Thursday, January 31, 2008

27 Big Picture Illustrators nominated!

先日「ネスレ子どもの本賞」の中止という残念なニュースをお伝えしたばかりですが、その運営に当たっていたブックトラストが、絵本の良さをもっと知ってもらおうという「ビッグ・ピクチャー」キャンペーンを展開中です。

ブックトラストによると、このたび2000年以降に英国で出版された絵本の中から、27人の優れたイラストレータが出版関係者らによって選出されました。さらにこの中からビッグ・ピクチャー委員会が10人を選び、3月31日のボローニャ国際絵本原画展で結果が発表されるとのこと。選ばれた10人のイラストレータは、絵本の重要性をアピールする活動に今年いっぱい従事するそうです。詳細についてはビッグ・ピクチャーのオフィシャル・サイトで。

ロングリストに入っているエミリー・グラヴェットミニ・グレイジョエル・スチュワートは、marginalia でも以前ご紹介したお気に入りイラストレータでもあるので楽しみ♪ このキャンペーンで絵本のイラストレータにもっと脚光があたるようになって、良質な作品がたくさん出版されるようになるとうれしいです。

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Saturday, October 27, 2007

Poe Illustrated

やっと秋めいてきてハロウィーンも近いってことで、イラスト版ポー特集なんていかがでしょう?

Poe Illustratedまずはこの夏に出た "Poe Illustrated: Art by Dore, Dulac, Rackham and Others"。副題が示すようにドレ、デュラック、ラッカム、ウィリアム・ヒース・ロビンソン等 19世紀末から 20世前半のアーティストによるポー作品の 100以上に及ぶイラストが収録されているようです。私が持っている岩崎美術社の『エドガー・A・ポウと世紀末のイラストレーション』と時代的にかぶってるんですが、この中では個人的に創元推理文庫の「ポオ小説全集」にも採用されているハリー・クラークの絵が好きですね。彼の作品が一番ポーに合ってるんじゃないかと思うのですが、どうでしょう? ハリー・クラークのイラストはこちらで、ウィリアム・ヒース・ロビンソンのイラストはこちらで見ることができます。Poe: Illustrated Tales of Mystery And Imagination

この現代版といえる本  "Poe: Illustrated Tales of Mystery And Imagination" が昨年末に出ています。ウスグロウ、カサラモーナ、ジェン・レイ、ブライアン・ユーイング等、最近のアーティストによるものということですが、こちらは気になりながらもあまりの値段の高さEdgar Allan Poe's Tales of Mystery and Madnessに手をだせないでいます。どなたか味見してくれるとうれしい♪

ポーといえば思いっきり暗いイメージですが(2004年発売とちょっと古いですが)グリス・グリムリーは "Edgar Allan Poe's Tales of Mystery and Madness" でなにやらコミカルなポーを描いています。内容にはちょこっと手を加えているようですが、このコミカル・タッチがまた、とても合ってるように思えるから不思議です。表紙の地中の憔悴しきった悩ましい顔のポーもいい味出してますね~。

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Wednesday, August 15, 2007

Death By Chocolate: Redux, by David Yurkovich

Death By Chocolate: Reduxううむ、夏にはむちゃくちゃ鬱陶しいヒーローの登場ですよ。スイスの怪しいキャンディ工場で、ついうっかり溶けたチョコレートの桶に落ちた主人公は(たぶん ISO 9001 の認定は受けてないんでしょうね)、そこに巣くっていた異星生物と一体化して、純チョコレート人間となってしまいます。ウィリー・ウォンカの工場では落ちた人間はチョコレートの原料になりますが、こちらでは逆。誤って死なせてしまった人間を助けるウルトラマンと設定がそっくりですね^^)

で、触れるものすべてをチョコレートに変える能力を身に着けたミダス王のような主人公、悪の道に堕ちてたんですが、FBIに捕まって改心し、エージェント・スウィート(Swete)として、食べ物がらみの犯罪に挑むことになります。なにやら人語を話す異次元犬ジェフリイや、作家のヘミングウェイと知り合いになって、不死を授ける「永遠パスタ」の盗難事件や、なんでも貪り食う3人組と渡り合うようです。かなりノワール・タッチということですが、スウィートなのにブラック・チョコレートですか^^;

