Thursday, January 31, 2008

27 Big Picture Illustrators nominated!

先日「ネスレ子どもの本賞」の中止という残念なニュースをお伝えしたばかりですが、その運営に当たっていたブックトラストが、絵本の良さをもっと知ってもらおうという「ビッグ・ピクチャー」キャンペーンを展開中です。

ブックトラストによると、このたび2000年以降に英国で出版された絵本の中から、27人の優れたイラストレータが出版関係者らによって選出されました。さらにこの中からビッグ・ピクチャー委員会が10人を選び、3月31日のボローニャ国際絵本原画展で結果が発表されるとのこと。選ばれた10人のイラストレータは、絵本の重要性をアピールする活動に今年いっぱい従事するそうです。詳細についてはビッグ・ピクチャーのオフィシャル・サイトで。

ロングリストに入っているエミリー・グラヴェットミニ・グレイジョエル・スチュワートは、marginalia でも以前ご紹介したお気に入りイラストレータでもあるので楽しみ♪ このキャンペーンで絵本のイラストレータにもっと脚光があたるようになって、良質な作品がたくさん出版されるようになるとうれしいです。

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Friday, January 25, 2008

Nestlé Children's Book Prize discontinued

子供たちも審査に参加するというユニークなシステムをとり、23年間も続いてきた英国の「ネスレ子どもの本賞(旧スマーディーズ賞)」に終止符が打たれることが、運営側のブックトラストとスポンサーのネスレによって確認されました。

双方ともが、文学賞より他に活動の重点を移してきたための、ごく自然な結果だと言っていますが、Guardian の記事で指摘されているように、発展途上国で行っている母乳の代わりに粉ミルクを使うキャンペーンで非難を浴びているネスレが、児童書の賞のスポンサーになっていることが物議をかもしているのが最大の原因と言えそうです。実際、昨年「5歳以下の部」で "When a Monster is Born" が金賞を受賞したショーン・テイラーは、賞は受けたものの、子供の健康より利益優先の「粉ミルクキャンペーン」を批判して、ネスレから出される賞金の小切手の受け取りは拒否したそうです。それについての記事はこちら

子供たちも楽しみにしている歴史のある賞を、大人たちの都合で廃止してしまったような結果になって、なんだか後味が悪いですね。

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Shirley Jackson Award established!

亡くなってから 40年以上経ちますが、日本でも『くじ』『ずっとお城で暮らしてる』と再刊が続いて人気の、アメリカのホラー作家シャーリイ・ジャクスン。その彼女の名を冠した賞 The Shirley Jackson Award が設立されたと公式発表がありました。前年に出版されたサイコサスペンス、ホラー、ダークファンタジーの作品の中から、長編、短編、コレクション、アンソロジーなどのカテゴリ別に授与されるとのこと。賞の詳細や今回の審査員についてはオフィシャル・サイトでご確認ください。

賞の顧問には、ファンタジー界の敏腕編集者エレン・ダトロウや、夫で作家のジェフと共編のファンタジー系アンソロジーをいくつも出しているアン・ヴァンダーミア、そしてラヴクラフトの研究家S.T.ヨシらが名を連ねているので、もしかして既存のファンタジー・ホラー系の賞より marginalia 好みの結果が出るんじゃないかと、ちょっと期待しちゃいますね。

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Thursday, September 13, 2007

R.I.P. Madeleine L'Engle (1918-2007)

ちょっと時間がたってしまいましたが、やっぱりマデレイン・レングルが亡くなったことは書いておかないと。わたしの読書の好みを決定付けた1冊、『五次元世界のぼうけん』を書いた人ですから。というより、小学生時代にこういうむちゃくちゃ面白い本があったから、読書にとりつかれてしまったんですよね。

A Wrinkle in Time1962年に出版された『五次元世界のぼうけん』(A Wrinkle in Time)は、今の時代でいえばハリー・ポッターに匹敵するような位置付けにあるんでしょうけど、そのぶっとび具合はハリポタなんか目じゃありません。C・S・ルイスのナルニアやフィリップ・プルマンのライラの冒険あたりと並べてみるのが適切かと思いますが、なんともヘンテコな世界を背景に、個性的な登場人物たちによる奇妙な冒険が語られ、実質はファンタジイなんですが、擬似SF的な理屈っぽさが大きな魅力になってます。かなり宗教的なモチーフも顔を出しているんですが、ここまで面白ければそれも邪魔にはなりません。

