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Thursday, October 05, 2006

An Incomplete History of the Art of Funerary Violin, by Rohan Kriwaczek

An Incomplete History of the Art of Funerary Violin19世紀初頭のヨーロッパでは、それぞれの町や村に葬送のためのバイオリン弾きがいて、独自の音楽を培ってきたんですが、これをこころよく思わない教会の弾圧に遭って、1830-40年代の大葬式粛清時代にほとんど姿を消したそうです。この作品は、細々と現代まで生き延びた葬送バイオリニスト・ギルドに属する作者が、秘史ともいえる葬送バイオリンと時代とのかかわりに光りを当てたノンフィクションだそうです。

とまあ、これだけではフーンでおしまいになってしまう話なんですけど、アマゾンでも売ってるこの本、その存在自体がまったくのデマなんだとか。こちらのNYタイムズの記事に詳しいですが、この作品のアメリカでの出版社のカタログを見て、ある書店が音楽史の専門家に葬送バイオリンについて問い合わせたのが事の発端で、そんな史実はないと知らされた出版社が作者に確認して、まったくの冗談であることが判明したというもの。イギリスの出版社と作者の手の込んだジョークだったんですね。

An Incomplete History of the Art of Funerary Violinちなみに、作者のサイトには、葬送バイオリニスト・ギルドやこの本の紹介がまことしやかに書かれています。で、気になるのがアマゾンUKで現在セールス・ランク 104位のこの本が、果たして手に入るのかどうかということ。記事を見てジョークで注文した人がかなりいるんでしょうか。注文が集まったからと、案外ジョークで出版されちゃったなんていうことも起こるかもしれません^^) いちおう日本のアマゾンでもリストされてますので、だれか注文してみませんか? いえ、わたしの場合、こういうしょうもない話題にするのもバカらしい本に手を出す趣味はまったくありません……けど、気になりますね^^;

おっと、アメリカ版もリストされてました。こっちのカバーのほうがよさそうですね。

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Comments

ということで、文字通りの幽霊本の話題でした。

みんなで注文してアマゾンのセールス・ランクを押し上げるとか、レヴュウを書いちゃうとかしたら面白いんですけどね。だれか乗ります?

Posted by: a nanny mouse | Thursday, October 05, 2006 21:42

ためしに出てるかもしれないUK版を注文してみました。ぜひ読みたいです^^) 届きますように。

Posted by: bumpkin | Friday, October 06, 2006 00:17

いろいろ考える人がいるものですね。本の中身以外のネタは話題になりやすい!…じゃなくて、葬送バイオリンって面白そうだと思いました。
原書がないのに翻訳書が出たりしたら、それもまた面白そうですね(でもたぶん買わない…)。

Posted by: nego10 | Saturday, October 07, 2006 22:11

ひえ、bumpkin さんのおかげで 2,774位になってますよ。ううむ、わたしも注文してみよう。

そうそう、微妙にありそうでなさそうで、ちょっと面白そうなところがうまく隙間を突いてる感じですね。

いや実はモーツァルトは葬送バイオリンから着想を得ていたし、パガニーニも密かにギルドに属していたんですよ。モーツァルトは門外不出の秘法を自らの名声のために公にしようとしたので、ギルドの放った刺客に暗殺されたという説もあります。葬儀の席に葬送バイオリニストがいなかったことを考え合わせると、かなり信憑性が高そうですね。

師匠から弟子に実地で受け継がれるため、特殊な記譜法を使用していて、解読されたのはつい最近のことなんだとか。そのあたりの経緯は *an *rown の次の作品で明かされることになるんじゃないでしょうか。

Posted by: a nanny mouse | Sunday, October 08, 2006 00:04

注文したら、瞬間風速で 256位になりましたけど、また 2000番台に落ちちゃったみたいですね。

Posted by: a nanny mouse | Sunday, October 08, 2006 23:12

おや、イギリス版の表紙がアメリカ版と一緒のものに変わってますね。

いま 666位ということは、bumpkin さんとわたし以外にも注文した人がいるということですね。しかし不吉な順位^^;

Posted by: a nanny mouse | Thursday, October 12, 2006 20:52

幽霊本じゃなかったんですね。ちゃんと届いたので読みました^^)

冒頭で葬送バイオリンの歴史と芸術をざっと解説したあと、近年奇跡的に発見された資料等に依りながら、その誕生から形式の成立、最盛期の栄光と弾圧の実態、衰退を経て現在に至るまでの400年を、錚々たる葬送バイオリニストたちの生涯とともに追いかけた労作でした。
まともなでっちあげ部分(!?)のみならず、んなバカな~というふざけた記述まで、辛気くさくも真摯な筆致で大真面目に書きまくったところがりっぱです。バチカンの陰謀はどうも月並みでいただけませんが、各時代を彩った奇人バイオリニストのエピソードや、ドラム使用の是非をめぐる論争などは、嘘と知りつつ引き込まれる結構な内容でした。
(図版多数、巻末に弾圧を逃れた貴重な楽譜を掲載。)

…って、こんなものを紹介してどうする^^;

しかし、アメリカの出版社がだまされたとは、どうも解せません。騙しが芸術の域に達した偽書ではなく、読めば冗談とわかるように書いてあるんですが。発見された楽譜を録音中のバイオリニストが、猫踏んじゃって階段ころげおちて非業の死をとげたとか、より多くの会葬者を泣かせたほうが勝ちの「葬送バイオリニスト決闘」があったとか、本気で信じたのでしょうか。
ひょっとしてだまされたこと自体が、嘘の本を宣伝するための嘘だったのでは…。

Posted by: bumpkin | Tuesday, October 24, 2006 21:43

ひぇ~、ほんとに出ちゃいましたか^^; わたしのほうは発送の連絡がまだありませんけど、そろそろですかね~(ひょっとして bumpkin さんの紹介も嘘だったりして^^;) いやでも、なんか面白そうじゃありませんか。

出版社の社長は完成した原稿を読んで契約したわけじゃないようなことが書かれてましたけど、ひょっとすると話題作りのための演技だったのかも知れませんね。

しかし、この本、ジャンルは何になるんでしょう? 歴史書でも音楽関係のノンフィクションでもないし、小説でもありませんしね。ううむ、marginalia にはピッタリの本ですけど。

Posted by: a nanny mouse | Tuesday, October 24, 2006 22:09

ほんとですって~。英語力に問題があるので、紹介に嘘まぜちゃう可能性は常にありますが^^;

ジャンルは…改変音楽史?? でもほんとに、面白かったんですよ(決してオススメはしません)。最終ページには、CD販売のご案内もあります。

Posted by: bumpkin | Wednesday, October 25, 2006 23:25

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