なんか悲劇的な結末が待っていそうな予感がしますが(まあチョコレート人間の末路ですからね~)、これはやはり鬱陶しさを我慢しても夏に読まないと実感が湧かないでしょう。脳みそがチョコレートになっちゃいそうな気もしますけど……。

ちなみにこの作品に合うチョコレートといえば、やっぱり中がとろとろになったリンツのリンドールでしょう。げ~っ、考えただけでも涎が……じゃない、吐き気が^^;

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Thursday, June 07, 2007

"World Behind the Door: An Encounter with Salvador Dali" by Mike Resnick

World Behind the Door: An Encounter with Salvador Daliダリは子供のころからすっごく好きだったので、「記憶の固執」の表紙で思わずチェック! なんと『キリンヤガ』のマイク・レズニックのYA向けの新作でした~。

シュールでメタフォリカルなところが魅力のダリの作品群。ところがダリったら、ちょくちょく平行世界に行っては、謎の少女から絵画のアイディアをもらってたそうなんです。そう言われてみると、シュールレアリスム(特にダリ)と量子物理学って、妙にマッチしている気がしませんか?(気のせい?)

いずれにしてもダリの作品の新たなヒミツが明かされるとあれば、ダリ・ファンとしては読まずにはいられませんね。ハイゼンベルクやフロイトなどの実在の人物も登場するようですが、フロイトがダリの夢判断をしたらいったいどんなことになるんでしょうか。Lady with an Alien: An Encounter with Leonardo da Vinci

この作品、Art Encounters シリーズの1作なのですが、レズニックではダ・ヴィンチの「白貂を抱く貴婦人」の真実に迫る "Lady with an Alien: An Encounter with Leonardo da Vinci"(貂じゃなくて、エイリアンだったのね~)と、ロートレックの「ムーラン・ルージュ/ラ・ギュール」を扱った "A Club in Montmartre: An Encounter with Henri Toulouse-Lautrec" に続く3作目みたいです。他の作者では、フリーダ・カーロ、ジョン・シンガー・サージェント、ファン・アイクなどを題材とした作品もあって、個人的にけっこう好みの画家が取り上げられているので、ちょっと気になりますね。ご興味のある方は、出版社サイト(一番下)をご覧下さい。シリーズのコンセプトとしては、美術に親しんでもらうためのYA本ってことで、画家に関するちゃんとした資料も一応ついているようです(ってことで、アートのカテゴリに入れときます)

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Sunday, May 27, 2007

"The Professor's Daughter" by Joann Sfar (Author), Emmanuel Guibert (Illustrator)

The Professor's Daughterフランスにもヴィクトリア朝ブームが伝染したのでしょうか。ジョアン・スファーエマニュエル・ギベールのフランス人コンビによる合作 "The Professor's Daughter" は、ヴィクトリア朝ロンドンが舞台のグラフィック・ノヴェルです。

表紙をよ~く見ると、ごく普通の恋人同士の楽しそうなデートのようでいて、なにやら異様な……。そう、このふたり、エジプト学の教授の娘と、なんと(!)現代に蘇ったミイラというカップルなんです。ミイラのお父さんまで出てきて、それもヴィクトリア女王を誘拐しちゃうというので、すっごいドタバタコメディの予感。

【追記】
この作品のフランス語原書 "La fille du professeur" は1997年出版なので、ヴィクトリア朝ブームにのって英訳版がやっと出版されるって感じみたいですね。フランスのアングレーム国際BDフェスティバルで毎年選ばれるルネ・ゴシニー賞(Le prix René Goscinny)を1998年に受賞しています。

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Wednesday, May 23, 2007

A.L.I.E.E.E.N.: Archives of Lost Issues and Earthly Editions of Extraterrestrial Novelties, by Lewis Trondheim

A.L.I.E.E.E.N.: Archives of Lost Issues and Earthly Editions of Extraterrestrial Novelties時にはこういうかわいいエイリアンの絵本なんてどうでしょう。

作者のルイス・トロンドハイムが森の中で見つけた絵本、少々くたびれてますが、どうも地球で作られたものではなさそうです。登場するかわいいエイリアンたちは理解できない言葉で話しているそうですけど、そこはそれ、絵本ですから大体推測がつきそうですね。

で、シュールな背景の中でどんなことが起こるかというと、こちらにサンプルのゲームがありました。そう、みんなで遊んでエイリアンの手助けをしてあげましょう^^)