正直、大人の目から見れば、作者の興味の対象をなんでも放り込んだような気紛れな展開は、けっして上手いとはいえませんけど、不思議なものならなんにでも興味を示す子供にしてみれば、そこが楽しみなんですよね。最終的にあんまりまとまりのよくない4部作になり、そこから枝分かれして別のシリーズも生まれたりしましたが、大人になってから読んだ2巻目以降は印象に残りませんでした。日本では復刊時にたしか3巻目まで揃って出ましたが、それほど話題にならずに消えてしまったように思います。までも、こういう作品はそれでいいのかな。

アメリカではずっと絶版にならずに読み継がれてきて、今年の5月には4冊揃いのペーパーバックの新装版も出ているようですので、久しぶりにまた手を出してみたくなりました。先ごろのロイド・アレクサンダーに続き、子供時代の愛読書の作者が亡くなってしまうのは寂しいですけど、相変わらず今でもどこかで初めてこの本を読む子供がいるのかと思うと、ちょっと微笑ましくなりますね。あんまりヘンテコな趣味に染まらないといいんですが^^)

苗字の  L'Engle は、フランス語発音の「ラングル」かと思ってましたが、英語的に「レングル」と発音するのが正しいようですね。作者の人となりや作品の概要についてはNYタイムズの追悼記事がよくまとまっています。

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Tuesday, August 14, 2007

2007 World Fantasy Awards Nominations

世界幻想文学大賞の候補が発表になりました。

一昨年の大豊作に比べて、去年は長編がいまひとつパッとしなかったかったかなと思ってたんですが(って、ほとんど読まずにいってます^^;)、やっぱり長編部門はかなり意外なセレクションですね。カシュナーとウルフは順当としても(読まずにいってます^^;)、評価の高かったジェイムズ・モロウの The Last Witchfinder とか、個人的には不満な点もあったもののジェフ・ヴァンダーミアの Shriek: An Afterword は当然入ってくるものとばかり思ってました。まあモロウの作品はキャンベル賞の次点になってますので、SFという認識なんでしょうか。

代わりにヴァレンテとリンチが入っているのは新鮮ですが、キングがここに顔を出すというのは、久々の力作ということなんでしょうかね。quark さんの感想をお聞きしたいところ。一番人気のナオミ・ノヴィクが漏れたのは、やっぱりファンタジイとしては新味に欠けるということでしょうね。

とはいえ、いかにもといった面子が揃った短編部門を除くと、ホラーにも目を配り、ベテランと若手のバランスを考慮した作為的なセレクションという印象もあります。去年はメインストリーム色が強かったので、今年はジャンルの枠を明確にし、かつ偏りがないように配慮したということなんでしょうか。いっぽうで、常連ばかりが並んで少々窮屈な感じもしますけど。ま、ゲイマンが顔を出していないだけでもまともとはいえますが(笑)

アーティスト部門にはミラーやピカシオとともにショーン・タンがリストされてますが、オーストラリア以外では本のカバー等を手掛けることは少ないので、やっぱりあの作品が評価されたんでしょうね^^)

受賞作の発表は 11/1-4 にニューヨーク州で開かれるワールド・ファンタジイ・コンヴェンションで。ううむ、本音をいうとワールドコンよりこちらのほうが見てみたいです。

NovelThe Orphan's Tales: In the Night Garden

NovellaMap of Dreams

Short Fiction

  • "The Way He Does It", Jeffrey Ford (Electric Velocipede #10, Spr 2006)
  • "Journey Into the Kingdom", M. Rickert (F&SF May 2006)
  • "A Siege of Cranes", Benjamin Rosenbaum (Twenty Epics, All-Star Stories)
  • "Another Word for Map is Faith", Christopher Rowe (F&SF Aug 2006)
  • "Pol Pot's Beautiful Daughter (Fantasy)", Geoff Ryman (F&SF Oct/Nov 2006)

