Sunday, March 30, 2008

Winsor McCay's Visions of the Future

S320x320 ウィンザー・マッケイ(1867-1934)の描いた未来世界が、大きなスキャン画像で紹介されてますよ~!

思わず壁紙にしたくなるような、惚れ惚れとする作品ばかりです。

ちなみに未来世界ってのは1937年のことなんで予想としては大はずれなんですけど、このヴィジョンの素晴らしさを前にそんな野暮なことを言っちゃいけません。是非クリックして拡大画像をお楽しみください。

関連記事
Winsor McCay
http://www.obscurecities.com/marginalia/2005/10/winsor_mccay.html

Little Nemo in Slumberland - So Many Splendid Sundays!
http://www.obscurecities.com/marginalia/2006/01/little_nemo_in_.html

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Wednesday, October 31, 2007

Scariest Characters in Literature

AbeBooks.com で、文学に出てくる恐ろしいキャラクタのアンケートを取ったようですが、ハニバル・レクターかスティーヴン・キングのホラーの登場人物が1位になるのかと思ったら、『1984年』のビッグ・ブラザーでしたか。けどでも、あれってキャラクターなんだろうか??

これを受けてガーディアンのブログでも読者のコメントを受け付けてますが、こちらでは『アメリカン・サイコ』のパトリック・ベイトマンが強いようですね~。もちろんわたしはああいう鬼畜本は読まないので、なんともコメントはできませんが。他にも Blood Meridian の判事や The Use of Weapons の椅子制作者が複数の評を集めてます。ううむ、The Use of Weapons だけは読みましたけど、確かにえぐいです。

さてさて、他にはどういう怖いキャラクタがいるんでしょうか。quark さんと gardener さんで「普通の人は読んじゃいけない怖い本ガイド」でも作ってくれると、安心して避けて通れるんですけどね^^)

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Monday, October 08, 2007

minuscule - la vie privée des insectes

minuscule (coffret 4 dvd) @ amazon.frなにやらサボっているうちに10月になってしまいましたが、うわっ、これは買わなきゃというビデオを見つけてしまったんでご紹介。ミニュスキュールというフランスの虫アニメなんですが、いや、これはもう虫嫌いでも見るしかないでしょう。サイトのサンプルだけでも楽しいです。ひょっとして有名なんでしょうか?

リアルな虫の生態ならまだしも、3D の虫アニメなんてほんとは趣味じゃないんですが、これは一目見て惚れ込んでしまいました^^; それなりのデフォルメ、擬人化はありますが、実写の田園風景を背景に、原型を残しながらかわいくアレンジされたちょっと皮肉な虫たちの、半分リアルで半分ナンセンスな無言のコメディがなんともいえません。ときどき使われるサティのピアノ曲が妙にしっくりきますね。

minuscule, vol.1 @ amazon.fr minuscule, vol.2 @ amazon.fr minuscule, vol.3 @ amazon.fr minuscule, vol.4 @ amazon.fr


DVD が4巻出ているようですが、それぞれに5分ほどの掌編が20本ほど入っているみたいです。Amazon.fr では、10/16 に出る4巻セットが送料入れて50ユーロほどですので、思わず注文してしまいました。オンライン・ショップでも買えるようですが、バラバラに4巻買ってこれに送料が乗るとなるとちょっと高そうです。

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Sunday, August 26, 2007

"Bob" by "Weird Al" Yankovic

何年か前のウィアード・アル・ヤンコヴィックの歌なんですが、なんでここに突然登場したかというと……まあこのビデオを見ていただきましょう。ボブ・ディランのふりをして相変わらずお馬鹿で楽しいんですが、1フレーズごとに歌詞を見ていくと……ひぇ~、おバカなふりをしながらこの人天才。なんとも凝ってますね~。ちゃんとボブ・ディランでなければいけない深~い理由があったのでした^^)

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Monday, August 20, 2007

Michael Swanwick Has Got a Blog

The Dragons of Babelマイクル・スワンウィックがブログを始めました。始めた理由というのがものすごく即物的なんですが、編集者のデイヴィッド・ハートウェルに、12月に出る新作長編 The Dragons of Babel のプロモーションをするように仰せつかったというもの。ただ単にカバーとあらすじを載せておくだけではどこにでもあるので、ちゃんと面白くして、欠かすことなく週に2~3回更新するようにいわれたということで、作品の周辺情報や創作の背景を紹介してくれるようですね。

