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Monday, July 31, 2006

DeVotchKa

DeVotchKa に憑り付かれてしまい、手に入るものはすべて買ってしまいました。といっても、フル・アルバムが3枚に、今年出たEPとサウンドトラックだけなんですけど。

Curse Your Little Heart新譜のEP、Curse Your Little Heart は、オリジナルが2曲、カバーが3曲、トラディショナルが1曲という構成で、やっぱりちょっと短いですかね、フルに魅力を発揮とは行かず中途半端です。それでもスージー&ザ・バンシーズのカバーの "The Last Beat of My Heart" がむちゃくちゃいいので、これだけでも買う価値ありますね。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの "Venus and Furs" もアラブ風の音作りが聴きものです。

How It Endsやっぱりでも、DeVotchKa 入門にはフル・アルバムのどれか1枚を聴いたほうがいいですね。とくにタイトル・トラックが印象的な How It Ends は涙なくして聴けない1枚です(<ちょっと大げさ)。いくつかの傾向の音が同居しているため、すべての曲が好みというほどではないんですが、いい曲はもうむちゃくちゃいいです。東欧風のジプシー音楽をベースに、マリアッチやタンゴ、時にはマカロニ・ウェスタンが顔を出すというなんとも奇妙な取り合わせの音は、ともかく聴いてみないとその魅力はわからないでしょう。わたしもこんな音が自分の好みだったなんて初めて気付かされました。

哀愁を帯びたヴァイオリンに、街角の楽隊を思わせるトランペットとアコーディオン、効果的に使われるピアノの音に、ミュージック・ソーならぬテルミンを使ってるんですね。甘く歌い上げるリード・ヴォーカルの抱えているギターがヘンテコな形をしていると思ったら、ギリシャのブズーキという弦楽器だそうです。紅一点のコントラバス奏者は、ときどき電飾に彩られたスーザフォンを体に巻きつけて舞台に登場するのだとか。ライヴが見てみたいバンドですね、ほんと。

まあ Gogol Bordello のような本格的なジプシー音楽よりはポップな聴きやすい音作りですので、より万人向けといえますね。一方で、今年話題の Beirut よりもしっかりと練られた演奏で、もう文句のつけようがないです。ほとんど知られてないというのがなんとも不思議。

Little Miss Sunshineとはいえ、封切られたばかりの Little Miss Sunshine という映画で DeVotchKa の音楽がメインにフィーチャーされてますので、今年は人気に火がつくことになるのかも。サウンドトラックには "How It Ends" を含む数曲とアレンジしたインストルメンタル版、この映画のために書き下ろされた新曲の "Til the End of Time" が入ってます。既存のものですが、スフィアン・スティーヴンズの2曲もなかなかチャーミングです。

物語のほうは、バラバラだった3世代家族が、娘の Little Miss Sunshine ページェント出場の夢をかなえるために道行を共にする中で、家族の絆を再発見していくロード・ムーヴィとのこと。ストーリイはありきたりの感じですが、トレイラーとか見るとすごく期待できそうですよ。黄色いフォルクスワーゲンのボックスカーも印象的ですし(これ欲しい!)。だいいち DeVotchKa の音楽が随所に顔を出すというだけで、なにか特別なものに変わっていそうな感じがします。けど、"How It Ends" はどういうふうに使われるんでしょうかね。 "You already know how this will end" っていう不吉なリフレインなんですよ^^;

ちなみに、DeVotchKa というバンド名は、アンソニイ・バージェスの『時計じかけのオレンジ』に登場する、少女を意味するロシア語をベースとした造語から取られたものとのこと。そのまま読むと「デヴォッチカ」になってしまいますが、ロシア語的に「デヴォーチカ」って発音するんでしょうね。"devote" とも掛けてあるんでしょうし。

例によって Youtube では映画のトレイラーとか、"How It Ends" を使ったクリップとか(レズのカップルの悲恋ものです^^;)いろいろ見られます。あ、下のリンクは "Til the End of Time" をフィーチャーしたトレイラーですので、安心して見てください。

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Build Your Own Superhero

スーパーヒーローが流行りの時代なんでしょうか。

CatkillerSciFi Channel の HeroMachine で、オリジナルのスーパーヒーローを作って遊びましょう^^)

わたしのスーパーヒーローは悪いネコを退治するのが専門で、双眼鏡でネコを発見しては、トランペット型の Catcall でいびってターゲットを狂気に追いやります。アイパッチなのになんで双眼鏡なんだという細かい設定のミスはいいっこなしですね。本名はミツビシといって、いつもは工事現場で働いてます。

じつは最初のトライアルであまりにものすごいヒーローが出来ちゃったんで、とてもここでは見せられないので作り直したんでした^^;

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Sunday, July 30, 2006

"Mirrors of the Unseen: Journeys in Iran" by Jason Elliot

Mirrors of the Unseen: Journeys in Iranブッシュに「悪の帝国」と名指しされているイラン。欧米との関係改善を図ろうとするも失敗した穏健派ハタミに代わり、保守強硬派のアハマディネジャドが大統領になってからとんでもない方向に突き進んで、国際社会のつまはじき者になっている感がありますが、元は豊かな文化を持つ国です。政治のことは置いておいて、イランの本当の姿とその魅力を伝えようというのが、この "Mirrors of the Unseen: Journeys in Iran"。

Independent のレヴューによると、イランについてかなりの歴史的文化的知識を持つエリオットが、美しく、ユーモア溢れる文章で書いた旅行記とのことで、とても期待できそうです。読者は、ニュースで報道されるイランのネガティヴな面だけでなく、別の側面を見ることができて、バランスの取れたイラン像を描けるのではないでしょうか。

