Friday, June 30, 2006
では私はフランスのBDのご紹介など。この "Le Scorpion"、現在6巻まで出ているのですが、結構評判いいみたいです。ドイツ語版も出てるのですが、残念ながら英訳はまだですね。
舞台は18世紀ローマ。バチカンの隠されたヒミツに迫るという物語のようで、なかなかおもしろそう。なにより絵がとても上手くて素晴らしいです。イラストのエンリコ・マリーニはイタリア人なのですが、子供の頃から大好きだった日本のマンガに大きな影響を受けているらしいです。
剣とマントの世界、デュマなどが好きな人は、気に入るかもしれません。フランス語またはドイツ語で挑戦してみてはいかがでしょう? 私は英語版が出るまで、気長に待ちます~。
オフィシャルサイトはこちら 。そういえばBDって、日本語訳はほとんど出ませんね。需要ないですか? どっか、BD専門に翻訳出してくれる出版社があればいいのに。じゃなかったら、マンガ読むためにフランス語真面目に勉強しなくちゃです。(注:画像のリンクはアマゾン・フランスです)
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サイコロジカル・ホラーといいながら、脚注を多用したサブテキストでホラー映画3部作を語るという、なにやらダニエレブスキーの『紙葉の家』 ふうのポスト・モダン作品のようですね。作者のスティーヴン・グレアム・ジョーンズは、最初の長編の The Fast Red Road: A Plainsong ではウェスタン、第2作の All the Beautiful Sinners ではシリアル・キラーもののスリラーという、ジャンルの枠組みを使いながら実験的な作品を試みている人のようです。どれもかなりアブなそうですよ。
[付録] quark さんが発掘してきたトレーラーですけど、マジに怖そうです^^;
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Wednesday, June 28, 2006
ドイツ語のタイトルにしてしまいましたが、手に入れたのは日本語版『レクトロ物語』 でした^^; ライナー・チムニクは新版を見かけるたびについ買ってしまうんですが、今回出た福音館文庫版は、初訳3編を含む完全版だそうです。かわいい挿絵が満載でむちゃくちゃお得ですね。
福音館文庫では一緒にジェフリー・トリーズの『この湖にボート禁止』 も出てました。懐かしいのでこちらも購入。ちなみに、レオン・ガーフィールドは復刊されてないんでしょうかね。最近の量産ファンタジイより遥かに面白い作品がいくつもあったんじゃないかと思いますけど。
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ディズニーランドのようなアミューズメント・パークで、マスコットのウサギの着ぐるみを着た男の絞殺を皮切りに連続殺人が発生し、事を公にしたくない広報のおばちゃんの妨害に合いながら、2人の刑事が右往左往するミステリとのこと。う、汚らわしいディズニーランドなんていう名前をついタイプしてしまった^^; げ、2度も……。
キーストン・コップのような刑事のコンビに、ドナルド・ウェストレイクやカール・ハイアセンが引き合いに出されてるとなると、これはちょっとわたし好みかも。かなりおバカなのかと思いきや、紹介やレヴュウを見る限りミステリとしてもしっかりしてるみたいですよ。
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Tuesday, June 27, 2006
ジョニー・デップ主演で映画化 もされた、アラン・ムーア原作のグラフィック・ノヴェル "From Hell "。そのイラストを手がけた、エディ・キャンベルの新作です。
キャンベルは80年代に自伝的コミック "Alec " を自費出版で発表し、autobiographical comic というジャンルを開拓していますが、主人公のイラストレータ(=自分)が突然消えてしまい、彼自身がその謎を推理するという、この "The Fate of the Artist " も、その系列に入る作品です。
こちら で一部を見ることができます。絵はなかなか好みですね~。真面目なテーマを扱いながら、ちょっととぼけたカンジっぽくて、内容もおもしろそうです。
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Monday, June 26, 2006
フラッシュ・アニメのかわいいサイトを見つけてしまいました^^)
Scott Bateman という、本職は新聞・雑誌の風刺漫画で活躍してる人だそうですが、とくにミュージック・クリップが、ごくシンプルな作りながら、構成力が抜群の素晴らしい出来ですね。MTV で放送された作品 もあるというのもうなづけます。
現在1日1アニメを作るという Bateman365 というプロジェクトが進行中とのことで、毎日新作が楽しめるようです。まあ政治・社会風刺となるとピンとこない場合が多いので、楽しいのはやっぱり音楽がらみ ですね。
8月にはシュールでとぼけたスケッチを集めたイラスト集 が出るそうで、つい注文をしてしまいました。なぜかちょっとヘンテコな日本語が書き込まれたスケッチのページ もありますね。かなりうまい字ですけど、日本語勉強してるんでしょうか。
このパンダには見覚えがあるので、日本でもすでに有名なイラストレータなのかと思って、「スコット・ベイトマン」で検索してみましたが、とくにこれといった言及は見当たりませんね。なにかご存知の方いらっしゃいましたら教えてください。
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Saturday, June 24, 2006
