Sunday, August 26, 2007

"Bob" by "Weird Al" Yankovic

何年か前のウィアード・アル・ヤンコヴィックの歌なんですが、なんでここに突然登場したかというと……まあこのビデオを見ていただきましょう。ボブ・ディランのふりをして相変わらずお馬鹿で楽しいんですが、1フレーズごとに歌詞を見ていくと……ひぇ~、おバカなふりをしながらこの人天才。なんとも凝ってますね~。ちゃんとボブ・ディランでなければいけない深~い理由があったのでした^^)

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Monday, August 13, 2007

North, by Logh

North暑い夏には夏向きの音という手もありますが、北欧叙情派の冬を感じさせるクリアな音にひたるという逆の方法もありますね。ということで、数ヶ月まえに手に入れたんですが、いまでも時々聴いているスウェーデンのバンド、Logh なんていかがでしょう。新作の North は、個人的には今年のベストの1枚に確定の力作です。ジャケットも見るからに涼しげじゃないですか。

Logh を最初に聴いたのは思わせぶりなタイトルの 2002年のデビュー作 Every Time a Bell Rings, An Angel Gets His Wings だったんですが、軽くポストロックを感じさせる、ミニマルな音と繊細なヴォーカルによるほの暗い美メロが印象的でした。それでいてきれいさのみを追って安きに流れるわけではなく、バックの音もリードヴォーカルの声も、時にエッジを秘めたハーシュな側面も見せ、繊細な中に一本芯の通った訴求力のある音作り。

ということで、2作目と3作目も eMusic で落として聴いたんですが、1作目より力強くなってるとはいえ、これが暗いんですよ^^; たぶん最初に聴いたのがこのどちらかだったら、好みじゃないとそれ以上手を出さずに切り捨てていたでしょうね。

で、今年の新作の North にもとくに期待はしていなかったんですが、サンプルを何曲か聴いてみてビックリ。なんと、明るいとはいえないまでも、ドツボの暗さは払拭して、メロディ重視の前向きな音作りに様変わりしているじゃないですか。で、即座に注文。

ひとことでいえばごくごくポップになったわけなんですが、デビュー作で好きだった硬質なデリケートさを残しながら、音のひとつひとつに磨きをかけてはるかにパワーアップしてます。単にポップになったというよりは、1曲1曲を丁寧に作ってるんですね。音色が一定しているので最初から最後までの一体感はありますが、よくよく聴くとそれぞれの曲想はバラエティに富んでいて、ほんと、名曲揃い。冒頭から、あ、この曲いい、と思ったそばから、次の曲も、その次の曲も、負けず劣らず印象的という経験はなかなか得られないんじゃないでしょうか。

じつは、英米盤が当分出ないということだったので、バンドのサイトで注文してスウェーデン盤を買ったんですが、予約のサイン盤専用の注文窓口と間違えてレギュラー盤を注文してしまったことに後から気づき、コンファメーションのメールにダメ元で(ミーハーにも)サインのお願いをしたら、なんと、メンバーが揃うまで1週間ほど待っていられるならサインしてくれるという暖かいお言葉。ということで、本来の窓口より少々安い値段で無事サイン盤を入手しました……といっても、6人の殴り書きでジャケットが汚くなってるだけなんですが^^;

ちゃんとした窓口で注文した知り合いにあとから訊いたら、そちらは誰だかわからない Lando というサインがひとつポツンとあっただけということで、訝しんでました。どうもリードヴォーカルのニックネームが Lando のようです。ううむ、間違えて得することも時にはあるんですね。ということで、音だけじゃなく、たった1枚のCDでも親切に対応してくれるバンドに敬意を表して、名盤認定と行きましょう。ちなみに、バンド名の Logh はどう発音するのか訊いたんですが(ロッホ・ネス見たいな喉の摩擦音かと思って)、答えてくれませんでした。説明するのもややこしい音なんでしょうか。ちなみに日本盤では「ログ」の表記になっているようです。

さて、リンクしようと思ってアマゾンを覗いたら、なんと~、日本盤が6月に出てるじゃないですか(6/9 発売っていうのはシャレですか^^;)。しかもボーナス・トラックが2本付き。う~む。

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Tuesday, July 10, 2007

Thirst for Romance, by Cherry Ghost

Thirst for Romanceひょっとしたら趣味悪いかもとか思いながら、ジャケットに惹かれて手を出したこれが大正解。チェリー・ゴーストなんていう怪しげな名前ですが、むちゃくちゃ味のある正統派のヴォーカル主導の音です。