作者の撮った30枚の写真、15枚のスケッチ、そして地図つきとのこと。イスファハンには一度行ってみたいと思っている私には、ちょっと気になる本です。

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Do the Creepy Thing, by Graham Joyce

Do the Creepy Thingグレアム・ジョイスの児童書2作目です(じつはまあ The Web っていう児童書のSFシリーズにも短い作品を1作書いてるんですけど、これはカウントされていないらしい)。

昨年の TWOC は、死んだ兄の幽霊というモチーフを出しながらも、問題児を扱ったハイアセンふうのリアルなYAものでしたが、こんどはホラーっぽいですね。人の家に忍び込み、寝入っている人の顔に鼻を近づけて15秒カウントするという、いわば肝試しのような Creepy Thing という遊びに興じる少女が、あるとき老女にその現場を見つかってしまい、呪いをかけられてしまう話とのこと。ジョイスの本領発揮でしょうか、かなり好みの感じです。

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Saturday, July 29, 2006

Where's Neil When You Need Him?

Where's Neil When You Need Him?ヘンなものに手を出してしまいました。Neil Gaiman へのトリビュートアルバムです。サンドマンやコラライン、Stardust や American Gods、Wolves in the Wall とかの絵本も含め、それぞれのミュージシャンが気に入った作品にちなんだ曲が提供されてます。ちなみにニール・ゲイマンは1曲も歌ってません(とのこと)。

まだざっと聴いただけなんですが、あんまり好みじゃないエレクトロニカふうの曲ばかりでちょっと失敗だったかも。ミュージシャンも Tori Amos 以外名前も知りませんし。それでもドリーム・ポップふうの "Coraline" や、Wolves in the Wall をテーマにしたちょっとフォルクローレ調の "We Won't Go" あたりはまあまあかわいいですかね。何回か聴いたら全体の印象も変わるかもしれません。

かなり濃いジャケットやライナーのデザインは例によってデイヴ・マッキーンですね。

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Friday, July 28, 2006

"Ludwig" Newly Revised, Digital Mastered, Expanded Edition Released!

Ludwig長らく入手困難になっていたヴィスコンティの『ルートヴィヒ』復元完全版が、デジタル・ニューマスターで、しかもお手頃価格(!)で再登場です。

この「完全版」を映画館でやっていたときは、あまりの長さに怯えて結局見に行かなかったのです。ワーグナーもヘルムート・バーガーも全然好きじゃないんですが、ルートヴィヒはやっぱり見たいですね~。で、ごてごての悪趣味なノイシュヴァンシュタイン城の内装も堪能したいです。

ところで「ルードウィヒ」って何語? ドイツ語なら「ルートヴィヒ」ですよね?

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Mrs. Charbuque Revealed in Russia

Russian Mrs. Charbuque日本語版ではちょん切られてしまったシャルビューク夫人の頭の部分が、ロシア語版に登場しているようです。ううむ^^;

こうしてみるとまるで別のストーリーみたいですね。日本語版もこういうカバーだったら勘違いして買う人がどっと増えるかも……。

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Thursday, July 27, 2006

"The Apple: New Crimson Petal Stories" by Michel Faber

The Apple: New Crimson Petal Storiesヴィクトリア朝時代のアヤシイ(?)雰囲気にどっぷり浸かれそうな長篇 "The Crimson Petal and the White" はおもしろそうなので取りあえず買ってあるのですが、読まないうちにいつの間にか邦訳『天使の渇き』が出ていてびっくり……と思ったら、今度はなんと主人公の娼婦シュガーや他の登場人物たちのその後を描いた短編集 "The Apple: New Crimson Petal Stories" が9月に出るそうです。

「林檎」はいったい何を意味しているのでしょうか。その前に早くあっち読まなくちゃですね。

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The Dust of Retreat, by Margot & the Nuclear So and So's

The Dust of Retreat"Skeleton Key" というメランコリックな曲が妙に耳に残り、フル・レングスのCDにしてはすごく安かったのでつい買っちゃったんですが、これが大正解でした。いかにもインディ・ロックというようなストレートな作りですが、翳りを帯びたしっとりとしたメロディが全編を貫いています。折に触れノスタルジックな響きも顔を出しますけど、泣きに入る一歩手前で止めているバランスのよさがいいですね。

女性1人を含む8人編成の大所帯ということで、Arcade Fire や Broken Social Scene のような複雑な音作りなのかと思いきや、部分的に弦やブラス、複数のパーカッションが効果的に使われている程度で、基本は音を重ねないシンプルな演奏ですね。普通の構成のバンドのレコーディング用にスタジオ・ミュージシャンが追加されたような印象。ライヴの時にはかなり手持ち無沙汰なプレーヤもいるんじゃないでしょうか。

ということで、Death Cab for Cutie や Postal Service、The Shins あたりに近い感じですかね。というか、わたしにはこのあたりの音、まだあんまり区別つかないんですけど^^; ま、インディのメインストリームということで。しかし、"Skeleton Key" の冒頭の弦の音はビオラかチェロでしょうか。さだまさしあたりが弾いていそうな妙に日本的なメロディ・ラインですけど。

この "Quiet As a Mouse" っていうビデオ、Arcade Fire の "Laika" を意識したみたいなヘンテコなアニメですけど、悪いクロネコ軍団に蹂躙された平和なネズミ王国が最後まで報われないのは許せませんね。パート2の逆襲編とかないのかな~?