AnthologySalon Fantastique

CollectionThe Empire of Ice Cream

Artist

Special Award: Professional

Special Award: Non-Professional

  • Leslie Howle (for her work at Clarion West)
  • Leo Grin (for The Cimmerian)
  • Susan Marie Groppi (for Strange Horizons)
  • John Klima (for Electric Velocipede)
  • Gary K. Wolfe (for reviews and criticism in Locus and elsewhere)

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Tuesday, June 19, 2007

2007 Locus Awards Winners

Rainbows Endローカス賞が 6/16 に発表になってましたね。ま、ほとんどこれといって面白い結果ではありませんけど、エレン・ダトロウのベスト・エディターと、ジョン・ピカシオのベスト・アーティストはうれしいですね。オフィシャルなアナウンスはローカスの記事へ。

Best Science Fiction Novel

Rainbows End, Vernor Vinge (Tor) [our comments]

The Privilege of the SwordBest Fantasy Novel

The Privilege of the Sword, Ellen Kushner (Bantam Spectra)

Best First Novel

Temeraire: His Majesty's Dragon/Throne of Jade/Black Powder War, Naomi Novik (Del Rey; Voyager); as Temeraire: In the Service of the King (SFBC) [our comments]

His Majesty's DragonBest Young Adult Book

Wintersmith, Terry Pratchett (Doubleday UK; HarperTempest)Wintersmith

Best Novella

"Missile Gap", Charles Stross (One Million A.D.)

Best Novelette

"When Sysadmins Ruled the Earth", Cory Doctorow (Baen's Universe 8/06)

Best Short Story

"How to Talk to Girls at Parties", Neil Gaiman (Fragile Things)

Best Magazine

The Magazine of Fantasy and Science Fiction

Best Publisher

Tor

Best Anthology

The Year's Best Science Fiction: Twenty-Third Annual Collection, Gardner Dozois, ed. (St. Martin's)

Best CollectionFragile Things

Fragile Things, Neil Gaiman (Morrow; Headline Review)

Best Editor

Ellen Datlow

Best Artist

John Picacio

Best Non-Fiction

James Tiptree, Jr.: The Double Life of Alice B. Sheldon, Julie Phillips (St. Martin's)

Best Art Book

Cathy & Arnie Fenner, eds. Spectrum 13: The Best in Contemporary Fantastic Art (Underwood)

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Monday, June 11, 2007

Mythopoeic Awards 2007 Finalists Announced!

ミソペイイク(=ミソピーイク)ソサイアティは、主としてJ・R・R・トールキン、C・S・ルイス、チャールズ・ウィリアムズといったオックスフォードの文芸サークル《インクリングズ》の研究をしている、ファンタジー文学と神話の非営利の愛好団体。そのメンバーが毎年選ぶミソペイイク賞の最終候補が発表されました。今年のアダルト部門は、marginalia でお馴染みの作家がけっこう入っていますね~。受賞者は8月3~6日のミスコンXXXVIII(←コダワリのギリシャ数字)で発表されるそうです。

Mythopoeic Fantasy Award for Adult Literature

* Peter S. Beagle, The Line Between
* Susanna Clarke, The Ladies of Grace Adieu
* Keith Donohue, The Stolen Child (our comments here)
* Patricia A. McKillip, Solstice Wood
* Susan Palwick, The Necessary Beggar
* Tim Powers, Three Days to Never (our comments here)

個人的には「パワーズがんばれ~♪」なんですが、さあ、どうでしょう(そういえば、AdieuBeggar は読まれたんでしょうか)

他部門の候補についてはオフィシャルサイトで。

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Sunday, May 13, 2007

2006 Nebula Awards Winners

ネビュラ賞が発表になりました。相変わらずノミネーションの段階から非難の雨嵐で、SF関係で(読者にとって)一番役に立たない賞であることを誇示しているようですが(笑)、今年は全部門功労賞みたいな結果ですね。

いやまあマクデヴィットもケリーもビーグルもハンドも個人的には好きな作家ですので、わたしとしては文句はないんですが。まあこのあたりを敢えて除けて選ぶという道もあるんじゃないかという気もしますけど。ほんと、地味な賞になっちゃいました。

SeekerNovel: Seeker, Jack McDevitt (Ace Books)

Novella: Burn, James Patrick Kelly (Tachyon Publications)

Novelette: "Two Hearts", Peter S. Beagle (F&SF Oct/Nov 2005)