マンチェスターのバンドということですが、ちょっとカントリー・ブルースの風味が利いてて、味のある渋めの声がいいですね。バンドというよりは歌で聴かせるシンガー・ソングライターの趣ですが、中にはアンセミックな曲もあって、アコースティックになったり、ピアノやシンセもうまく利かせたりと、意外と幅広い音作り。

ヴォーカルもバックも含めて、決して上手いとか切れがあるとかいうんではないですが、暗くならない温かい粒揃いの曲が並んでます。初めてのフル・レングスのアルバムということですけど、ベテランといっておかしくない存在感がありますね。

まだ聴き込んでないのでどの曲が特にいいというところまで行ってないんですが、少なくとも "People Help the People" は印象的な名曲です。

MySpace を見ると、プロファイルのところにカバーの水着の少年の写真がありますので、ひょっとしてこれ、ソングライター/ヴォーカリストの Simon Aldred 本人なんでしょうか。それにしては時代がかっているような……。

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Monday, June 25, 2007

Boxer, by The National

Boxer久々に音楽の話題でも行ってみましょうかね。いえ、何も聴いてなかったわけじゃないんですよ。わたしの乏しい語彙では、音に関しては何について書いてもたいして変わり映えがしないので、あんまり触れてなかっただけなんです。

とはいっても、個人的な 2005年のベスト盤 AlligatorThe National の新譜が出ましたんで、これはやはり紹介しておきましょう。Arcade Fire とか Clap Your Hands Say Yeah とか、結構期待外れが多かったんで心配してたんですが、The National はもうぜんぜん大丈夫ですね。またまた名盤出しちゃいました。

とはいえ、前作の Alligator と比べると、かなり作りが違います。Alligator の聴かせどころはノリのいい疾走感にあったんですが、なんと Boxer にはロッカーが1曲もなく、シャウトも聞かれません。ドラムはしっかり利かせているものの抑え気味で、ギターもかなり引いてます。そう、最初から最後まで、ミッドテンポでじっくり聴かせる渋い曲ばかりなんですよね。なにやら昔々のゴードン・ライトフットあたりを思い出してしまいましたよ。

ということで、Alligator では次から次へと飛び出してきたようなインパクトのあるシングル性の高い曲は1曲もないんですが、じつはこの切れ目なく続く渋さがもうむちゃくちゃ味があるんですよね。Alligator がオールA面のアルバムだったんだとすれば、The National は Boxer ではオールB面のラインアップに挑戦し、力まなくても、歌い上げなくても、全く遜色がないという底力を見せ付けたんじゃないでしょうか。

まあ Alligator あってこその Boxer だとは思いますが、動と静、どちらも名盤には違いありません。オススメです。

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Wednesday, January 31, 2007

Ballads of the Book

面白いものを見つけました。ちょっと長くなりますが、まずはこのトラックリストを見てください。Ballads of the Book

  1. Mike Heron & John Burnside - Song for Irena
  2. De Rosa & Michel Faber - Steam Comes Off Our House
  3. James Yorkston & Bill Duncan - A Calvinist Narrowly Avoids Pleasure
  4. Foxface & Rody Gorman - Dreamcatcher
  5. Lord Cut-Glass & Alasdair Gray - A Sentimental Song
  6. Aidan Moffat and The Best Ofs & Ian Rankin - The Sixth Stone
  7. Norman Blake & John Burnside - Girl
  8. Karine Polwart & Edwin Morgan - The Good Years
  9. Sons and Daughters & A L Kennedy - The War on Love Song
  10. Alasdair Roberts & Robin Robertson - The Leaving
  11. Strike The Colours & Rody Gorman - Message in a Bottle
  12. Aereogramme & Hal Duncan - If You Love Me You'd Destroy Me
  13. Malcolm Middleton & Alan Bissett - The Rebel on His Own Tonight
  14. Trashcan Sinatras & Ali Smith - Half an Apple
  15. Vashti Bunyan & Rodge Glass - The Fire
  16. King Creosote & Laura Hird - Where and When
  17. Emma Pollock & Louise Welsh - Jesus on the Cross
  18. Idlewild & Edwin Morgan - The Weight of Years