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Wednesday, July 26, 2006

"The Ocean and All Its Devices" by William Browning Spencer

The Ocean and All Its Devices日本では『ゾッド・ワロップ―あるはずのない物語』の翻訳が出ているウィリアム・ブラウニング・スペンサーの2冊目の短編集とのこと。

『ゾッド・ワロップ』は読んだことないけど、とってもヘンテコそうですね(というか、あの表紙は一体……)。こちらも奇妙な7つの短篇が収められているようで、なんだか気になります。

で、えーと、これもまた小出版社の高価本でした。アマゾン・ジャパンも Amazon.com と同じくらい値引き(37%!!!)してくれると、手の届く値段になるんですけどね。

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Tuesday, July 25, 2006

Peter Pan in Scarlet, by Geraldine McCaughrean

Peter Pan in Scarlet (US Edition)ジェイムズ・バリのピーターパンの版権は、Great Ormond Street Hospital for Children に遺贈されたんですが、作者の死後70年が経つ来年その版権が切れるということで、児童病院の主宰により、オフィシャルな続編が今年出版されます。J・K・ローリングやフィリップ・プルマンに声をかけて断られたという噂もありますが、公募によって200人あまりの応募者から選ばれたのはベテランの児童書作家ジェラルディン・マコーリアン (Geraldine McCaughrean) でした(おや、このひとマッコクランの表記もありますね)。

Peter Pan in Scarlet と題された続編の発売は10月とちょっと先ですが、Hatchards で 1,500部限定のサイン本の予約が始まってますので、確実に押さえたい方はお早めに("Special Editions" のところにリストされています)。ただしこの書店、送料は1冊 9.50ポンドと高いです(イギリス版はカバーがまだなかったので、このポストでの表示はアメリカ版にしていますのでご注意を)。

この版権問題、イギリス国外ではちょっと事情が異なるようで(詳しいことはよくわかりませんが)、アメリカでは悪者ディズニーの後押しでデイヴ・バリー&リドリー・ピアスンPeter and the Starcatchers がすでに2004年に出てますし、今年は続編の Peter and the Shadow Thieves も発売されました。たしかカナダの作家も数年前に書いていたような記憶もあります。地元イギリスでも2003年に Karen Wallace の Wendy という作品も出てますしね。

じつはこのグレート・オズモンド・ストリート児童病院っていうところ、ピーターパン絡みの非公式作品に対していつも文句をつけるので評判悪いんです。ウェンディをモデルにしたアラン・ムーアのグラフィック・ノヴェル Lost Girls まで非難してるし……って、これはポルノまがいということでしょうがないですか^^;

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Monday, July 24, 2006

Howling Bells

Howling Bellsイギリスでちょっと話題になったオーストラリアのニュー・フェイスということですが、一度聴いて病み付きになってしまいました。紅一点の女性ヴォーカルがごくごく個性的なんですよね。適度にベイビイ・ヴォイスながら、ブルースやカントリー、パンクのこぶしが入って、バックも力強いタイトな演奏でリード・ヴォーカルを盛り立ててます。オーストラリアの音楽から連想される伸びやかな音というよりは、アメリカのサザン・ロックの根暗な土くささを強く意識した感じです。

とはいいながら、曲のほうは驚くほどバラエティに富んでいて、しっとりと聴かせるフォーク調のものから、ブルージイなスロー・バラード、翳りを見せるカントリー的な作品が、ポップさを失わない程度にパンクなアレンジが利いた乗りのいいロックの間に顔を出します。ダークな色調ながら、どの曲もシングル・カットされてもおかしくないくらいにキャッチイというのは、なかなか得がたいのではないでしょうか。

Howling Bellsベイビイ・ヴォイスによるブルースの入ったカントリー/フォークというあたりで Mazzy Star が引き合いに出されていることが多いですが、Mazzy Star ほど静の印象はなく、ポップさという点で、むしろ力強くなった Sundays の雰囲気。たしかに PJ Harvey の妹分と形容するのがいちばん近いかもしれませんね。パンクな乗りの部分では Yeah Yeah Yeahs のカレン姐さんの趣もありますけど。ということで、このあたりの癖のあるかわいさに弱い人は必聴の1枚でしょう。あ、わたしの場合はそういうのには全然こころは動かされないんですが、これほどの力作ではさすがに聴き惚れてしまいます^^;

とはいえ、強いて不満な点を挙げるとすれば、バックの演奏がリード・ヴォーカルを盛り立てることにファイン・チューンされすぎていて、少々息苦しいかなということでしょうか。しっかりした上手い演奏なので、もう少し自由にプレイして、時にはヴォーカルと対立するような自己主張があったほうが、音作りも広がりスケールアップするんじゃないですかね。まあデビュー作ということで、最大のセールス・ポイントに力点を置くというプロデューサーの意向もあったのかもしれませんけど。たぶん次作ではそのあたりの工夫が期待できるんでしょうね。ともかく目の離せないお気に入りのバンドのひとつです。

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Sunday, July 23, 2006

Call for Submissions to "A Field Guide to Surreal Botany"

A Field Guide to Surreal BotanyTwo Cranes Press で、シュールレアル植物学協会(The Surreal Botanists Association)が刊行を予定しているフィールド・ガイドの原稿を募集しています。長さは 500語までで、採用された場合は1語1セント(つまり最高5ドル)の原稿料とフィールド・ガイドが1冊進呈されるとのこと。カタツムリとナメクジの権威のクレア・ダドマン博士(Dr Clare Dudman)はさっそく投稿されたみたいですね。

挿絵は著名な植物アートの専門家ジャネット・チュイ女史(Ms Janet Chui)が担当されるということですが、さぞご苦労なさることでしょう。なんせシュールレアルですから、いったいどんな植物が登場するか見当がつきません。