Short Story: "Echo", Elizabeth Hand (F&SF Oct/Nov 2005)

Magic or MadnessScript: Howl's Moving Castle, Hayao Miyazaki, Cindy Davis Hewitt, and Donald H. Hewitt

Andre Norton Award: Magic or Madness, Justine Larbalestier (Razorbill)

Damon Knight Memorial Grand Master Award: James Gunn

Author Emeritus: D.G. Compton

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Thursday, May 03, 2007

2007 Arthur C. Clarke Award Winner

Nova Swingクラーク賞が 5/2 に発表されたようですが、M・ジョン・ハリスンですね~。受賞作は久々のSF復帰となった 2002年の前作 Light の続編ということで、ポストモダンなスペース・オペラと呼ばれた前作に対し、こんどは一体なにをやってるんでしょう。いやまあ Viriconium でもそうですが、普通の意味での続編なんて書くわけのない作家なんで。

クラーク賞はその名前の印象に反して、かなり文学寄りの作品が受賞することが多いので、今年はリディア・ミレあたりかな~と個人的には思ってたんですが(ジャン・モリスのものは旧作に書き下ろしの短編を加えたものなので、新作としての意味は薄い)、なんかジャンルとメインストリームのバランスが取れていそうな作品に落ち着いたみたいですね。後追いになりますが、これも読まないと。

表紙がひどいという人が多かったんですが、わたしにはこの色使いや構図がぴったりくるんですけど、やっぱり趣味悪いんでしょうか。

候補作もリストしておきます。

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Wednesday, April 25, 2007

England: The Biography -- Peter Acroyd's New Project

伝記作家であり、小説家でもあるピーター・アクロイドが 2000年に発表した大都市ロンドンの「伝記」 "London: The Biography" はベストセラーとなりましたが、その彼がランダムハウスを離れてマクミランとこのたび契約したのが、2011年刊行開始予定で全6巻になるイギリスの「伝記」 "England: The Biography" です。ロンドンだけでは飽きたらず、とうとうイギリス全土にまで手を広げちゃうんですね。

Times Online のこちらの記事を読むと、まだアクロイドの頭の中に漠然としたアイディアがあるだけみたいなのですが、出版社の期待のほどがうかがえます。

アクロイドの場合、伝記を書きながら、その周辺を素材とした小説も平行して書いてしまうことがあるので、どんな副産物が出てくるのかも楽しみです。

それにしても最近、翻訳出ませんね~。

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Monday, April 23, 2007

2007 Locus Awards Finalists

ローカス賞の候補が 4/20 に発表になっていますので、フィクション部門の候補だけ挙げておきましょう。全部門のリストはオフィシャル・サイトへ。最終結果は 6/16 発表だそうです。

ローカスの読者による投票ですし、SFとファンタジイ、第1長編と児童書と、長編だけでも4部門に分かれてますので、こちらなら竜に踏み潰されることもなく(笑)、ピーター・ワッツの Blindsight にもかなりの可能性がありますね。SF部門と第1長編部門は3冊ずつ読みましたが、ファンタジイ部門はわたしは全滅でした。まあ Lilith さんが有力候補はしっかり押さえてますので、うちのブログとしてはかなり優秀ですよ。そのわりに残りのレヴュウはどこにあるんだ、というのは訊かないでください^^;

この他、ジョン・ピカシオがアーティスト部門とアートブック部門に登場してますが、もうすっかり大物の仲間入りですね。Blindsight

Best Science Fiction Novel

Best Fantasy NovelThe Last Witchfinder

Best First NovelThe Lies of Locke Lamora

Best Young Adult Book

Best NovellaThe Empire of Ice Cream

Best Novelette

  • "I, Row-Boat", Cory Doctorow (Flurb 1, Fall '06)
  • "The Night Whiskey", Jeffrey Ford (Salon Fantastique)
  • "Pol Pot's Beautiful Daughter (Fantasy)", Geoff Ryman (F&SF 10-11/06)
  • "The Singularity Needs Women!", Paul Di Filippo (Forbidden Planets [Crowther])
  • "When Sysadmins Ruled the Earth", Cory Doctorow (Baen's Universe 8/06)