ただまあ今のところうんざりするような用語集や、わけのわからないプロット・ダイアグラムが解説もなくリストされているばかりで、かえって混乱するんですけど^^; 唯一見てピンとくるのはステファン・マルティニエールのカバーの原画で、うーん、これはかっこいいぞ。う、Stations of the Tide がヒューゴー賞を取ったことになってますぜ、スワンウィックさん^^; 受賞した本人が取り違えるくらいですから、読者がヒューゴーとネビュラを取り違えるのも無理はないのかも。まあすぐ訂正されるでしょうけど。

発表済みのいくつかの短編を含めて長編化と聞いていましたけど、ヒューゴー賞のノヴェラ部門の候補になっている "Lord Weary's Empire" は、逆にこの長編から切り出して独立した作品として読めるように手を加えたものとのこと。ともかく、1994年の The Iron Dragon's Daughter の姉妹編ということで期待もふくらみます。スワンウィックの長編はしょうもない Bones of the Earth 以外はどれもいいので(とくに Jack Faust は絶品です)、そろそろ邦訳が検討されてもいいんじゃないでしょうか。短編のうまさだけじゃなく、ストーリーテラーとしても素晴らしいということがよく分かりますよ。まあいまひとつ曖昧なまま話を終える作家なので、結末は弱いですけど、素直にケリをつけないところがまた味があるというか。

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Thursday, July 26, 2007

Orion Books at YouTube

Orion BooksYouTube で作家インタヴュウを公開してますが、なんと~、イアン・マクドナルドとリチャード・モーガンの対談なんて、なんとも濃そうな取り合わせじゃないですか。まあ新作の宣伝が目的なので、あんまり中身はありませんけど。

他にもジョウ・ヒルやスコット・リンチのインタヴュウがありました。せっかくなので、もう少し本格的な内容のものを期待したいところですけどね。

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Saturday, July 21, 2007

His Majesty's Dragon, First Chapter in Japanese

His Majesty's Dragonナオミ・ノヴィクのサイトで、ヴィレッジブックスから出る予定の His Majesty's Dragon第1章の日本語版のサンプルが入手できるようになってました。

けど、女王陛下じゃないにしろ、イギリスの国王に『皇帝陛下のドラゴン』て、なんかヘン。この人、His Majesty がナポレオンを指しているとでも思ってるんでしょうか。海洋ものは素人のようで、ちょっと心配ですね。それに「ジュ・ム・レンド」はないでしょう^^;

いやまあもちろんこれから推敲されるわけでしょうけど、あんまり読みたくないような訳文でした……って、最初の2ページであきらめてどうする^^;

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Friday, May 11, 2007

Samorost

Samorostウェブでできるちょっとしたアドベンチャー・ゲームなんですが、背景といいキャラクタといいこれがじつにかわいいんです^^) なんとなく以前に紹介した Conclave Obscurum99 rooms を親しみやすくしたような雰囲気ですね。

小惑星に住む小人さんが、他の小惑星から攻撃を受けて調査に向かうんですが、これがまあヘンテコなところにヘンテコな生物がうじゃうじゃいて、はてさて小人さんは無事に帰れるんでしょうか……。

Samorostいやまあハゲタカにさらわれたりアリクイに喰われたり危険なことだらけなんですが(ちょっと誇張が含まれてます)、死んでゲームオーバーということにはならないとっても優しい設計のようです。

Samorost 2 のほうはダウンロード版が 800円ということですが、Samorost 1 はフリーでプレイできます。ただし Flash プレーヤが要るようですね。とりあえず無料版で遊んだんですが、ううむ、800円だし、買ってしまおうか……。

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Saturday, April 21, 2007

Voynich Manuscript on flickr

『コーデックス・セラフィニアヌス』だけじゃなく、「ヴォイニッチ手稿」も flickr に登場しました。正規版も公開されているんですが、特殊フォーマットのため jpg に変換してアップしたということのようですね。

500年経ってるからコピーライトはないなんていってますが、写真自体のコピーライトがありそうな気もしますけど……まあ、読ませて、じゃない、見せていただきましょう。とはいっても、どれがこの時代には発見されてないはずの北米の植物かなんて、わかりっこありませんが。