じつはこの Two Cranes Press、ジェイスン・エリック・ランドバーグさん(Jason Erik Lundberg)がすべて手仕事でやってる個人商店で、チュイさんはその奥さんなんですが、ごくごくチャーミングな小冊子を作ってくれるんですよね。リース・ヒューズやヴァンダーミアが参加したレシピ集や、『ビッグ・フィッシュ』のダニエル・ウォレスの短編集を買いましたけど、ほんとに本が好きな人が作っているんだな~と、ぬくもりが伝わってくるような出来でした。まあ投稿は無理ですから、せめてフィールド・ガイドだけでも手に入れよう。

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Saturday, July 22, 2006

"Fables: 1001 Nights of Snowfall " by Bill Willingham (Graphic Novel)

Fables: 1001 Nights of Snowfall 御伽の国を追い出された登場人物たちが、NYのフェイブルタウンで現代的でシニカルな物語を新たに紡ぎ出す "Fables"。ビル・ウィリンガムはこのシリーズで、コミック分野の優れた作品に授与される、アイズナー賞のシリーズ・ストーリー部門を受賞しています。

そのシリーズが始まるより前の時期に、スノウ・ホワイトは大使としてアラビアを旅しています。ところがそこで囚われの身となりスルタンに結婚を迫られてしまったそうです。こうなったらもう、次から次へとおもしろいお伽噺を繰り出して、時間稼ぎをするしかありませんね。

というわけで、スノウ・ホワイトがアラビアン・ナイトよろしく、スルタンに1001話のお伽噺をするというのが、この "Fables: 1001 Nights of Snowfall"。

"Fables" の番外編のこの本も、"Fables" 同様、チャールズ・ベスらたくさんのアーティストがイラストを担当しています。

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Friday, July 21, 2006

The Ladies of Grace Adieu, by Susanna Clarke

The Ladies of Grace AdieuJonathan Strange & Mr Norrell のスザンナ・クラークの短編集です。10月発売とかなり先の話になりますが、限定版の予約注文が始まってますので確保したい方はお早目に。まあどうせ例によって普通のハードカバーと同じ造本のものを安手のスリップケースに入れただけのものですけど。ちなみに、本代が 25ポンド、送料が 6.95ポンドでしたのでまあ良心的です。

いままで読んだいくつかの短編は、どれも JS&MN と同じように一見古風な大人向きの妖精物語ながら、じつのところ登場人物の人となりを木目細やかに紡いでいくというごく丁寧で上品な作りでしたので、ファンタジイのファンというよりは歴史小説の読者に向いているかも。ま、チャールズ・ヴェス挿絵ということで、ファンタジイの読者を意識はしてるんでしょうけど。ジョナサン・ストレンジとレイヴン・キングが登場する作品も収められているそうです。

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Thursday, July 20, 2006

Mrs. Charbuque in Japan

シャルビューク夫人の肖像このブログのお気に入り作家のひとり、ジェフリイ・フォードの The Portrait of Mrs. Charbuque の邦訳が、『シャルビューク夫人の肖像』というタイトルで発売されたようです。The Girl in the Glass ももちろん遠からず翻訳されるでしょうから、日本でも人気に火がつくかもしれませんね~。Madame X

カバーに使われた絵は、この作品の主人公ピアンボの、ある種モデルともいえる肖像画家ジョン・シンガー・サージェントの Madame X という作品だそうです。色使いはこの物語のトーンとも合ってますけど、絵自体は無難というかつまんないというか、文学趣味の高級路線の感じで、最近のフォードが試みているパルプ指向とは少々違う感じですかね。まあ一般読者をメイン・ターゲットにするのは正しいと思いますけど。ヘンな小説が好きな人はほっといてもどうせ読むんですし^^)

しかし、出版社の作品紹介の文面、ところどころうちのレヴュウの言葉使いを真似しちゃってますね^^;

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"Streetcar Dreams" by Richard Bowes

Streetcar_dreams 順不同にあちこちに発表されていた「タイム・レインジャー・シリーズ」をひとつにまとめた "From The Files Of The Time Rangers" が昨年出版されたリチャード・ボウズですが、先頃発売された "Streetcar Dreams" は6篇のうち1篇以外は独立した作品が収められている短編集とのこと。

表題作の "Streetcar Dreams" は、1998年に世界幻想文学大賞のノヴェラ部門を受賞した作品。ゲイで、麻薬常習者で、ドッペルゲンガーに悩まされている男が主人公の物語とか。この設定だけでもなにやらおもしろそう。この人、"Minions Of The Moon" というタイトルの作品にも出てるらしいです。

ボウズの短篇はけっこう評判いいので(お~、序文はジェフリー・フォード!)、そのうち読んでみたいと思っているのですが、え~と、例によってこれはちょっと涙が出そうに高いので、とりあえず Sci Fiction でただ読みできる作品から読んでいこうかと……(と言う前に、タイム・レインジャー持ってた気が)。

レトロな雰囲気の表紙もなかなかよいですね(よく見ると人形だったりするところがまた)。

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Wednesday, July 19, 2006

Special Topics in Calamity Physics, by Marisha Pessl

タイトルもカバーもストーリーも分けの分からなそうな本ですよ。

Special Topics in Calamity Physicsまずは章立てが文学概論を模してオセロから失楽園、大いなる眠りまでの36冊の文学作品のタイトルからなっていて、文学の講師の父親の影響を受けた知識豊富なヒロインの大学生活が語られるそうです。そのうちにカリスマティックな映画の教師をとりまくインテリたちのサークルに取り込まれ、仲間の死を発端に物語は入り組んだミステリへと変化していくんだとか。架空の小説やナボコフの作品への言及が登場したり、デイヴ・エガーズやドナ・タートなんかが引き合いに出されるとなると、ううむ、雰囲気だけは想像がつきそう。いや、ひょっとしたら面白いかもしれないです。

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Rejoice!! Wrens Have Got a New Site!

