリストされています。

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Wednesday, April 19, 2006

Firmin : Adventures of a Metropolitan Lowlife, by Sam Savage

Firmin : Adventures of a Metropolitan Lowlifeなにやらショボそうなネズミのカバーですが、モービイ・ディックやドン・キホーテを齧って育ったため、本を読めるようになったネズミを主人公に、1960年代のボストンの生活を描いた作品とのこと。この設定だけでもかなりくすぐられるんですが、尊敬する古本屋の主人に毒殺されそうになりながらも、売れないSF作家の友人と、ショッピング・センターに飲み込まれそうになる本屋を救おうと頑張る話ときては見逃せないですね。

メインのストーリーの合間には、本への思いや作家の生活、気紛れなジャズと映画の日常という60年代の空気がたっぷり詰まっているということで、じつはこちらが本筋なんでしょうけど、とってもおいしそう。この気取った書き出しもいいですね:

"I had always imagined that my life story...would have a great first line: something like Nabokov's 'Lolita, light of my life, fire of my loins;' or if I could not do lyric, then something sweeping like Tolstoy's 'All happy families are alike, but every unhappy family is unhappy in its own way.'... When it comes to openers, though, the best in my view has to be the first line of Ford Madox Ford's The Good Soldier: 'This is the saddest story I have ever heard.'"

The Criminal Life of Effie O.このサム・サヴェジという人、もう1冊去年出た The Criminal Life of Effie O. という作品もあるようで、こちらは80年代を舞台に、フラワー・チルドレン出身ながら現在は会社の重役という母を持つ裕福な少女が、パンクな生活を求めて街に飛び出す話を、緩い韻文で語ったものとのこと。『地下鉄のザジ』のイメージを思い浮かべてしまうんですが、さて、どうでしょう。どちらもカバーだけでもわたし的には正解なんですが。

...と思って探したら、Old Rat's Hole なんていういかにもなサイトが見つかりました^^) なんと~、エフィー・Oの冒険は全文がウェブで読めるじゃないですか。それもなかなかかわいい絵入りで! どうも読む前からファンになっちゃいそうですね。

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Tuesday, February 28, 2006

"Musgrove the Nanny of Notting Hill" by Ilona Rodgers (Illustrator)

musgrove_the_nanny_of_notting_hill ぎょ、a nanny mouse さんったら、本好きが高じてとうとう絵本の中にまで入っちゃったんでしょうか?

……じゃなくて、同じ「子守ねずみ」でもこちらは a nanny rat でした。失礼しました~(ま、日本人にとっては、マウスもラットも同じようなものですが)。

で、イラストレータのイローナ・ロジャース描く、この子守ねずみのマスグロウヴと小さな女musgrove_and_the_easter_eggsの子ハーマイオニのシリーズは、"Musgrove the Nanny of Notting Hill"、"Musgrove and Father Christmas"、"Musgrove and the Easter Eggs"(4月発売)と続くなかで、ねずみのナニーの助けを借りて子供がいろいろなものを見聞きし、体験していく物語みたいです。

なんかクマみたいにでかいねずみですが、絵本を読んでマスグロウヴのファンになった子供がラットを飼いたいとか言い出したらどうするんでしょうね。

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