ひょっとして google translation とか使ったら読めるんでしょうか^^)

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Sunday, March 04, 2007

Etched City Crack Doujinshi

The Etched CityK・J・ビショップの The Etched City について、ビアズリー風といわれていながら同性愛者が出てこないじゃないかというコメントに対し、なんでストレートばかりになってしまったのかといろいろ言い訳をしていますが、カーステンたら、とうとうオマケの同性愛のシーンを描いたドウジンシを始めちゃったみたいです^^;

"Thanks to the responses to this post I’ve started drawing omake of the missing gay scenes from the book. Which is so much more fun than trying to write novel#2."

Explicit Contentえ~と、露骨なシーンが出てくるので一応注意をば。こうしとけばみんな見るでしょう^^) 現在のところ4ページまで公開されてます。

Page 1 / Page 2 / Page 3 / Page 4

いやまあいいんですが、次の長編は一体どうなっちゃったんでしょう。

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Friday, January 19, 2007

Codex Seraphinianus

Codex Seraphinianus怪しい博物誌といえば「ヴォイニッチ手稿」が有名ですが、それに負けず劣らずヘンテコなのが『コーデックス・セラフィニアヌス』です。

ちなみに「ヴォイニッチ手稿」は、ルドルフ3世が所蔵していてジョン・ディーが研究したともいわれる古文書で、得体の知れない博物学的スケッチに、謎の言語で書かれた説明が付随するという、れっきとした奇書です。ロジャー・ベーコンが書いたものとか、ディーの弟子のエドワード・ケリーがでっち上げたものとかいろいろ説があるようですが、現在までのところ解読も出来ておらず、来歴も謎のままのようです。ただし最近、謎の記号で書かれた部分が意味のある文章ではあり得ないことが判明したという記事がありましたが。

で、『コーデックス・セラフィニアヌス』のほうですが、こちらは出所は明確です。イタリアのグラフィック・デザイナー/建築家の Luigi Serafini が 1981年に出版した美術書というのがその正体なんですが、描かれている植物動物がなんともヘン。レオ・レオーニの『平行植物』の世界を生物全体に広げたようなものとでもいえばいいんでしょうか。紹介やサンプルのページはこちらとかこちらにあります。説明らしき部分も、得体の知れない文字で書かれてますね。ちなみに、まだ解読されていないそうです(まあ解読しようとしている人がいるのかどうかわかりませんけど)。

とはいえこの本、かなり高いんですよね。リプリントのものでも 200ドルからというのが相場のようです(う、アマゾン・ジャパンのマーケットプレイスでは 16万円で売ってますね^^; そのうえ何を間違えたかアダルト商品の警告が出てますし)。2006年にはイタリアで廉価版が出てますが、それでも 89ユーロと 1万円を超えてます。版によってはイタロ・カルヴィーノの序文が添えられているということですが、これにも入っているんだろうか(まあイタリア語ならあってもなくても一緒ですけど^^;)。

ということで、誰かがクリスマス・プレゼントで贈ってくれるならともかく、中身を見るのはあきらめていたんですが、なんと~、flickr で誰かが全ページ公開しちゃってるじゃないですか。まあ正式に許可を取ったものとも思えませんが、こんな機会でもないと見ることはできませんので、チェックさせていただきましょう。しかし、やっぱり現物が欲しくなってしまったらどうしよう?

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Tuesday, November 28, 2006

The Athanasius Kircher Society

The Athanasius Kircher Societyクレア・ダドマンのブログ経由で知ったんですが、この17世紀の天才アタナシウス・キルヒャーの名前を冠したサイト、むちゃくちゃヘンです。まだちょっとつまみ食いしただけなんですが、カタツムリを使った遠隔通信の話とか、カエルの剥製(っていうんだろうか)を使って19世紀の村の生活を再現したスイスのカエル博物館とか、ベナンのエド族の7色を使った色文字なんていうのが紹介されてます。というか、エントリすべてが真面目に逸脱してます。

キルヒャー自身も真面目な研究の傍ら、パトロンのためにネコピアノを作ったり、やっぱりヘンな人だったみたいですね。いえまあご想像通りの代物です^^)