いや、どうみてもこれは Bunny-O-Calypse か Bunny Suicides の世界ですね。BGM はやっぱり The Suicidal Birds でしょうか。

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Sunday, May 13, 2007

"Alligator Boy" by Cynthia Rylant (Author), Diane Goode (Illustrator)

Alligator Boyおお~、これはオオトカゲの亜種、コドモドラゴン!……じゃなくて、ワニの着ぐるみを着たただのコドモですね。

人間のコドモでいるのに飽き飽きしてしまった少年が、母親の心配をよそにワニの姿で暮らすのだそうですが、いったいどんなことになるのでしょう。

こちらでちょこっと中身を見ることができるんですが、ちょっと古めかしくて懐かしい感じのイラストがかわいいです。イラストレータはコールデコット受賞者のダイアン・グッド。

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Friday, May 11, 2007

Samorost

Samorostウェブでできるちょっとしたアドベンチャー・ゲームなんですが、背景といいキャラクタといいこれがじつにかわいいんです^^) なんとなく以前に紹介した Conclave Obscurum99 rooms を親しみやすくしたような雰囲気ですね。

小惑星に住む小人さんが、他の小惑星から攻撃を受けて調査に向かうんですが、これがまあヘンテコなところにヘンテコな生物がうじゃうじゃいて、はてさて小人さんは無事に帰れるんでしょうか……。

Samorostいやまあハゲタカにさらわれたりアリクイに喰われたり危険なことだらけなんですが(ちょっと誇張が含まれてます)、死んでゲームオーバーということにはならないとっても優しい設計のようです。

Samorost 2 のほうはダウンロード版が 800円ということですが、Samorost 1 はフリーでプレイできます。ただし Flash プレーヤが要るようですね。とりあえず無料版で遊んだんですが、ううむ、800円だし、買ってしまおうか……。

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Wednesday, May 02, 2007

Persepolis: Le Film

Persepolis: Le Filmひぇ~、知らないうちに『ペルセポリス』がアニメになってました。MySpace のオフィシャル・サイトでトレーラーが見られますが、白黒のマルジが動いてます!

本物のおばちゃんマルジのインタヴュウ映像もありますね。なんていってるのかはわたしに訊かないでください^^; サトラピ自身がコ・プロデューサとして参加しているので、これは間違いなく期待できるでしょう。

フランスでは 6/27 封切りのようですが、果たして日本でも公開されるんでしょうか。まあどうせ DVD になったら即座に買いますけど。ともかく楽しみ~^^)

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Thursday, April 26, 2007

"God Save the Queen" by Mike Carey, John Bolton(Illustrator)

God Save the Queen"X-MEN" や "Lucifer" などの代表作があるコミック・ライターで、昨年 "The Devil You Know" で小説家デビューも果たしたマイク・キャリーと、写実的な作画が売りのジョン・ボルトンのコンビによるこのグラフィック・ノヴェル、シェイクスピアの『夏の夜の夢』からアイディアをもらってるようなんですが、このキョーレツなインパクトのある表紙から察するに、パンクなノリのハチャメチャコメディって感じでしょうか。タイトルは英国国歌というよりは、ピストルズ? いずれにしてもこのクィーン、エリザベス2世ではなさそうです。

主人公は、ロンドン北部に住む不良少女リンダ。クラブ通いで知り合った連中に人間の血を混ぜたヘロインをもらって試してみると、いつの間にか妖精郷の女王マブとティタニアの権力闘争の真っ只中に。というわけで、ドラッグの彼ら、妖精だったんですね(ずいぶん荒んだ妖精だ~)。そしてリンダ自身についても意外な事実が……。

出版社サイトで、数ページ見ることができるのですが、けっこうお馬鹿で笑えそうです。なんかコワイもの見たさで買っちゃいそうなんですけど。

ジョン・ボルトンは、クリストファー・ファウラー原作で "Menz Insana" というグラフィック・ノヴェルも出してたみたいですね。

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Tuesday, March 06, 2007

Alice in Sunderland, by Bryan Talbot

Alice in Sunderland (uk)表紙とタイトルで一目瞭然なように、アリスを主人公にしたグラフィック・ノベルだそうです。とはいっても中身はただのお話というよりは、ルイス・キャロルがしばしば訪れて原稿を書いたり想を練ったという、イングランド北部の北海に面したサンダランドの町にちなんだものとのこと。様々なスタイルの短編の形式で、サンダランドの風物や歴史を語っているようですね。

