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Tuesday, January 02, 2007

"Three Days to Never" by Tim Powers

Three Days to Never2001年に世界幻想文学大賞とIHG賞を受賞した "Declare" 後はじめての、待ちに待ったティム・パワーズの長篇 "Three Days to Never" は、期待を裏切らないおもしろさでした。

始まりは、主人公フランク・マリティの育ての親でもある祖母のシャスタ山での不可解な死。彼女の死を知らずに、数時間前の電話での約束どおり祖母の家の納屋を訪れて彼が見つけたのは、チャップリンの名前入りのセメント板と、祖母宛の謎の手紙の束、そしてピーウィーのビデオテープ。しかしそのビデオに映っていたのはタイトルとは別の古い映画で、それを見た娘ダフニーは奇怪な現象に襲われる。と、出だしから思わず引き込まれてしまうのですが、そこに現れるのがフランクが子供の頃に蒸発した父。彼がまたとても謎めいているんですね~。

そして読み進めていくうちに、どうやら祖母はアインシュタインを直接知っていたらしく、そしてなんとアインシュタインはタイムマシンを実用化していたという衝撃の事実が明らかに! さらには、チャイニーズ・シアターから取り外されて長らく行方知れずになっている、チャップリンの手形入りのセメント板は……。

過去に遡って史実や現実の世界を変えられると知れば、その危険性を知りながらも利用したくなるもの。そのタイムマシンを狙うのがイスラエルのモサドの中の超秘密組織と、ミイラ化した何者かの首を後生大事に持っている怪しげな宗教組織ヴェスパーのメンバー。彼らの中には遠くを透視できるエスパーはいるわ、他人の目を通してものを見る盲目の美女はいるわ、有体離脱するやつはいるわで、相変わらず怪しさてんこ盛りで、これでもか、これでもかと言わんばかりに楽しませてくれます。Three Days to Never

物語の中心は、この二つの組織に追われるフランクとダフニー親娘の3日間なのですが、彼らを襲う不思議な現象と次々に明らかになる史実を絡めた意外な事実の連続がこの作品の大きな魅力です(ネタバレしてはいけないので、詳しく書けないところが残念!)。

親子愛や過去を変えることの危うさについて考えさせるも、それよりなにより謎めいていて、怪しくて、ユーモラスで、文学的知識をあちこちに散りばめた、娯楽性の高いパワーズ得意の改変歴史小説でした。

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Comments

おー、やっぱり面白そう。なにやら Expiration Date に近いような感じですね。軽いタッチのほうのパワーズでしょうか。

Posted by: a nanny mouse | Saturday, January 13, 2007 at 22:13

これは私の 2006年ベスト本かな~。とにかく最初から最後まで全然飽きさせないんですよね。私はとっても気に入りました。パワーズってとっても語り上手。でもって、けっこうひょうきんなところもあって、その辺も個人的に受けちゃってます。

大人びた口調のしっかりものの 12歳の少女ダフニーは、クィーン・ファンなんですよ~(←それがどうした)。

Posted by: Lilith | Sunday, January 14, 2007 at 20:29

あ、そんなによかったですか。

> 12歳の少女ダフニーは、クィーン・ファン

ひょっとして30年ぐらい前の時代設定なんでしょうか^^)

いまは Mika の時代なんですって(笑) なんか見て怒り出しそうな気がしますけど……。

Posted by: a nanny mouse | Sunday, January 14, 2007 at 21:26

そんなによかったです。舞台は約20年前なんですけど。絶対オススメ!

う~ん、これってなんですか?> Mika

Posted by: Lilith | Sunday, January 14, 2007 at 22:22

あれ、ご存じないんですか? フレディの再来と評判の、今年期待のヴォーカリストですけど……イタッ!……だから怒るっていったのに^^;

Posted by: a nanny mouse | Sunday, January 14, 2007 at 23:12

冗談かと思ったらホントにそう言われてるんですね。でも全然似てないじゃん!(声張り上げてるとき、たまに似てるけど)。マイ・ケミカル・ロマンスとかも、クィーンに似てるって言う人多いですけど、どこが~? ホントに怒っちゃいますよ~~。

すっごい古いですが、ヴァレンシアがデビューしたときは、思わず笑っちゃいましたけど。

Posted by: Lilith | Wednesday, January 17, 2007 at 21:48

マイ・カル、じゃない、マイ・ケミの場合は、新作でクイーンのオペラティックな構成を意識したということじゃないですか。根っ子がエモ・パンクなんで手触りは違いますけど、確かにクイーンっぽさは出てると思いますよん^^)

ヴァレンシアなんてオレンジしか知らない^^;

Posted by: a nanny mouse | Wednesday, January 17, 2007 at 23:31

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