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Sunday, November 19, 2006

Roundtable Discussion on Conspiracy Theories & Secret Histories @ EOS Blog

来週、というより、もう今週でしょうか、EOS Books のブログで、陰謀理論や隠された歴史についてのディスカッションが行われるそうです。

ま、これだけならアッ、ソーなんですが、参加者がなんとなんと、ジョン・クロウリージェフリイ・フォードジェイムズ・モロウティム・パワーズなんですよ!!! こ、これって、現代最高のファンタジイ作家の半数が顔を揃えた夢の饗宴ではないですか! いや~、びっくり。

フォードによれば次回は(次回もあるってことですね)エリザベス・ハンドも呼んじゃおうということらしいので、それなら思い切ってグレアム・ジョイスとショーン・スチュアートとジーン・ウルフも引っ張り出してサミットでも開いてくれればいいのに。いやまあピーター・S・ビーグルやジョナサン・キャロルあたりのロートルも、現役は現役なので顔を出すっていうんなら反対はしませんけど。

うう~、楽しみ~。

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Thursday, October 26, 2006

Random Walk with a New Blog

以前からヘンな洋書店とか怪しい本が置いてあるとか、勝手なことを書いてきたあの京都寺町店があるランダムウォークですが、本のニュース中心の新しいブログが登場したようです^^) う~ん、表立って怪しいことは書けないんでしょうね、なにやら真面目な話題ばかり並んでますよ。いやまあイグノーベル賞はかなり怪しいですが。

おや~、リンクにこっそりうちのブログも紛れ込ませてありますね。これいじょう悪口書いたら抹消されたりして^^; 寺町店専用のブログというわけではないようですので、みんなでいろいろ要望書いたら本のセレクションに反映してくれるかもしれませんよ。チャイナ・ミエヴィルの特集やってほしいとか、リトル・ニモの大型本を立ち読みしたいとか^^) 更新を楽しみにしましょう。

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Saturday, September 16, 2006

Don't You Want To Show Up in Ambergris?

クラリオン・ワークショップが資金集めのためにオークションを開いています。たしかスポンサーがなくなってしまって有志で頑張ってるんですよね。

Jeff VanderMeerほとんどは作家から寄贈されたサイン本なんですが、中にはジェフ・ヴァンダーミアのアンバーグリスものの短編に名前が登場する権利とか、ジェイムズ・パトリック・ケリーのボートに乗る権利、ハワード・ウォルドロップがピーター・ローレの物まねをしたテレホン・メッセージなんていうヘンテコなものもあるみたいですね。eBay のサーチで "Clarion Auction" で検索すると、オークション中のものが見つかります。

う~ん、ケリー・リンクの短編に登場する権利はまだリストされてないみたいですけど、いったいいくらぐらいになるんでしょう。アンバーグリスですでに100ドルを超えてるので、まあちょっと手が届きそうにありませんが(半分マジに考えてたりして^^;)。

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Saturday, September 09, 2006

John Updike's Rules for Reviewing

ジョン・アップダイクの31年前の評論集 Picked Up Pieces の前書きに書かれたものということですが、こちらでレヴュウの心得6項目が紹介されてます。

とくに最初の項目、

1. Try to understand what the author wished to do, and do not blame him for not achieving what he did not attempt.
(作者がなにをしようとしているのか理解するように務め、作者が試みていないことが達成されていないからといって非難しないこと。)

これはついついやってしまいますよね。どうしても自分に引きつけて、自分の思い込みで読み進めて、結局は「自分が」面白かったかどうかだけで評価をしておしまいというのが素人のレヴュウじゃないでしょうか。

時には作品について語るんでなく、作品を自分のことを語る踏み台にしてしまうという、レヴュウ以前のものもありますし。いやまあ自分がいかに理解できていないか、どれだけバカなのかを披露するのがレヴュウなんだという開き直りもできないことはないですけど^^;

ということで、もうひとつあげておきましょう。

5. If the book is judged deficient, cite a successful example along the same lines, from the author's ouevre or elsewhere. Try to understand the failure. Sure it's his and not yours?
(失敗作だと結論付けるなら、著者の作品などから同様のケースで成功している例を参照として上げること。失敗を理解するように務めること。力不足なのは、あなたではなく、ほんとに作者のほうなのか?)