作者ブライアン・タルボットのファン・サイトでいくつかのページが見られますが、テニエルの絵のコラージュなども取り入れて、おなじみのアリスのイメージを損なわないような、なかなか魅力的な誌面作りになっています。色々なタッチの画風が混在しているようですが、ちょっとどれもよさそうですね。これは特にアリスのファンでなくても買うしかないでしょう。いや、表紙だけで手を出してしまう人もかなりいるかも^^) ちなみに US版はこちら

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Sunday, February 25, 2007

"The Invention of Hugo Cabret" by Brian Selznick

The Invention of Hugo Cabret「自動人形」といえば、ブライアン・セルズニックの新作のこの児童書も気になります。

主人公は1930年代のパリに住む 12歳の孤児ユーゴー。彼は死んだ時計職人の父の跡を継いで、駅舎の時計の管理をしています。彼の夢は父の遺していった壊れた自動人形を元通りに直すこと。そのメカニズムについては父から伝授されていたものの、なにやら他にいろいろヒミツがあるような……?

500ページ以上あるのですが、絵本でもなく、グラフィック・ノヴェルでもないけれど、挿絵のページがかなり多いということなので、かなり読みやすそうです。この作品の紹介サイトで、最初の部分をフラッシュで見ることができるのですが、ちょっと映画を見ているような感じになりますね。同サイトによると、セルズニックはこの作品を書いているあいだ古い映画をいっぱい見たそうです。彼のオススメは『パリの屋根の下』。これは私も昔見て、内容は忘れちゃったけどけっこう好きだった記憶があります(主題歌はとてもいいですよね)。ちょうど同時代なので、そんな雰囲気が盛り込まれていそうですね。

Variety.com によるとこの作品は、マーティン・スコセッシ監督で実際に映画化されるようです。全然関係ないけどスコセッシ、その前に遠藤周作の『沈黙』も撮るんですね。

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Saturday, February 17, 2007

"Hi-Fructose #4 - Under the Counter Culture" (Art Magazine)

Hifructose_4 きゃ~、レイ・シーザーの表紙、アヤシくてかわいい~~~♪ この "Hi-Fructose" っていうのはカウンター・カルチャーのアート雑誌で、#3 の前号は日本でも人気のある『不思議サーカス』のマーク・ライデンの特集だったのですが、#4 の今号はレイ・シーザーですよ~。めちゃくちゃ欲しいんですけど、アマゾンで扱っていないのが残念!

レイ・シーザーのサイトはこちらこちらの myspace のほうが見やすいかも。

で、こんなとこで聞くのはなんですが、Hi-Fructose #4 は quark さんとこで扱ってますか? あったら買いたいので1冊キープ願います!(レイ・シーザーの絵、絶対 quark さん好みでもある気がするんですけど)返事がこなかったら、ランダム・ブログに押しかけちゃうぞ~。

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Friday, February 16, 2007

"Fluffy" by Simone Lia

Fluffyこのグラフィック・ノヴェル、フラッシュで数ページ見れるのですが、哀愁の漂うこの雰囲気、なんだかとってもあとをひきます。人間を父親だと思いこんでるウサギの子と、ただひたすらそれを否定する男性とのやりとりだけなんですけど、なんかちょっとお馬鹿そう……いえ、純真無垢そうで一途なウサギがめちゃくちゃかわいいです。で、否定されたあとの間と表情がなんともいえないですね。勝手にお父さんにされちゃったほうも、なにやら生真面目に相手していてかなりヘンです。

しかし 192ページあるようですが、全部この調子なんでしょうかね。

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Friday, February 09, 2007

"Garage Band" by Gipi

Garage Band昨年フランスのアングレーム国際BDフェスティバルで金賞を取った "Notes pour une histoire de guerre" については、以前 marginalia でもちょこっとお伝えしましたが、そのイタリアのコミック作家ジピの別の作品(仏訳版は "Le local")がとうとう英語版で出るようです。やった!