さて、これは何でしょう……とクイズにしてみてもいいのですが、ミッシェル・フェイバー、アラスター・グレイ、イアン・ランキン、A・L・ケネディ、ハル・ダンカン(ハル・ダンカン!?)、アリ・スミス、ルイーズ・ウェルシュ……共通点は、そう、スコットランドの作家ですね。いっぽう、De Rosa、Sons and Daughters、Aereogramme、Trashcan Sinatras、Vashti Bunyan、Idlewild に Arab Strap のメンバーとくれば、スコットランドのミュージシャンです。

いや、じつは、大好きな Aereogramme とハル・ダンカンの名前を目にして、一瞬同名のミュージシャンか、さもなきゃダンカンの本職はロッカーだったのかと思ってしまったのですが、スコットランド出身の作家・詩人が提供した詩に、同郷のミュージシャンが曲をつけて演奏した、コラボレーションのアルバムが実現したんだそうです。だからタイトルも "The Book of Ballads" じゃなくて "Ballads of the Book"。察しのいい方は、アルバムのジャケットを見ただけで、アラスター・グレイの絵じゃないかとピンときたかもしれませんね。

ついこの間も、ミッシェル・フェイバーとブライアン・イーノのコラボレーションという信じられない組み合わせがありましたが、このアルバムは Idlewild のロディ・ウーンブルと詩人のジョン・バーンサイドが共作したことがきっかけで始まったとのこと。背景についてはこちらとかこちらが詳しいです。イアン・バンクスとかアラン・ウォーナーとか、こういう活動にぴったりきそうな作家が参加してないのはちょっと不思議ですけど。

まあ正直なところ、知っているのは名前だけで、音も聴いたことないし作品も読んだことのないアーティストがほとんどなんですが、どちらにも興味のあるわたしとしてはむちゃくちゃ惹かれますね。普通は歌詞なんか全然気にせずに音だけ聴いてるんですが、たまには歌われている内容もちゃんと聴いてみましょうか。アルバムのほうは 3/5 発売ですが、1/30 にはグラスゴーでお披露目のコンサートが開かれたそうです。

じつはこっそりと音のほうは手に入れて聴いてみたんですが、バラッドというだけあって、基本的にフォーク調のメランコリックな作品が並んでいて、かなり好みの感じです。まあ単一アーティストで最初から最後まで一本調子では退屈しますが、曲ごとに演奏家が違うアンソロジイなので、色々な色彩が味わえて、そういう意味でも愛聴盤の一枚になりそう。隠れスコッツでなくても、アコースティック好きにはお薦めです。

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Sunday, December 17, 2006

The Killers' "Bones", Directed by Tim Burton

Sam's Townキラーズの2作目は、世間一般の評価ではドボンしちゃったということのようですけど、どうしてどうして、力の抜き方が個人的にはなかなか好きなんですよね(いやまあ、最初聴いたときにはデモ盤かと思いましたけど^^;)。

で、この "Bones" も、外したノリにクサ~い懐メロを接木したみたいな曲で、取り立ててお薦めするほどのものでもないんですが、なんと、曲に輪をかけてズレたビデオ・クリップをティム・バートンが監督しているということですので、紹介しておきます。

正式版はオフィシャル・サイトで見られますが(music のページで "Bones" のビデオを選んでください)、接続が遅い場合は youtube で我慢しましょう。いえ、1箇所だけお気に入りのシーンがあるんですよ^^)

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Saturday, December 16, 2006

"Intervention" by The Arcade Fire

来年一番の話題になりそうなアーケード・ファイアの3月発売予定のアルバムからの新曲 "Intervention" が、12/14 に BBC で放送されたそうです。こちらの BBC Radio 1 のサイトでまだ聴けますので、Thursday's show の18分あたりをチェックしてみてください。

じつはこの曲、アコースティックなライヴのものがかなり前から聴けたんですが、スタジオ録音版はパイプオルガンをメインにフィーチャーした派手々々しい……いや、豪勢な曲になってますね。これならクリスマスを当て込んで早くシングルカットすればよかったのに。

アルバムのタイトルは Neon Bible とのことで(A Confederacy of Dunces で有名な John Kennedy Toole の作品とは関係ないとのこと)、プロモーションのサイトが出来てます。ここに電話をかけて "7777" を押すと "Intervention" が聴けるということですが、日本からでは無理そうですね。アルバムの発売に期待しましょう。

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Wednesday, December 13, 2006