そして、批判するよりは賞賛を共有すること、レヴュウというのは読むことの喜びを分かち合うことが前提になっていることを忘れないようにと結んでいます。

本人が作家なので、かなり作家寄りの立場という感じもありますが、大事なことですので常に意識しておきたいですね。自戒をこめて。

まあわたしの場合は、こちらの読書感想文の書き方のほうがレベル的にはぴったりですけど^^;

ちなみに、この Critical Mass というおしゃれなダブル・ミーニングのタイトルのサイトは、全米批評家協会の執行部によって運営されているそうで、プロのレヴュアによる最新のレヴュウ関係のニュースが満載です。

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Wednesday, September 06, 2006

Great Minds Think Alike

ワシントン・ポストのレヴュウなんですが、うれしくなってしまうようなレヴュアと作品の組み合わせが2つもありました。

ひとつはこのブログのお気に入りのジェイムズ・モロウが、ティム・パワーズの新作の Three Days to Never を紹介したもので、なんかレヴュウというより賞賛ですね。読むとかえってどんな作品だか分からなくなってしまいそうな、ごくごく楽しい気軽なエッセイになってます。このレヴュウだけでも読む価値ありますよ。

Three Days to Never

"Three Days to Never is a beguiling genre omelet, a mélange of forms ranging from alternate history to science fiction, urban fantasy to occult cliffhanger, espionage adventure to Ross Macdonald-style Southern California hardboiled detective thriller."

"At first blush, Three Days to Never looks like the sort of fast-paced confection that reviewers routinely compare to roller-coaster rides, but Powers's novel is more like a ride on a roller coaster affixed to a centrifuge plummeting from the top of Mt. Shasta."

もうひとつはロス・キングがリチャード・グラントの Another Green World をレヴュウしたものですが、こちらはさすが、作者の意図をしっかりと汲み取ってる印象ですね。いくつかレヴュウを読んでピンとこなかったのが、やっとどんな作品なのか分かったような気がします。Another Green World

"In a war novel that bristles with ideas and allusions, Grant uses this grim landscape to explore the power of myth and the 'folklore of atrocity.'"

"It's fitting that Grant, one of fantasy literature's most eloquent and erudite practitioners, should tackle the role played by mythmaking in politics and war."

ロス・キングがリチャード・グラントの過去のファンタジイを読んで賞賛してるなんて、すごく意外なんですが、作家が好む作品っていうのは、やっぱり力作が多いんですよ。

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Saturday, July 01, 2006

Nick Brooks' Top Ten Literary Murderers

作家ニック・ブルックスによる、小説に登場する殺人者10人のリストが Guardian で紹介されてますが、ハニバル・レクターあたりが出てくるのかと思ったら、もっと文学寄りのようですね。マクベスからラスコーリニコフ、フランケンシュタインやハンバート・ハンバート、カミュの『異邦人』の主人公にブレット・イーストン・エリスの『アメリカン・サイコ』の殺人鬼なんかが選ばれてます。The Good Death

わたしとしてはまったくなじみのない残り4作が気になるのですが、とくに神学的な殺人者の告白録という体裁をとった、19世紀初頭のスコットランドの作家ジェイムズ・ホッグの The Private Memoirs and Confessions of a Justified Sinner (『悪の誘惑』のタイトルで邦訳があるそうです)が面白そうですね。ニック・ブルックス自身の新作 The Good Death のほうは葬儀屋を主人公にした作品とのことですが、あらすじを読む限りあんまり好みじゃなさそうです。

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Sunday, June 18, 2006

Kittenwar

Kitten 1Kitten 2猫なんて大嫌いなわたしとしては、子猫が死闘を繰り広げて自滅してくれるなんてうれしいですね。ふっ、隅っこで手なんか上げやがって、ヨワムシめ。こっちでは死んだふりなんてしてるぞ。

ということで、猫嫌いの皆さんは、こちらの Kittenwar で思う存分憎たらしい子猫を戦わせましょう。

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Saturday, June 03, 2006

Literature-Map

お遊びですけど、お好みを作家を捜す役に立つかもしれないサイトのご紹介です。
その名も「Literature-Map」

適当な作家の名前を入力すると、その作家の名前の周辺に似たような作風の作家が表示される仕組み。フワフワ浮かんでる名前をクリックすると、再びその作家を中心にして似た作風の作家が表示されます。
まずはお試しあれ。

はっきり言って、精度はイマイチかも知れません。
例えば、Jeffrey Fordが表示されませんね。
ミス入力も無造作に混じってるみたいで、Alasdair Grayと入力すると、その周辺にAlistair Gray、Alisdair Grayなんかが表示されます。Amazonのデータか何か利用してるんでしょうか?