ユネスコの統計 による翻訳点数の多い作家50人のリストがこちら で確認できますが、1位はなんと、なんとビックリこんな状況だったとは! タイプするのも汚らわしい名前 なので、リンクで確認してみてください。ちなみにダン・ブラウンではありません(笑) たぶん誰も予想のつかない名前だろうと思います。2位以下はまあ全般に妥当な結果なんですけどね(リスト中 Biblia は Bible です)。
ベースはユネスコに加盟する約100か国が 1979年以来提供した160万冊の翻訳書だそうです。しかし、国別の翻訳点数 を見ると、翻訳大国といいながら日本は5位で、ドイツやスペインの半分以下、フランスの3分の2、ロシア(ソ連)、オランダとほぼ同じレベルなんですね。アメリカが13位で日本の半分以下というのは、まあすべての翻訳書がカバーされているわけじゃないんでしょうけど、ちょっとびっくり。逆に言えば英語からの翻訳が格段に多い ということなんですが(全体の半分以上が英語ですね)。
一方で、blogosphere(ブログの世界)で一番幅を利かせている言語 はといえば、Technorati が把握している月間ページ数で見ると、これまたビックリ、英語ではない そうです。にわかには信じがたいですが、Technorati の創始者のブログの記事ですので、ほんとなんでしょうね。
ここから導き出される結論は、英語は活字にこだわる旧世代の人間には重要な言語だが、ブログに代表される新世代には2次的な言語にすぎないということでしょうか。これからの世代は英語なんか習ってるようじゃダメって、統計が言ってるみたいですけど……ううむ^^;
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Friday, June 23, 2006
20世紀初めに製薬業で財をなしたサー・ヘンリー・ウェルカムは、人類学や考古学に興味を抱き、医学にまつわる様々なモノを収集した人物。ギロチンの刃、ナポレオンが使った歯ブラシ、14世紀のペルー人のミイラなど、逸品珍品取り混ぜたその分量は、なんとルーブル博物館の5倍にも及び、世界中の100を超える博物館に分割して管理されているとか。 本書"The Phantom Museum"は、そんなヘンリー・ウェルカム卿のコレクションに触発されたA・S・バイアットをはじめとする6人の作家たちの作品を集めたもの。言葉と映像、事実と虚構が錯綜する濃密なアート空間を楽しませてもらえそうです。
こんな紹介をすると、ヘンリー・ウェルカムなんてどうせ実在しないんだろうと思われそうですが、正真正銘実在の人物です。来年夏に新たにオープンする博物館の紹介がコチラ 。ウィキペディアなどでも紹介されております 。別れた奥さんがサマセット・モームと再婚したなどという、なおさら嘘っぽいエピソードが載ってて笑っちゃいますね。
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大胆なタイトルとカエルの表紙につられて手を出してしまいましたが、なかなかの傑作でしたよ。
50年代初頭の戦火のまだ冷めやらぬアムステルダムで、父母と姉とともに暮らすトマスは、大人になったら何になるのかと訊かれて、幸福になると答えるような少年。なぜかといえば、厳格な父親がかなりの難物で、トマスが賛美歌の歌詞を間違えたからといって、木の杓子で尻をいやというほど叩くような性格なのだ。けど、トマスが気にしているのは自分の尻のことなんかじゃなくて、彼をかばって叩かれた母親のことだった。
遠くの公園で木の葉が突風に吹きちぎられるのがわかったり、運河に熱帯魚が泳いでいるのが見えたりするトマスは、自分のノートに "Book of Everything" という名前を付け、見たこと、思ったことをなんでも書き入れていく。そこには、時々現れるキリストとの会話や、父親なんてペストで死ねばいいという願いも書き込まれている。まあ、ペストってなんだかよく知らないんだけど。
そう、トマスの日常は不思議なことばかり。荷物運びを手伝っておそるおそる足を踏み入れた隣の魔女のお婆さんの家では、ベートーベンの音楽とともに、二人の座った椅子がふわふわと宙を漂うし、父親の語るエジプトを襲う災いのくだりでは、水槽の水が真っ赤になったり、カエルの大群が通りを埋め尽くしたり……。まあ、そのたびにトマスは父親からお仕置きを食うんだけど。
ううむ、狂信的な父親の影に怯える少年の話なんですが、いや、意外と明るいです。ちょっとマジカル・リアリズムふうのエピソードが微妙にコミカルですし、最後には家庭内暴力という時代を超えた問題に、トマスを取り巻く女性軍が一致団結して立ち向かうという意外な展開も新鮮です。1時間ちょっとで読み終わってしまうような短い物語ですけど、タイトルに負けないだけの中身がしっかり詰まってますね。
作者の Guus Kuijer はオランダのベテラン児童書作家だそうです。"Kuiper" が「カイパー」なので「カイヤー」かと思ったら、「フース・コイヤー」という名前で邦訳作品もあるようですね。この作品は英訳ですけど、訳者が上手いんでしょうか、知らずに読んだら翻訳とは気づかないような鮮やかな英文になってます。大人向けの作品でも評価の高い翻訳者の手によるもののようですね。オススメ~。
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Thursday, June 22, 2006
"Stoneheart " はファンタジー3部作の1巻目で、発売は10月ですが話題になりそうな児童書です。
12歳の少年チャーリーは、ロンドンの自然史博物館の庭で翼手竜の石像の一部を壊してしまったことから、先史時代の生物を目覚めさせ、怒り狂うその生物に追い回されるはめに。そして、友人のエディとともに、もうひとつのロンドンに……。