バンドを組んで音楽に打ち込む、家庭に問題を抱える4人の少年たちの友情の物語――な~んて、とっても青春ですね~~~。こちらで数ぺージ読むことができますが、やっぱりすっごく上手い! もう予約しちゃいます。

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Wednesday, January 24, 2007

"Ottoline and the Yellow Cat" by Chris Riddell

Ottoline and the Yellow Catポール・スチュワートと組んだ『崖の国物語』や『ファーガス・クレインと空飛ぶ鉄の馬』などのイラストで人気が高く、ケイト・グリーナウェイ賞やスマーティーズ賞などの受賞者でもあるクリス・リデルの最新作 "Ottoline and the Yellow Cat" が出たので、早速買って読んでみました。これは超オススメ!

主人公は、その外観から「コショウ瓶ビル」と呼ばれている豪華なマンションに住む女の子オットライン。両親が世界各地を旅しているので、彼女はミスター・マンローと一緒にお留守番をしています。この二人は好奇心旺盛で、共通のシュミは盗み聞き! 町で連続ペット誘拐事件が起こって警察が手を焼いているのを知るや、早速捜査を開始します。

「〈お前は何者だ〉変装アカデミー」の免状を持つオットラインと、彼女の両親がノルウェーの沼沢地から拾ってきた毛むくじゃらの生き物ミスター・マンローの名コンビが難事件(?)に挑むという物語なのですが、彼ら自身とその周辺のヘンテコさがとても楽しい作品でした。

約170ページといっても、イラストがめちゃくちゃたくさんあるので(イラストだけのページもたくさんで、全体的に文は少ないです)、あっと言うまに読めてしまうのですが、そのイラストがすご~くかわいいんですよ~。ヘンテコなシュミやこだわりを持っているオットラインの、コレクションやファッションが見物! 作者自身も細かいところにヘンなこだわりを発揮してますね~。そしてオットラインと、ひとことも言葉を発することのないミスター・マンローの友情とあうんの呼吸は、見ていてとても気持ちいいです(しかしミスター・マンロー、電話してたけど喋れたんでしょうか?)。

で、ストーリーとは全く無関係に、ロバートという名前の食いしん坊のネズミがたまに出てくるんですが、これがなんかけっこう笑えるんですよ~。

うれしいことにこれはシリーズ物のようで、次作は "Ottoline Goes to School" だそうです。購入決定!

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Wednesday, January 17, 2007

"Mr. Maxwell's Mouse" by Frank Asch, Devin Asch (Illustrator)

Mr. Maxwell's Mouseあれれ、いつの間にか「mouse」なんていうカテゴリが……。a nanny mouse さんって、愛鼠家だったんですね。というわけで、2004年発行とちょっと古いですが、こんな絵本はいかがでしょう?

めでたく昇進が決まったネコのハワード・マクスウェル氏。自分へのお祝いってことで、レストランで豪勢に「生きたネズミ」を注文しました。出てきた料理がこの表紙の絵。パンの上に平然と寝そべってるこのネズミ、こにくたらしくてイヤですね~。なにやら不吉な結末を暗示しているような。ネコの味方の私は、コワくて続きは知りたくないです。

しかし "Mouse Noses on Toast" なんて本もありましたが、ネズミはパンに載せていただく決まりなんでしょうかね。

文とイラストのアッシュ氏は親子だそうです。

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Tuesday, January 09, 2007

"Beatrix Potter: A Journal" by Beatrix Potter

Beatrix Potter: A Journalビアトリクス・ポターの若い頃の日記が、かわいい本になって出ていました。水彩画やスケッチや写真や手紙などが満載ということで、これは絶対欲しいですね。アマゾンで中身を少し見ることができるのですが、かわいいのはイラストばかりじゃありませんよ~。時代の雰囲気も見事に出ていますね。

『ピーターラビット』のオリジナル版(白黒)もオマケについているんだそうです。

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Thursday, January 04, 2007

"Glacial Period" by Nicolas De Crecy (Graphic Novel)

Glacial Period日仏漫画家によるアンソロジー "Japan" にも作品を寄せていた、ニコラ・ド・クレシーのグラフィック・ノヴェル "Période Glaciaire" の英語版 "Glacial Period" が2月に出るようです。

「氷河時代」というタイトルではありますが、舞台は大昔ではなく、数千年後の未来(ということは、これから温暖化ではなく、なぜか寒冷化が進む?!)。考古学者たちが長年雪の下に埋まってたルーヴル美術館を掘り起こすと、芸術作品がざっくざく! ところが過去の記録が失われてしまっているため、彼らには発掘した作品の意味が全然分からないんですね~。でもって、てんで勝手な解釈をしちゃうという、けっこうお馬鹿なお話のようです。う~ん、これはおもしろそうかも。