まぁ、欠点を承知の上で遊ぶのなら、なかなか愉しいかも知れませんよ。
ちなみにトップページからは、音楽や映画で同じことが出来ます。

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Thursday, May 25, 2006

Pulp Fiction Week @ Slate

Slate でパルプ・フィクションの特集をやってます。このところ再生パルプ……じゃなく、パルプふうの新作が流行りのようですね。

The Poe Shadowマシュー・パールの新作 The Poe Shadow の紹介や、ハイスミスやウェストレイクなんかが取り上げられてますが、チェックしてみると面白いのが、作家や評論家がお薦めするビーチで読む本。スコット・トローやイアン・ランキン、マイクル・コナリーなんかが先輩作家や同僚の作品を真面目に選んでいる一方で、マイクル・シェイボンやジョージ・ソーンダーズのコメントは一体なんなんですかね。ソーンダーズなんてモービー・ディック著の I Floated Nearby, Full of Envy なんて本をでっち上げちゃってますし。

Absurdistanお、ジェラルディン・ブルックスはクラカワーの『空へ』ですか。ナオミ・ノヴィクのドラゴンの登場するナポレオン戦争もありますね。ううむ、トロロープなんてビーチだろうとどこだろうと読む人なんているんでしょうか。む、ジェニファー・イーガンのお薦めするウィルキー・コリンズ、イーディス・ウォートン、ドナ・タートはこの中では一番まっとうな選択かも。Salon のレヴュア、ローラ・ミラーは、この時期には昔読んだ児童書を読み返しているそうですが、『マイロのふしぎな冒険』は再読に耐えるけど、『五次元世界の冒険』は記憶ほどではないというのには同意ですね。クーパーの『闇の戦い』はさてどうでしょう。

このなかで一番気になるのは、ホルヘ・アマドの『ドナ・フロールと二人の夫』を紹介している Gary Shteyngart(ゲイリー・シュテインガート?)の Absurdistan でしょうか。ううむ、このタイトルの誘惑には負けてしまいそう^^;

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Tuesday, May 23, 2006

Pathology in the Hundred Acre Wood

ヴァンダーミアのブログで面白いものを見つけました。カナダの医学雑誌に掲載された論文ということなのですが、『クマプーさん』の登場人物たち(?)を病理学的に分析したところ、非常に危ない状況に置かれており、早期に何らかの処置をしないと大変なことになると警鐘を鳴らしています。

Winnie-the-Pooh: 80th Anniversary Editionまずはクマのプーには明確な ADHD の兆候があり、蜂蜜に対する強迫性障害が見られるとのこと。トゥーレット症の可能性もあるそうです。ピグレットについてはヘファランプ(ゾゾでしたっけ?)を捕らえようとした経験がトラウマとなり、全般性不安障害へと発展した恐れがあり、イーヨーは気分変調症、フクロウは典型的な失読症とのこと。

また、ルーに対しては過保護な片親による生育環境面での不備や、ロール・モデルであるティガーの悪影響が指摘されています。クリストファー・ロビンについては明確な疾病の兆候は見られないものの、シェパードの挿絵から察するに、性同一性障害の可能性もあるそうです。

ううむ、いちいち思い当たる指摘ばかりですね(笑)。しかし、この CMAJ って、れっきとしたカナダ医学協会(Canadian Medical Association)の専門誌だそうですけど、学術論文ってこういうもんだったんですか(<普通は違うと思う)。

チェックしてみたところ、この論文、「ユリイカ」2004年 1月号のクマのプーさん特集号に、「百エーカーの森の病理:A・A・ミルン作品にみる発達障害」の題で邦訳があるようです。う~ん、プーのファンはこれを読んで面白がったんだろうか、怒ったんだろうか。