Best Short Story

  • "How to Talk to Girls at Parties", Neil Gaiman (Fragile Things)
  • "In the Abyss of Time", Stephen Baxter (Asimov's 8/06)
  • "Nano Comes to Clifford Falls", Nancy Kress (Asimov's 7/06)
  • "Sob in the Silence", Gene Wolfe (Strange Birds)
  • "Tin Marsh", Michael Swanwick (Asimov's 8/06)

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Friday, April 13, 2007

R.I.P. Kurt Vonnegut (1922-2007)

Gabe Mesa の掲示板で知ったんですが、カート・ヴォネガットが亡くなりました(New York Times)。

どういう人だったかはもう語るまでもないですね。最近では読むことはなくなってしまったんですが、じつはヴォネガットにはかなりの思い入れがあります。ちょうどペーパーバックを読み始めたところにいた人なんですよね。

遥か前世紀の話になりますが、高校時代のわたしは、まあ今もそうなんですが、お金がなかったんで、バーゲンのカゴに入った 100円か 200円均一のペーパーバック漁りを趣味にしてました。当時のカゴには何が入っていたかというと、フィリップ・K・ディックと、ジョーン・エイキンと、まだジュニアが付いていたこのヴォネガットが多かったんです。

ディックについては何冊か日本語の本も読んでたんでそれなりに知ってたとしても、恥ずかしながら、エイキンとヴォネガットについては全く未知の作家。とりあえず、こんなにたくさんあるんだから、きっと面白いに違いないと思って、何冊かまとめて買って帰ったんでした。

シドニー・シェルダンなんかじゃなくてよかった。

まだ大して英語力のある頃じゃなかったんですが、これがそれほど苦労もなく読めた上に、むちゃくちゃ面白かったんですよね。まあディックの一部の作品はそれなりに梃子摺りましたし、なにも十分に理解できていたわけではないですけど。ということで、バーゲンでまだ持ってない作品を見かけるたびに、この3人の本は必ず買ってました。

ほんとにぴったりのタイミングでぴったりの作家に出会いました。その後の趣味がこの時点で決定してしまったみたいで、よかったんだか悪かったんだかよくわかりませんが、まあ so be it。

ということで、もう読み返すことはあまりなくても、この3人の作家は今でもわたしの中で特別な位置を占めています。

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Thursday, April 12, 2007

2006 BSFA Awards Winners

End of the World Bluesアダム・ロバーツのチェックをしていて、英国SF協会賞の結果が 4/8 に発表されていたことを知りました。

quark さんとわたしがジョン・コートネイ・グリムウッドの日本をモチーフにした作品 End of the World Blues でちょっとお手伝いしたことは以前お伝えしていますが、見事長編部門で受賞ということで、なんともうれしいですね^^) そのわりには読みかけて放置してました^^; すみません、ちゃんと読ませていただきます。

短編部門はイアン・マクドナルドの "The Djinn's Wife" で、アート部門はアンソロジイ Time Pieces の表紙に使われたファンゴーンの作品でした。

せっかくですから長編の候補作だけリストしておきましょう。

その他の候補作はオフィシャル・サイトへ。

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Friday, March 30, 2007

2007 Hugo Awards Nominations

お待ち兼ねの今年のヒューゴー賞の候補が発表になりました。わたしの興味は主に長編部門にあるんですが、ピーター・ワッツの Blindsight、無事に候補に残りましたね。本格SFでは文句なく去年のイチオシ、というか、ここまでの傑作はSFでは久しくなかったんじゃないでしょうか。いやまあマイクル・フリンの Eifelheim だけはまだ読んでいないので、無責任に持ち上げてしまうのもなんですが。

ヴィンジやストロスの作品もなかなかの出来なんですが、Blindsight に比べると霞んでしまいますね。唯一のファンタジイ作品ということで、一般の読者票はナオミ・ノヴィクに集まってしまいそうな気もしますが、丁寧に書かれた作品ではあるものの、これといったインパクトに欠けるので、やっぱりこの作品にヒューゴーはまずいでしょう。

ということで、今年はピーター・ワッツ、Blindsight しかありません。投票権をお持ちの方は、是非とも Blindsight を第1位に。ちなみに、一時増刷が間に合わなかったということもあって、作者のサイトで全文が公開されてますので、これは読むしかありませんね。