ポイントは「ルーヴル美術館・共編」となっていること。ルーヴルのお墨付本(?)なんですね。

こちらで少し中身を見ることができます。

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Wednesday, December 27, 2006

"Arrival" by Shaun Tan

Arrivalううう、なにこの生き物? かわいい~。なんともいえない「未知との遭遇」のワンショットですが、これは中身が気になります。

あらすじによるとこの本は、住み慣れた故国をあとに未知なる国へと旅立った、移民、難民、流民の物語で、全ての旅人に捧げられた字のないグラフィック・ノヴェルとのこと。

作者のショーン・タンは、"The Red Treeレッドツリー)" で 2002年にオーストラリア児童図書賞を受賞した、在パースのイラストレータです。この "Arrival" は、移民の国オーストラリアの作家ならではの作品なのかもしれませんね。The Viewerタンは、2001年世界幻想文学大賞で、ベスト・アーティストにも選ばれています。

こちらの作者のサイトに、各絵本のイラスト少々と作者自身のコメントがあるのですが、どれもなんだかとってもエキセントリックで好きですね~。まずは1冊試し買いをしたいのですが、どれにしようか迷ってしまいます。ちなみに、他の何冊かの絵本で文を担当しているゲイリー・クルーは、エドガー賞YA小説賞にノミネートされたこともあるオーストラリアの作家だそうです。

彼の絵本のいくつかは、短篇映画や芝居にもなっているんですね。

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Saturday, December 23, 2006

MOMA Artforum Selects "Tekkon Kinkreet" adapted from Taiyo Matsumoto's Comic as Best Film of 2006!

Tekkon_kinkreet_2 松本大洋のコミック『鉄コン筋クリート』の映画が今日から全国ロードショーになってますが、なんと(!)これが MOMA 発行の Artformum 誌で、学芸員のひとりによって「2006年ベストフィルム」に選ばれてるんですね~。松本大洋ファンの私としては、大感激です。

映画はまだ観ていないんですが、コミックのほうは大好きなんです。暴力系やヤクザがでてくるような話は基本的には好まないのですが、これは別! 宝町を護ろうとする孤児(で悪ガキ)のクロとシロの活躍が涙ぐましいです。シロはお馬鹿でかなり足りないんですが、純真無垢。ときどき鋭いことを口にして、それがけっこうジ~ンとさせるんです。それに対し、他人には暴力的なのに、お馬鹿なシロを護って甲斐甲斐しく世話をするクロ。お互いの、足りないところを補い合ってゴミ捨て場のような町を生きていく正反対の二人の友情が美しいんですね~。松本大洋は子供を描かせたら、多分世界一上手い漫画家じゃないでしょうか。漫画の中のあの表情の豊かさや動きや構図が、映画の中でどのくらい損なわれずに表現されているかが見物かも。予告編を見ると顔はちょっと違うけど、町の様Tekkon Kinkreet子はレトロな雰囲気がカラーでよく出ていてとてもいいですね。

監督は、コンピュータ・グラフィックスでいくつもの映画に携わっているマイケル・アリアスで、この作品は海外での公開も決定しているそうです。

英語版コミックは "Black & White" のタイトルで出ていたのですが、3巻以外はもう手に入らないみたいですね。フランス語版も絶版。これを機会にリプリントして欲しいものです。

ふふふ、映画はもちろん今年中に見に行きますよ~!

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Friday, December 08, 2006

"Sparrow" by Phil Hale(Illustrator)

Sparrow 2Sparrow は、コミック・アーティストを一人ずつハードカバーで紹介するシリーズで、第1弾はスペクトラム賞を3度受賞したアシュリー・ウッドでした。それに続く第2弾がこのフィル・ヘイルのポートレイト主体の作品集です。

なんだかとっても落ち着いた美しい表紙ですが、あのインパクトのある(というかコワイ?)重松清『疾走』の表紙もヘイルなんですSparrowよ~。同じ人の作品とは思えませんね。あと、スティーヴン・キングの "The Drawing of the Three" もそうですね。