わたしの大好きなバンド、Wrens ですが、サイトが一新されて、音楽ビデオ・クリップがいろいろ楽しめるようになりました。

で、びっくりしたのが、レア・アイテムと化して 100ドルぐらい出さないと手に入らなくなっていた Silver と Secaucus という初期の2枚のCDが、どうもバンド自身による海賊版で、1枚 12ドルで買えるようになったこと。お手製の紙ジャケというまるでデモ盤の風情ですが、あわてて注文してしまいました。

The Meadowlandsじつはこのバンド、レギュラーに手に入るのは The Meadowlands っていう超名盤と、他のバントと抱き合わせの中途半端なEPだけで、昔のレコード会社とのトラブルで、旧作2枚は絶版のまま出せない状態なんですよね。なんでも大物バンドとして売り出そうとしたレコード会社の社長の売れセン狙いの方針に反発したところ、握りつぶされてしまい、社長の目の黒いうちは絶対に再版はしないということになってしまったとか。法的にはまだ決着がついてないんじゃないでしょうか。

ということで、こんなトラブルがなかったら誰でも知ってるような有名バンドになっていたはずの Wrens ですが、The Meadowlands を聴く限りでは、1曲の中で様々な試みを複雑に組み合わせるという凝った作りながら、決して勢いを失わず、しかも1曲1曲がまったく違った表情を見せるという、他のバンドでは真似のできないほどの完成度の高さですね。乗りのよさも抜群で、遥かに上手くなった Pixies か、初期の Weezer が正しく成長した姿とでもいえるでしょうか。

まあ、この "Faster Gun" のクリップを見ていただけば感じはつかめると思いますが、このレベルの作品が、最初から最後まで続くんですよ~。絶対オススメです。ちなみに、The Meadowlands を買うときには、ボーナス・トラックが2曲入ったイギリス版がお得です。なんせ1曲1曲が貴重なバンドですから。

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Tuesday, July 18, 2006

CD WOW!

イギリス版のCDってなかなか高いですよね。Amazon.co.jp じゃちょっと手が出せない値段してますし、HMV Japan では3枚まとめて買うと 20%引きのキャンペーンをよくやってますけど、送料がかからないようにまとめて送ってもらおうとするとタイミングをあわせるのが鬱陶しいですし。Amazon.co.uk は VAT の上乗せ分 17.5%をカットしてくれますが(表示価格から約 15%引き)、まとめて買わないと送料が割高です。

CD WOW!で、最近 Amazon.co.uk 経由で見つけたのがこちらの CD WOW! という、香港に本拠がある(らしい)オンライン・ショップ。なにやら胡散臭い名前ですが、新譜を買うには非常に便利です。大体1枚 8.75ポンドと、それほど安売りしているわけではありませんが、なんと、1枚ずつ買っても送料がただなんです。まとめて注文しても発売順にバラバラに発送してくれますし、在庫があれば5日ほどで届きます。梱包も専用のケースかクッション入りの封筒で、10枚ほど買った限りでは破損は一度もありませんでした。

まあ新譜中心の品揃えで、シングルは扱ってないし、なんでもあるというわけではありませんが、他で探してみてちょっと高いと思ったら、ここをチェックしてみてください。他にもヨーロッパ各国版のサイトがあるようで、そちらではまた少し違った品揃えになってますが、送料も含めけっこう高い感じです。それにスウェーデン語やデンマーク語で確認メールが届いても、何が書いてあるのか分かりませんしね。ちなみに、アメリカやオーストラリア向けのサイトもありますけど、通貨表示が変わるだけで、商品は同じイギリス版中心のようです。これでアメリカ版も手に入ったら最高なんですが。

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Monday, July 17, 2006

Happy Anniversary!!

marginalia を始めて1年が経ちました。

ちょうど去年の 7月17日の真夜中にたまたま気に入ったドメインが取れたので、ふと思いついた marginalia という名前でグループ・ブログを設定して、気に入ったデザインがなかったのでああでもないこうでもないとレイアウトやカラーをいじって、アマゾンのアフィリエイトを申し込み、朝方にはほぼ現在の形で出来上がったんですが、ううむ、それからほとんど変わってませんね。ぜんぜん進歩がないというか^^;

日記でさえ3日と続いたことのないわたしですから、せいぜい3週間も持てばと思ってたんですけど、なんと~、1年ですよ、1年! う~ん、やっぱりこれは Lilith さんや quark さんなんかの仲間を引きずりこんだのが勝因ですね。いや、ありがとうございます。

おかげで読書量が極端に減るという本末転倒な弊害もあったわけなんですが、楽しい1年でした。まあわたしのエントリに関しては、当初の意気込みほどには中身のあるものにはなってませんけど、ジャンルのメインからちょっと外れたあたりの、わたしにしてみれば一番おいしい部分で、未訳の作品について語るサイトって他にあんまりありませんよね。ということで、今後も相変わらずの内容で続けていこうと思います。よろしく>ポストしてくれてる方と、ポストをお願いしている方と、ひょっとしたら時々読んでくれてる方に。

で、最近気づいたんですが、このブログ、ジャンル分けがないですね。けっこうジャンルにはこだわるほうですので、意識してジャンルを無視したわけではないんですが、考えてみれば、これって marginalia にはピッタリですね。曖昧なフェイズによるカテゴリ分けとともに、ちょっと気に入ってます。

サイドバーに置いた本のリスト、ほったらかしにしてましたので、この機会にちょっと模様替えしました。ぜんぜん変わってないように見えるかもしれませんけど、最近聴いているCDをリストしています。リンクも入れましたので、ミュージシャンのサイトでサンプルを聴いてみてください。中には気に入る音もあるんじゃないかと思います。半年前には音楽とはまったく縁のなかったわたしのセレクションなんで、聴きやすいものばかりですよ。