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Tuesday, May 09, 2006

VanderMeer's Essential Fantasy List Revised

整理しなおしたということで、ヴァンダーミアのファンタジイ・リストがリヴァイズされ、一部削除・集約も含め64作に落ち着いたようです。以前のリストと基本的には変わらないようですが、クレア・ダドマンデイヴィッド・ミッチェルレーナ・クルーンなどが追加されたのはうれしいですね。

55番と56番が伏せられていますが、これは世界幻想文学大賞のジャッジを務めているため、昨年出版された作品についてはノミネーションが発表されるまで公にコメントできないからということのようです。う~ん、ヴァンダーミアの趣味からすると、ポール・パークの Princess of Roumania やコリイ・ドクトロウの Someone Comes to Town, Someone Leaves Town じゃなくて、おそらくハル・ダンカンの Vellum と、ジェフリイ・フォードの The Girl in the Glass あたりでしょうか。

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Wednesday, May 03, 2006

Miss Tic in Paris, by Miss Tic

Miss Tic in Parisいっぽう、こちらはパリのグラフィティ・アーティスト、ミス・ティックの画集。Mystique に掛けてあるんですね^^) わざわざ英語にしてるのは、やっぱり胡散臭さを出すためなんでしょうか。画集のタイトルも "a Paris" でなく "in Paris" になってます。ちなみにリンクは amazon.fr へ。


Saxう~む、ロンドンはパンクな政治的風刺がメインの印象ですけど、こちらはなにやら色っぽいですね。いやまあ2人のアーティストだけを見て一般化するのもなんですけど、お国柄が出ている感じがします。

古典絵画の落書きも楽しいし、女性をテーマにした作品はエロティックというよりお洒落ですけど、やっぱりこのいかにもグラフィティらしいラフな作品群がベストですかね。

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Tuesday, May 02, 2006

Wall and Piece, by Banksy

Wall and Pieceええと、わたしの本職はといえば、日々街の美化に励んでいるわけなんですけど、そのわたしの働く姿をスケッチしてくれてる人がいました……じゃなくて、この人、ロンドンのグラフィティ・アーティストだそうです。オフィシャル・サイトに行くと、ネズミだけじゃなく面白い絵が満載ですね。警官が抱き合ってるシーンとか、ヒッチハイカーの絵なんて、けっしてリアルではないですけど、街中で突然であったら一瞬ビクッとしてしまいそう。


Painter Mouse on the RoofPainter Mouseやっぱり街をキャンバスにした落書き(Outdoors)のところがいちばん魅力的ですが、ちゃんとした作品(Indoors)のほうも、風刺の利いたパロディ絵画としてなかなかの出来。アンディ・ウォーホルやモネのパロディもありますね。まだ全部は見てませんが、これではこの画集、買わないわけにはいきませんぞ。

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Saturday, April 29, 2006

Waterstone's List of 30 Books That Deserve To Be Rediscovered

イギリスの書店ウォーターストーンが、見落とされている傑作30作を全店舗でプロモートするというキャンペーンを行っています。店員の意見をベースに選んだものということですが、たしかにいつものベストセラー・リストとは違って、面白そうなタイトルが並んでますね。

Ridley Walkerヴォネガットの『スローターハウス5』などの有名な作品もリストされてますが、全体的な印象は alternative literature とでもいえそうな感じ。スーザン・クーパーの「闇の戦い」のシリーズは、ファンタジイ・ブームなのにプッシュしそこねたんでしょうか。

ラッセル・ホーバンの Ridley Walker やニコラス・クリストファーの A Trip To The Stars が入っているのはちょっとうれしい^^) ロバートスン・デイヴィーズやブローティガン、サラマーゴあたりも読まないとな~~と、こういうリストを見ると罪悪感に駆られますね。ファンタジイからはチャイナ・ミエヴィル、ジュリエット・マリリア、ジョナサン・キャロル、マリオン・ジマー・ブラッドリなんかが採られてます。A Trip to the Stars

このキャンペーンにあわせ、25人の作家や有名人が選ぶ推薦作も公開されてますが、カルロス・ルイス・サフォンがヒョーツバーグの『堕ちる天使』、デイヴィッド・ミッチェルがノーテボームの『これから話す物語』なんかを薦めてますね。