ヘイルの他の作品はこちらで少し見ることができます。躍動感のあるおどけたカンジのコミック・タッチの絵と、死と隣り合わせの暗くてリアルっぽい絵が同居していますが、どれもなかなかいいですね。私はけっこう好きかも。

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Friday, November 17, 2006

"The Crimson Comet" by Dean Morrissey (Author and Illustrator)

The Crimson Comet眠れない夜、窓から外を眺めていたら、お月様がだんだん真っ暗に! びっくりしたノラは兄のジャックと一緒に真っ赤なロケットに乗って、お月様の光を取り戻すため夜空に向かって飛び立ちます。

なんかすご~くかわいいお話っぽいですね。そしてこのクラシカルなロケットが、涙が出そうにステキ。

クリスマスに合わせて "The Christmas Ship" なんていうのもThe Christmas Shipどうでしょう? イヴで大忙しのおもちゃ屋サムのもとに、サンタがやってきます。クリスマスに間に合うようプレゼントを配るのを手伝って欲しいというのですが……。

ディーン・モリッシーのイラストはこちらでいくつか見ることができます。絵はリアルなのに、夢がありますね~。特にガラクタを集めたような機械がどれも魅力的。

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Wednesday, November 08, 2006

"A Simply Wonderful Christmas" by Silke Leffler(Illustrator)

A Simply Wonderful Christmas「11月に入ったばかりなのにもうクリスマス?!」とか言われそうですが、クリスマスに関連した23編の物語と1編の詩が入っているこの本は、アドヴェント・カレンダー式に12月1日からクリスマスまで毎日ひとつずつ読んでいくという趣向なので、欲しい人はすぐ注文しないと間に合いませんよ~。ちなみに私は今、アマゾンに1冊あった在庫本を注文しました。

この本、元はオーストリアで発行されたものなので、物語の作者はドイツ語圏の作家が殆ど。最近のドイツの児童書作家の、クリスマスをテーマにしたいろいろな作品を楽しめそうです。The Flower Ball

イラストは、オーストリアのテキスタイル・デザイナーで、イラストレータでもあるシルケ・レフラー。この表紙とか見ると、彼女の水彩画のタッチはちょっとリスベス・ツヴェルガーに似てる気がします。

レフラーがイラストを描いているもうひとつの英訳本 "The Flower Ball" も、なんかとってもかわいいので欲しいんですけど。アマゾンで中身を少し見ることができますが、最後の絵はちょこっとエロール・ル・カイン風?

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Tuesday, October 17, 2006

"Frank Was a Monster Who Wanted to Dance" by Keith Graves

Frank Was a Monster Who Wanted to Danceハロウィーンも近いということで、こんな絵本はどうでしょ?

フランケンシュタインみたいなツギハギ顔のフランク。彼の夢はスポットライトを浴びて踊ること。テレビで「ソウルトレイン」を見てたら無性に踊りたくなっちゃって、車で劇場までひとっ走り、ステージに上ってとうとう踊り出しちゃったそうです。

夢を追うモンスターっていうのもいいですね~。でも、なんかとんでもないことになる予感が……。アマゾンで中を少し見れるのですが、フランクのペットの猫もユニークですね。

隠れカエル・コレクターがいるという噂を聞いていますが、そういう方には同じキース・グレイヴズのイラストの "Too Many Frogs" なんてのもありますよ~。

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Tuesday, October 03, 2006

"Jabberwocky" by Lewis Carroll, Joel Stewart (Illustrator)

Jabberwockyヴィクトリア朝強化月間(?)ということで、出たのは2003年とちょっと古いですが、お馴染みルイス・キャロルの『ジャバーウォック』の絵本なんていかがでしょう?(←無理矢理こじつけ)

イラストはジョエル・スチュワート。この本、最近買ったんですが、絵がとってもかわいくて、すごーく気に入っています。表紙の色といい、縁飾りといい、まるであの時代の絵本みたい(一瞬、怪獣カネゴンかと思っちゃいましたけど)。タイトルページをめくって出てくるのはいかにもヴィクトリアンなお父さんと子供のイラスト。オマケにこれまたヴィクトリアンなエドワード・リア調の、人間の顔をしたヘンテコな動物も出てきて、ナンセンスさが光ってます。そしてなによりいいのは、少年の表情と動き。それらがジャバーウォックの詩にぴったり合ってます。Moon Zoo