あと、もしお薦めの本とかありましたら、一言いただけるとありがたいですね。あるいは、気になってる本があるんだけど、誰か読んでないか、読む予定はないかとかいう問い合わせでも結構です。特集の要望とか、イベントのアイデアも歓迎します。quark さんにブルワー・リットン・フィクション・コンテストをさせるとか、Lilith さんの怪しいイラスト集中講義なんて、個人的には見てみたい気もするんですけど……。

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Sunday, July 16, 2006

"Life of Pi : Illustrated Edition" by Yann Martel, Tomislav Torjanac (Illustrator)

Life of Pi : Illustrated Edition2002年にブッカー賞を受賞し、ベストセラーになったヤン・マーテルの "Life of Pi" は既に『パイの物語』として邦訳も出ていますが、これに40枚もの挿絵をつけた "Life of Pi : Illustrated Edition" が、11月に発売になります。

イラストを提供するのは、出版元のキャノンゲイトタイムズが共同で行ったコンテストで、数千もの応募者の中から選ばれたクロアチアのアーティスト、トミスラフ・トルヤナツ(←クロアチア語発音サイトで調べたので、たぶん合ってると思う)。

カバーがまだ発表されていないのは残念ですが、トルヤナツのサイトで他の作品を見ると、なんかすごーく好みの絵なんですけど~。ジェイムズ・ジョイスの "The Cat and the Devil" なんて、入手できるものなら意味不明のクロアチア語でも買っちゃうんですけどね。

で、サイトにもある There Goes Our Lunch という日本人ビジネスマンが出てくる絵が、彼の応募作品だそうです。楽しみですね~。

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Saturday, July 15, 2006

Remainder, by Tom McCarthy

Remainder残り物には福がありってわけでもないんでしょうけど、Remainder なんていうタイトルの本が評判になってるようです。もともとフランスの Metronome Press というちょっと変わった出版社から、ペーパーバック・オリジナルで 750部出版されたんですが、口コミで売れてイギリスではハードカバーで今月出ることになり、アメリカ版も来年予定されているとのこと。

ううむ、あらすじを見てもよくわからないですね。なにやら空から落ちてきた物体で大怪我を負った主人公が、850万ポンドという多額の賠償金を得て、ふと思い出した情景を、金に糸目をつけずに再現しようとする話だとか。モダン・アートをモチーフにしたミルハウザーみたいな感じなんでしょうか。

しかしでも、最初から「売れ残り」なんていうタイトルはどうかと思いますけど、「売れ残りがXX賞受賞」なんて新聞の見出しには最高だろうと、本人はいたく気に入ってるみたいですね。

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Friday, July 14, 2006

The Chesley Awards Nominees Announced

今年のチェスリー賞各部門の受賞候補が発表されました。候補作品へのリンク付きリストは、こちらの公式サイトをご覧下さい(「もしリンク切れになってたら、アーティスト名でググってみてね」だそうです)。

なんと(!)Best Interior Illustration 部門の候補は、The Plucker by BromArthur Spiderwick's Field Guide by Tony DiTerlizziLady Cottington's Pressed Fairy Letters by Brian FroudJohn Picacio と、全て marginalia でご紹介済みの本とアーティストばかりですね。すごいすごい(自画自賛)。

最終的な受賞者はワールドコン(L.A.con:8月23日~27日)で発表されます。

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Thursday, July 13, 2006

Bulwer-Lytton Fiction Contest 2006 Results

ブルワー・リットン・フィクション・コンテストの今年の結果が発表されたみたいです。

これは、架空の小説の冒頭の一文を書いてその趣味の悪さを競うという、イグノーベル賞ダーウィン賞の親戚みたいなコンテストなんですが、『ポンペイ最後の日』などでそれなりに知られた19世紀のイギリスの小説家エドワード・ジョージ・ブルワー・リットンにちなんだもので、スヌーピーの口癖で有名な "It was a dark and stormy night..." という英語で書かれた最悪の書き出しを記念したものです。

Culture Vulture でも読者からの投稿を募ってますね。まあわたしなんて冒頭の一文といわず意識してなくてもこの手の文章が書けちゃいますけど^^)

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Warrener's Beastie, by William R. Trotter

Warrener's Beastieフェロー諸島に北欧の伝説の海獣を追う、まともなことを何も成し得なかったさえない中年男の人間ドラマだそうです。元ポルノ監督の妻と昔の恋人を同道するというあたりが、果たしてプラスに働くんでしょうか、マイナスになるんでしょうか。SF/ファンタジイ/スリラーのどの読者でも楽しめるとありますが、どうですかね~、暗いどっちつかずの話で終わるとあんまり面白くないかも。もう少し感想が上がるまで様子を見ましょうかね。

そういえばドイツのベストセラー Swarm は英訳が出たみたいです。こっちもなんか一般受けはしてるようですがジャンルの読者の評判はいまひとつだった感じですね。

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Monday, July 10, 2006

"Scar Night" by Alan Campbell

Scar Nightスコットランド出身の新人アラン・キャンベルのデビュー作 "Scar Night" は、ダークファンタジー3部作 The Deepgate Codex の第1部。

舞台となるのはディープゲイト。長い歴史を持つこの都市は、底知れない深い穴の上に頑丈な鎖でぶらがっているという異色の設定(どこにぶら下がってるんでしょ?)で、奈落の底には亡霊の軍隊を率いるウルシスという恐ろしい神が住んでいるし、周囲は敵に囲まれているしで、常に存亡の危機にさらされてきたようです。代々そんな外敵と闘ってきた家系の末裔がディルという名の天使で、都市の中心にある寺院に匿われている彼が、ディープゲイトを護ろうと奮闘する物語。