ガーディアンのブログ culture vulture では(ううむ、むちゃくちゃいい名前)、コメントに読者の推薦作が延々と並んでいますので、ここから宝を掘り出すのも楽しいかも。

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Friday, April 28, 2006

Innovative PR in SF/Fantasy

パブリッシャーズ・ウィークリイにウェブでのプロモーションで成功をおさめている作家の記事が載ってましたが(そのうち読めなくなるかもしれません)、おなじみの作家の名前が多数登場してますね。

ブログをキーにして大手出版社への道を開いたジェフ・ヴァンダーミアは、あの手この手のアイデアで読者を巻き込んでいくのをたっぷり楽しんでいる様子。新作 Shriek のアメリカ・リリースに向けて 10分ほどのミニ・フィルムを製作中です。

Old Man's Warデビュー作がヒューゴー賞にノミネートされているSF界の話題の新人ジョン・スカルジ(John Scalzi)は、自分のサイトで公開した作品が編集者の目に止まり、大手 TOR から登場したもの。順調に TOR からの第2作と、旧作の Subterranean からの出版をものにし、ブログのほうもいまや日々 12,000-20,000人が訪れるという繁盛ぶり。シェリー・プリースト(Cherie Priest)もウェブ出身の成功例として紹介されています。

カナダのYAファンタジイ作家マギー・ウッド(Maggie Wood)は、自分の作品を核にした子供向きのブック・クラブをウェブで展開し、読者の作品に手作りの人形で報いて人気を集めているそうです。また、ミリタリーSFの Baen (わたしには縁のないだれかさん御用達のところですね^^)は、一部の作品をウェブでフリーに提供することで読者を集め、デジタル版の販売に成功をおさめたほぼ唯一の出版社ですけど、ここにきて大手の Tor もこのビジネス・モデルを踏襲することになりました。

Someone Comes to Town, Someone Leaves Townとはいえ、ウェブでのプロモーションの先駆者は、なんといっても元祖ブロガのコリイ・ドクトロウでしょう。Boing Boing を維持する傍ら、自分の作品紹介のサイトでは、本の出版と同時にフリーのデジタル版を提供するという、まかり間違えれば自殺行為にもなりかねない荒業を敢行した人ですが、結果は見事に成功。長編第1作は直接のダウンロードだけでも 65万件に達し、同時に書籍版のほうも現在6刷という好セールスを記録中だそうです。著作権を維持しながらフリーなディストリビューションを保証するクリエイティヴ・コモンズが機能することを証明した重要な実例のひとつといえるでしょうか。

さて、記事では触れられてませんが、プロモーションの成功の裏には、やっぱりポロモートされる作品それ自体が評価に値するものであるというごくシンプルな事実があるんじゃないでしょうか。いろいろな話題で楽しませてくれた上に、書いてる作品が面白いときては、何らかの形でサポートしてやろうと思うのが心情ですよね。で、人のいい読者は次々と本の山を築くことになるのでした。

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Thursday, April 27, 2006

John Crowley Got Livejournal

Lord Byron's Novel : The Evening Landなんとなんと、ジョン・クロウリーがブログを始めたんですね。

こんなこと初めてなんで慣れてないんだといいながら、たしかにとりとめのないどっちでもいいことを書き散らしてますが、なんかそんなあたりがシュールでいいですね。まあけっこう計算してるのかもしれませんけど、アラスター・グレイの強い個性とはまた違った独特の味を出してます。

たぶん役に立つことはほとんど書かないんだろうな~と思いながらも、ときどき覗きたいサイトです。

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Monday, April 24, 2006

Essential Fantasy Reading List by Jeff VanderMeer

ヴァンダーミアのサイトで、彼の考えるファンタジイの全体像をとらえるための必読書 60冊がリストされてます。ファンタジイを書こうとする人向け、とは銘打たれてますが、読者向けと捉えても特に問題はないでしょう。

FANTASY: ESSENTIAL READING

  1. Pale Fire, Vladimir Nabokov (『青白い炎』ウラジミール・ナボコフ)
  2. The Gormenghast Trilogy, Mervyn Peake (「ゴーメンガースト三部作」マーヴィン・ピーク)
  3. Lanark, Alasdair Gray (『ラナーク』アラスター・グレイ(近刊))
  4. Jerusalem Poker, Edward Whittemore
  5. The Chess Garden