ジョエル・スチュワートの絵本は、あと "Moon Zoo" も買ったのですが、キャロル・アン・ダフィーの詩にイラストをつけた、タイトル通り月の動物園を描いたこの絵本も、とっても夢があってよかったです。同じコンビの "Underwater Farmyard" も欲しかったのですが、絶版のようで残念です。

あと "The Adventures of a Nose" なんていう、鼻が自分の落ち着き先を探しに旅に出るお話もあって、これも楽しそう。出版日は今年になっていますが、2003年の再版のようです。

ジョエル・スチュワートご本人のサイトで、各絵本の中を少し見ることができます。

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Wednesday, September 27, 2006

"Horns and Wrinkles" by Joseph Helgerson, Nicoletta Ceccoli (Illustrator)

Horns and Wrinkles以前、絵本をご紹介したニコレッタ・チェッコリが表紙とイラストを担当している児童書です。ミシシッピ川にまつわるファンタジーって、なんか珍しいですね。

いじめっ子のデュークは鼻から角を生やしちゃうし、デュークの両親は突然石に変わっちゃうし、ミシシッピ川沿いの町で不思議なことが起こり始めます。そこでデュークと冒険大好きないとこのクレアが奇妙なトロール3人組(!)と共に、その謎を解きにミシシッピ川に漕ぎ出します。

ミシシッピ川にトロールがいたとは初耳ですね。それもなんかちょっと妙な出で立ちをしているようで。スピード感のある、ユーモラスな物語ということなので、チェッコリの挿絵もついてるし、買っちゃうかも~。

前は無かったのに、いつの間にかニコレッタ・チェッコリのサイトができていました。

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Friday, September 22, 2006

"Japan: As Viewed by 17 Creators" by Frederic Boilet, Taiyo Matsumoto, Benoit Peeters, Francois Shuiten, et al

Japan: As Viewed by 17 Creators「うう、かわいい表紙、なになにこれ?!」
と、チェックしてみたら、日本の漫画家9人とフランスの漫画家8人による、日本を題材にした漫画のアンソロジーだそうです。フランスの8人にはなんと、ちゃんと日本に滞在して描いてもらったそうです。すごい!

作品を寄せているのは、安野モヨコ、松本大洋、花輪和一、谷口ジロー、高浜寛、五十嵐大介、沓澤龍一郎、フレデリック・ボワレ、オレリア・オリタ、エティエンヌ・ダヴォドー、エマニュエル・ギベール、ジョアン・スファール、ダヴィッド・プリュドム、ニコラ・ド・クレシー、ファブリス・ノー、シュイテン&ペータース。JAPON―Japan×France manga collection

ふふふ、私としては松本大洋がいるだけで買いですね。シュイテンとペータースは marginalia で以前ご紹介した "Les Cités Obscures" のコンビで、こちらもどんな作品を描いたのか気になります。

ところで、英語版、フランス語版は10月発売なのですが、日本語版は昨年の12月にとっくに出てたんですね~。全然知りませんでした。どなたかもうお読みになった方、いますでしょうか?

しかし、日本語版の表紙はセンスないですね~。

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Sunday, September 17, 2006

"Postcard From Vienna" By Dave McKean

Postcard_from_vienna_1 アマゾンでは扱っていないのですが、デイヴ・マッキーンのモノクロスケッチ集が今月出たようです。タイトル通り、2005年12月30日から今年1月にかけてのウィーン滞在中に描かれたもので、エゴン・シーレ、ルイーズ・ブルジョワ、エルンスト・バルラハなど、ウィーン出身のアーティストたちの芸術に感化されたものだそうです。ウィーン好きの、そしてシーレの大ファンの私にとっては、とっても嬉しい企画ですね。

そう、マッキーンのイラストを見ていると、ときどき「おぉ、シーレ!」と思うのがありますよね。

今回は白黒だから名前が出ていませんが、マッキーンのカラー作品で、赤や青や緑が強烈な印象を与える色遣いなどは、これまたウィーン人のルドルフ・ハウスナーとか、フンデルトヴァッサーとかの影響が入ってる気がするのは私だけでしょうか。

あと、このスケッチ集には、ジョナサン・キャロルからの昔の絵はがきも2枚ついてるみたいです。

Bud Plant で買えば、マッキーンのサイン付きですよ~。>ファンのみなさま

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