こちらでちょこっと出だしを読めますが、ゴシックな雰囲気がなかなかいいですね。

ちなみにキャンベルの本職はゲーム・クリエータだそうです。

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Michel Faber's "The Fahrenheit Twins" on Podcast

といっても途中までなんですけどね、作者の朗読が Guardian Unlimited で聴けます。

The Fahrenheit Twinsで、バックに流れる音楽は、なんとブライアン・イーノ! 単にイーノの音楽を使ったというわけではなくて、ミッシェル・フェイバーの作品のファンだというイーノが、フェイバーが朗読CDを計画していることを知り、自分から曲を付けることを申し出たんだとか。なんとも豪華ですね~。といっても、完全にアンビエントで雰囲気を盛り立てることに徹してます。そのあたりの裏話はこちらの記事で。完全版は Enoshop で買えますけど、ダウンロードで 7.99ポンドはちょっと高いので思案中。

極北で野生児のように育ったファーレンハイト家の双子の話ということですが、Tainto'lilith と Marko'cain (う、lilith だって^^;)じゃ、女と男の名前ですよね、たぶん。とすると identical twins というのはちょっとヘンかも(クローン、かな?)。冒頭を聞いた限りでは、なにやらアゴタ・クリストフの『悪童日記』やエドワード・ケアリーの『アルヴァとイルヴァ』みたいな雰囲気……というのはやっぱり先入観でしょうか。

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Sunday, July 09, 2006

Homunculus, by Hugh Paxton

Homunculusシェラレオネで宣教しているアイルランド人のジャック神父が、革命軍のバット・ネイキッド(Butt Naked)将軍の体の一部を使って、錬金術師の長年の夢だったホムンクルスを生み出します。ところがこのホムンクルス、思ったように買い手がつかないんですよね。ということで、嵐のただなかに、首都を狙う革命軍や隣国のリベリア、ヤク中の兵士が入り乱れるなか、オークションを開くんですが……。はたしてその顛末やいかに。

なにやら面白そうですね。また例によって読む人は限られるんでしょうけど(笑)

新人作家の紹介を積極的に行っている Macmillan New Writing の1冊です。

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Friday, July 07, 2006

Younguncle Comes to Town, by Vandana Singh

Younguncle Comes to Town作者の生まれ育ったインドを舞台にした児童書です。

子供たちの父親の弟の若い叔父さんは、いつもコミカルな事件とともにやってくるようです。気に染まない結婚話から妹を救ったり、スリを逆にだましたり、野生動物や子供たちの助けを借りながら、意外な解決策を導き出すということで、『No.1レディーズ探偵社』のミス・ラモツエみたいな雰囲気なんでしょうか。

作者のヴァンダナ・シンは、本職は物理学の教授ということですが、TrampolinePolyphony なんかのアンソロジイで名前を見かけた人ですね。

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Thursday, July 06, 2006

"Alabaster" by Caitlin R. Kiernan, Ted Naifeh (Illustrator)

Alabaster昨年出た "To Charles Fort, with Love" が、International Horror Guild Awards のコレクション部門にノミネートされているキアナンですが、この8月に出版されるのは、アルビーノのちょっと変わった少女ダンシーを主人公とした短篇を集めたもの。"The Well of Stars and Shadow"、"Alabaster"、"Waycross"、"Le Fleurs Empoisonnees"、"Bainbridge" の5篇全てが収録されているそうです。

ダンシーは、2001年にIHG賞のノヴェル部門を受賞した "Threshold" が初出で、今回の短編集は彼女が天使の命を受け(頭の中で声がしてるだけかも、とか書いてありますが)、人間の姿を装ったモンスターたちを退治していくという連作。

表紙と中のイラストはテッド・ネイフェーということですが、この人はいろいろなタイプの絵を描くので、ちょっと捉えがたいですが、見てみたいかも。

しかし、Amazon.com で US$15.75 で売ってるのが、日本では \2,601? いくらなんでも高すぎ~! Amazon.com で買った場合の送料分オンして、弱冠安くなるように価格設定してるのがミエミエです。

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The Shadow Thieves, by Anne Ursu

The Shadow Thievesギリシャ神話をモチーフにしたファンタジイだそうです。

悪者のフィロネクロンが地下の世界をのっとろうと、子供たちの影を盗んで死者の軍勢を作りハデスに戦いを挑むのを、子供たちと子猫のミュウが阻止しようとする物語とのこと。シリアスなのかと思いきや、かなり楽しい話のようですね。

ま、これだけなら、yet another kids' fantasy series (ブーイングの嵐)になりかねないんですが、作者の Anne Ursu (アン・アーシューとでも読むんでしょうか)がかなりの曲者なんです。化学工場から漏れ出した薬品で町の人がみな忘れていたことを思い出してしまう Spilling Clarence や、サーカスのピエロのマジックによって消えてしまった少年をめぐる騒動劇 The Disapparation of James という、どう考えてもヘンテコな大人向けの作品でちょっと話題になった作家なんですよね。いやまあ両方とも例によって積読のままなんですけど、ありきたりの作品は書きそうにないので、児童書のほうもかなり期待が持てそうです。

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Tuesday, July 04, 2006

Castle Waiting, by Linda Medley

Castle Waitingちょっと面白そうなグラフィック・ノヴェルなんですが、眠れる森の美女が王子さまと去った後のお城を舞台に、昔話をモチーフにしたコミカルなお話が展開するそうです。