全候補はこちらを参照いただくとして、フィクション部門だけ上げておきましょう。ええと、中編や短編部門は……すみません、読んでません^^; いえ、ロバート・チャールズ・ウィルスンとかマイクル・スワンウィックとか個人的にひいきの作家はいるんですけど。おいおいチェックして行くことにします。

NovelBlindsight

Novella

Novelette

Short Story

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Thursday, November 30, 2006

2006 Costa Book Awards Shortlists

ウィットブレッド賞のスポンサーが替わって、今年からコスタ賞になってますが、候補作を見る限りとくに傾向が変わったというようなことはないようですね(一覧するには Guardian の記事が便利です)。

個人的には第1長編部門の The Meaning of Night に注目したいところですね^^) まあこの作品と、長編部門の Black Swan Green しか読んでないんですが、どれも微妙に気になります。せっかくですから、まだ受賞したことのない作家の作品が選ばれて欲しいかな。The Meaning of Night

部門賞は来年の 1/10、大賞は 2/7 発表とのこと。

First Novel

  • The Amnesia Clinic by James Scudamore
  • Cloth Girl by Marilyn Heward Mills
  • The Meaning of Night by Michael Cox
  • The Tenderness of Wolves by Stef Penney

NovelSet in Stone

  • Black Swan Green by David Mitchell (our comments)
  • A Spot of Bother by Mark Haddon
  • Saving Caravaggio by Neil Griffiths
  • Restless by William Boyd

Children's Book

  • Clay by David Almond
  • The Diamond of Drury Lane by Julia Golding
  • Set in Stone by Linda Newbery
  • Just in Case by Meg Rosoff

PoetryDonne: A Reformed Soul

  • Dear Room by Hugo Williams
  • Letter to Patience by John Haynes
  • District and Circle by Seamus Heaney
  • The Book of Blood by Vicki Feaver

Biography

  • Keeping Mum by Brian Thompson
  • Nabeel's Song by Jo Tatchell
  • Donne: A Reformed Soul by John Stubbs
  • George Mackay Brown: The Life by Maggie Fergusson

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Thursday, November 23, 2006

Next Next coming next summer!

訳の分からない見出しをつけてしまいましたが、「4巻で終わりか?!」の噂をきっぱり否定していたジャスパー・フォードですが、サーズデイ・ネクスト・シリーズの5巻目は約束通り来年夏に出版されるようです。

なんと! こちらの世界では2年しか経っていないのに、あっちでは14年も経過してしまったんですね~。サーズデイの息子フライデイ(孫ができたらサタデイ?)はもう16歳! クロノガードに志願するはずの彼は、ロック・バンドを組んでミュージシャンになることを夢見てるし、ゴリアテ(日本語版では英語読みの「ゴライアス」になってますが、私はこっちが好き)はジェイン・オースティンの作品を巡る文学の旅を企画して、なにやら悪巧みの予感が……と、悩みつきないサーズデイが、また体当たりで活躍してくれそうです。Austin Rover でなく Austen Rover ってのが、相変わらずお馬鹿でうれしいですね。

詳細はこちら

そーいえば私は3巻目の途中までしか読んでなかった気が……。
ところで日本語の翻訳は2巻目までしか出てなかった気が……。

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Neal Asher's COWL to Be Published in Japan

COWL (UK)日本では短編が1つ翻訳されているだけなんですが、知り合いのニール・アッシャーの長編がやっと翻訳されるようです。といっても、うれしそうにブログで書いちゃってますが、2年以内に出版するという条件で売れたということなので、かなり気が早いんじゃないかと思いますけど^^;COWL (US)

メインの作品は、ヘンテコな異星人/異星生物がうじゃうじゃ登場するエキゾチックな辺境の惑星を舞台に、ナノテクとネットワークでサポートされた惑星連合のエージェント、コーマックが活躍する Polity シリーズのアクション・アドヴェンチャーなんですが、COWL はスタンドアロンのタイム・トラベルものですね。過去へと逃げ込んだ変幻自在の殺戮獣 COWL を追って、未来の対立する勢力が争う話のようです。ようですっていうのは、まだ読んでないんですけど。