An Ancient Muse, by Loreena McKennitt

An Ancient Museクリスマス・アルバムというわけではないんですが、音の感じが冬にぴったりきそうなロリーナ・マッケニットの新作を聴いてます。アイリッシュやブリティッシュのトラッドから、スペインを経由してトルコへたどり着いたみたいな、民族音楽ふうの味付けがいいですね。

9年前に前作の The Book of Secrets が大ヒットして、すごく有名なシンガーだそうなんですが、ポピュラー音楽暗黒時代にいたわたしにとっては初めて聞く名前です。エンヤやデッド・キャン・ダンスをシャープにして、バックの音にもっと色付けをした感じでしょうか。オフィシャル・サイトアルバムのプロモーションのページでサンプルが聴けるようです。

まあいかにも伝統に根ざしたというような売り方は好きではないんですが、音自身は凄く好みなんで文句をいうようなことではないですかね。民族音楽は生のままでは濃すぎるので、聴きやすくコマーシャルにするのは間違ったことではないので、いかにもなセールス・トークはやめてくれたほうがすっきりするんですけど。To Drive the Cold Winter Away

クリスマスにちなんだアルバムでは、伝統的なキャロル集の A Winter Garden や、冬をテーマにした To Drive the Cold Winter Away が出ているんですが、けっこう前の録音のようで、中近東ふうの調べはなく、新作に比べるとどちらもかなり渋いです。The Book of Secrets はまだ届いてないんですが、ちょっと期待ですね。

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Monday, December 11, 2006

Sounds of Christmas

Songs for Christmas時節柄、クリスマスや冬にちなんだ音楽を、タダで聴けるソースを中心に集めてみましょう。

まあ今年のクリスマスものといえば、筆頭はスフィアン・スティーヴンズの EP 5枚組 Songs for Christmas でしょうか。1年に1枚ずつ限定版で出ていたのをまとめたもので、トラディショナルとオリジナルのミックスになってます。5枚組とはいっても1枚ものとほとんど変わらない値段ですので、かなりお買い得といえるかも。

無料で聴けるトラックはこちらで:

One More Drifter in the Snowベテランではベット・ミドラージェイムズ・テイラーのものが出ているようです。個人的にはエイミー・マンサラ・マクラクランのものが気になりますね。このあたりの新譜の一部の曲や全曲のストリーミングは download.com で聴けるようです。

インディー系の曲でしたら、woxy.com が24時間ぶっ続けでかけてますので、ともかくクリスマス気分に浸りたい人には打ってつけかも。

ストリーミングはこちら:

ちょっと以前の作品では、Trans-Siberian Orchestra のロックのクリスマスがなかなかいいので、DVD の付いた3枚セット The Christmas Trilogy を買っちゃいました。オーケストラとピアノをフィーチャーしたかなりオーソドックスな演奏で、どんくさいといえばどんくさいんですが、素直に楽しめるいい作品ですよ。ただし、DVD のリージョンは "1" でした。

その他、目に付いた無料トラックをリストしておきます:

いやでも、El Perro Del Mar のはとっても暗いので、暗い気分になりたいとき以外は避けたほうがいいかも^^; 他にも見かけたらアドバイスください。ここに足していきます。

締めくくりにスフィアンの "Put the Lights on the Tree" のビデオクリップをどうぞ。

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Thursday, December 07, 2006

Some Loud Thunder, by Clap Your Hands Say Yeah

Some Loud Thunder2005年のインディー・シーンの花形的存在だった Clap Your Hands Say Yeah の新作が 1/30 発売ということで、それに先駆けて2曲の mp3 がオフィシャル・サイトで提供されてます。う~ん、へたれ声は依然健在^^)

なんかでも、かなりミドル・テンポになってて、デビュー作よりじっくり聞かせることを意識してるんでしょうか。"Love Song No. 7" のほうはあんまりピンときませんが、"Underwater (You and Me)" はフィル・スペクターのノリじゃないですか。このお祭り騒ぎはいいですね。MySpace ではもう1曲 "Satan Said Dance" が聴けますが、なんかリミックスみたいなダンス・チューンです。ううむ、やっぱりアルバム通して聴いてみないと気に入るかどうか分からないかも。

オフィシャル・サイトでは mp3 版を 1/16 から提供して、購入した人にはあとからディスクを発送するということですが、海外向けの販売はどうなるんでしょうかね。

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