作者のサイトに紹介がありますけど、今回1冊にまとめられたハードカバーのエディションは、作者のスタジオの壁紙とぴったりマッチする色使いで、壁の金庫にもフィットするし、偽ゴシック様式の調度にもよく映え、教会も太鼓判を捺すし、悪魔も覗き見するし、作者の自家製版はカラー・プレイトが入ってて、小口が金張りで、表紙は見せられないけど人間の皮で装丁してあるんだぞ~……って、ぜんぜん宣伝になってないような気がしますけど^^;

Castle Waitingいやまあこちらでかなりのページが確認できますので、チェックしてみてください。こちらでは買った本を豪華に飾り立てるアクセサリも売ってます。カラー・プレイト20枚セットが20ドル、海外向けの送料はいくら買っても10ドルで、paypal で支払い可能だそうです。う~ん、これは欲しいかも。

しかしでもこれ、日本のアマゾンではぜんぜん割引してないですね。ちょっと高めのグラフィック・ノヴェルは、アメリカのアマゾンでいくつかまとめて買ったほうがかなり安くなるかもしれません。

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Monday, July 03, 2006

Ivy, by Julie Hearn

Ivy児童書、というかYA向けですけど、なんかかなり思い切った設定みたいですね。追い剥ぎのおとりを務めていた赤毛の少女が、今度は画家のアトリエに送り込まれて、焼きもちをやいた画家の母親に殺されそうになる話……って、これだけではなんだかよくわかりませんが、癖のあるキャラクタたちの間を流されていく少女が、最後に自立する物語のようです。なんかちょっと間違えると危なそう。

までも、それだけだったらわざわざ取り上げるほどのこともないかと思いますが、じつはこの少女、ダンテ・ガブリエル・ロセッティのあの赤毛のモデルという設定だそうです。ううむ、作者がなにをしようとしているのか、ちょっと気になりますね。

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"The Homecoming" (Wonderfully Illustrated Short Pieces) by Ray Bradbury, Dave McKean (Illustrator)

The Homecomingぼーーーっとブラウズしていて、突然「おぉ、この表紙は?!」と画像を拡大してみたら、なんとデイヴ・マッキーンの名が!

レイ・ブラッドベリの "The Homecoming" は1946年に発表された短篇で、吸血鬼一族がハロウィーンに勢揃いするという物語。『集会』のタイトルで翻訳も出ています。その作品に(私がだ~い好きな)"The Wolves in the Walls" のデイヴ・マッキーンがフル・カラーでイラストをつけたのが、9月に発売されるこの本です。

出版社サイトで中身を少し見ることができます。ふふふ、私はもちろん買っちゃいます。

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Sunday, July 02, 2006

The Chinatown Death Cloud Peril, by Paul Malmont

The Chinatown Death Cloud Perilやっぱりパルプは流行なんでしょうか。「ザ・シャドウ」の作者ウォルター・ギブスンと、「ドク・サヴェージ」の作者レスター・デントというパルプ界のライバル2人が、H・P・ラヴクラフト(こちらも大流行ですね^^)の謎の死をめぐって、お話の世界顔負けの大活劇に巻き込まれてしまう作品とのことで、これを読めば当時のパルプの世界が俯瞰できるそうです。なにやらL・ロン・ハバードやルイス・ラムーア、オースン・ウェルズなんかも登場するらしいです。

しかしでも、児童書の世界はファンタジイから少年スパイへと移行しつつありますし、大人の娯楽作品もややこしくない冒険ものが増えてきている感じですので、肩の凝らない荒唐無稽なアクションものがここ数年のトレンドになるのかもしれません。ううむ、じっくり読ませるゴースト・ストーリーと、ハラハラドキドキのアクション・アドベンチャーが二大潮流となると、これは退行の時代なんでしょうか。まあそんな中で時々傑作が生まれてくれれば、なにも文句はないですけど。

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Saturday, July 01, 2006

"I Believe in Unicorns" by Michael Morpurgo, Gary Blythe (Illustrator)

I Believe in Unicorns90冊以上の児童書を書き数々の賞を受賞しているマイケル・モーパーゴと、多くの児童書にイラストを提供しこちらもいくつもの受賞経験のあるゲイリー・ブライズ。その二人が組んでこの秋出版されるのが "I Believe in Unicorns" です。

東欧に住む8歳の少年トーマスは読書が大嫌い。ところが母親にむりやり図書館に連れていかれ、司書が読む不思議な物語を聴いているうちに、いつしか本の虜に。その図書館は残念なことに戦火により灰燼に帰してしまうのですが……。

と、粗筋だけだとわりとありそうなカンジですが、そこはやはりこの二人、読書の魅力と功用(?)を十分伝えてくれるのではないでしょうか。

ちょっと前にモーパーゴが、Why you must believe in fairies (and giants) というタイトルで、児童書を書くときの心得について語っているのですが、孫娘とのやりとりが結構かわいいです。

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Nick Brooks' Top Ten Literary Murderers

作家ニック・ブルックスによる、小説に登場する殺人者10人のリストが Guardian で紹介されてますが、ハニバル・レクターあたりが出てくるのかと思ったら、もっと文学寄りのようですね。マクベスからラスコーリニコフ、フランケンシュタインやハンバート・ハンバート、カミュの『異邦人』の主人公にブレット・イーストン・エリスの『アメリカン・サイコ』の殺人鬼なんかが選ばれてます。The Good Death

わたしとしてはまったくなじみのない残り4作が気になるのですが、とくに神学的な殺人者の告白録という体裁をとった、19世紀初頭のスコットランドの作家ジェイムズ・ホッグの The Private Memoirs and Confessions of a Justified Sinner (『悪の誘惑』のタイトルで邦訳があるそうです)が面白そうですね。ニック・ブルックス自身の新作 The Good Death のほうは葬儀屋を主人公にした作品とのことですが、あらすじを読む限りあんまり好みじゃなさそうです。

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