う、そういえば送ってくれた作品もまだ手を付けてない^^; いや~、毎年けっこう厚い作品をコンスタントに書く人なんで、なかなか全部は読みきれないんですよね。

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Friday, November 17, 2006

2006 National Book Awards Winners

お~、今年はちゃんと知られてる作家の作品が受賞ですね<フィクション部門。いちおう買ってはありますけど、以前短編を読んだ感じでは、リチャード・パワーズって文章がかなりネチっこいんですよね。quark さんを待ってると、ピンチョンとかハリスとかキングとか、かなり詰まっているようですし(笑)、これはやはり Gardener さんにゲスト・ブログをお願いするのが正解なような気がします<最近こればかり。

わたしはM・T・アンダースンを注文中ですので、それで許していただきましょうかね^^)The Echo Maker

Fiction

Nonfiction

PoetryThe Astonishing Life of Octavian Nothing, Vol. 1: The Pox Party

Young People's Literature

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Monday, November 06, 2006

World Fantasy Awards Winner

ありゃりゃ、a nanny mouseさんの傷は相当深いようですね。
定時連絡ぐらいはquarkめが代行させていただきましょうか。

World Fantasy Awards Winner

LIFE ACHIEVEMENT
    Stephen Fabian
    John Crowley

NOVEL
   Kafka on the Shore, Haruki Murakami (Harvill; Knopf)

NOVELLA
   Voluntary Committal, Joe Hill (Subterranean Press)

SHORT FICTION
   "CommComm", George Saunders (The New Yorker 1 Aug 2005)

ANTHOLOGY
   The Fair Folk, Marvin Kaye, ed. (SFBC)

COLLECTION
   The Keyhole Opera, Bruce Holland Rogers (Wheatland Press)

ARTIST
   James Jean

SPECIAL AWARD, PROFESSIONAL
   Sean Wallace (for Prime Books)

SPECIAL AWARD, NON-PROFESSIONAL
   David Howe & Stephen Walker (for Telos Books)

Jeff Vandermeerがブログで書いてるように、メインストリームの作家が目立つ結果となりましたね。IHGAのほうでもBrett Easton Ellisの"Lunar Park"が長編部門を受賞したということで、ジャンルファンの間で、メインストリームに対する批判が出てきそうな怖れもあるんですけど、どうなんでしょう。今後の展開に注目していきたいです。

ということで、こんなもんでどうでしょうか。

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2005 International Horror Guild Awards Winners

Lunar Parkもぞもぞしている間に発表になっちゃいましたね。長編部門は Lunar Park でしたか。ヒラリー・マンテルの Beyond Black かな~とも思ってたんですが。キアナンとジョウ・ヒルは期待通りですね。フィクション部門のみリストしておきますので、その他の受賞や候補の詳細はオフィシャル・サイトへ。


NOVEL

SHORT FICTIONTo Charles Fort, with Love

MID-LENGTH FICTION

LONG FICTION20th Century Ghosts

COLLECTION (Single Author)

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Thursday, October 12, 2006

2006 National Book Award Finalists

こちらは今年の全米図書賞の候補作。フィクション部門のみリストしておきます。去年はほんとに知らない作家ばかりでしたが、今年はその反動のように人気作家の作品ばかりが並びます。The Zero

いちおうマーク・ダニエレヴスキーとリチャード・パワーズとジェス・ウォルターのものは入手済みか入手予定なんですが、果たして読むんでしょうか^^; 受賞作の発表は 11/15 とのこと。

ちなみに、児童書部門の Gene Luen Yang の American Born Chinese は、候補作としては初めてのグラフィック・ノヴェルだそうです。

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2006 Man Booker Prize Winner

The Inheritance of Loss遅ればせながら、こちらの受賞作はキラン・デサイの The Inheritance of Loss でした。前評判の高かったサラ・ウォーターズはだめだったんですね。

ふむ~、イギリスで教育を受けた判事が、インドを追われて、移り住んだニューヨークでも疎外されるという、正統派の小説みたいですね。う~ん、怪しいインドの話なら好きなんですけど(『真夜中の子供たち』とか)、これはやっぱりパスかな~。

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2006 Nobel Prize in Literature Goes to Orhan Pamuk

雪待ちに待ったオルハン・パムクです。やっと~という感じですね^^) よかったよかった。

オフィシャルなアナウンスはこちら

日本語訳はいまのところ『わたしの名は「紅」』『雪』だけ