って、これだけじゃよく分からないのですが、例によって出版前なのにかなり高額で映画化権が売れたようです。脚本は作者自身。それもそのはず、イギリス出身のフレッチャーは、ハリウッドでシナリオライターをやってた人で、現在もBBCで脚本を書いていて、そちらが本業。作家としては、これがデビュー作だそうです。
映画のほうのプロデューサーは、ロレンツォ・ディ・ボナヴェンテュラ。彼は、アルフレッド・べスター の "The Stars My Destination (虎よ、虎よ )" の映画版もプロデュース予定です。
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Wednesday, June 21, 2006
ハードカバーもペーパーバックも、アメリカ版は日本の本とほとんど同じくらいの価格で買えるのに、イギリス版は高いですよね。Amazon.co.uk は割引率はいいんですけど、送料がかなりかかりますので、結局割高になってしまいます。
で、最近あちこちで目にするのがこの The Book Depository の話題。価格はアマゾンUKの割引価格より少々高いですが、なんと送料無料で、たった1冊でも日本へも発送してくれるみたいです。
ためしに何冊かチェックしてみましたが、定価から10~28%引き! 日の丸アマゾンが10%引き程度(15%引き+消費税)なのを考えると、ちょっと得しそうじゃないですか^^) まあ一部割引なしの商品もありますので、買うときにはきちんとチェックしたほうがいいでしょうけど。
私自身はまだ買ったことはないんですが、アメリカに送ってもらった知り合いによれば、まったく問題はないとのこと。発送も Royal Mail の Air ということなので、日本へも5日ほどで届くはずですね。ということで、近々試してみて結果報告します。
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Tuesday, June 20, 2006
投票上位5名に残ったブロムの "The Plucker " や、オードリー・ニッフェネガーの "The Three Incestuous Sisters " を破って、ローカス賞 ベストアートブック部門を受賞したのは、ファンタジー・アート専門の年刊誌スペクトラムの昨年号 "Spectrum 12 " でした。で、これ実は持ってるので、簡単にご紹介しましょう。
ページを開くと、まずは2004年のアート界を、広告、本、コミック、造形など、カテゴリー別に簡単に総括していて、その後にスペクトラムが毎年選ぶ Grand Master Award の2005年の受賞者、ギーガーの3頁に亘る特集記事があります。
そのあとは、前書きにあったカテゴリー別に、多数のアーティストの作品がオールカラーで所狭しと並んでいて、それはもう壮観としか言いようがありません。例えば有名どころでは、本の表紙を飾ったキヌコ・クラフト、ジョン・ピカシオ、ほかにも見覚えのある絵がたくさん。造形部門には、ホブゴブリンやら、フランケンシュタインやらを始めとする、アヤシイキャラクタの人形がたくさんあって、かなり笑えます。エディトリアル・デザイン部門には、自由の女神の首から血を吸ってるブッシュなど、風刺の効いた政治的なイラストもあって楽しめます。最後に未発表作品集もあって、かなり得した気分になること請け合い。
1頁には1~4作品が収められているので、作品によってはもっと大きなサイズで見たいな~と思うのもあるのですが、そういうのは巻末にあるアーティスト名の索引で、本人のウェブサイトのアドレスをチェックして、ネットで鑑賞するという利用の仕方もいいですね。住所とメールアドレスも載ってます。
人気のある最新のファンタジー・アートを俯瞰するには絶好の本なので、受賞も頷けます。
因みに表紙の絵は、David Bowers の "Little Tiny" というタイトルの作品です。あ、もちろんローカス賞のベスト・アーティストに選ばれたマイケル・ウィランの作品もいくつか載ってます。
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Monday, June 19, 2006
今年のローカス賞 が発表されました。基本的にローカスを購読している人による人気投票なわけですが、意識的にジャンルものを読んでいる読者のものだけに、質とポピュラリティのバランスが取れている感じですね。まあそれだけに意外性は少ないんですけど。長くなりますが、面白いから全部リストしちゃいましょう。
Best Science Fiction Novel
Accelerando , Charles Stross
Best Fantasy Novel
Anansi Boys , Neil Gaiman
Best First Novel
Hammered / Scardown / Worldwired , Elizabeth Bear
Best Young Adult Book
Pay the Piper , Jane Yolen & Adam Stemple
Best Novella
"Magic for Beginners" , Kelly Link (Magic for Beginners, F&SF 9/05)
Best Novelette
"I, Robot" , Cory Doctorow (The Infinite Matrix, 2/15/05)
Best Short Story
"Sunbird" , Neil Gaiman (Noisy Outlaws etc.)
Best Magazine
The Magazine of Fantasy and Science Fiction
Best Publisher
Tor
Best Anthology
The Year's Best Fantasy and Horror: Eighteenth Annual Collection , Ellen Datlow, Kelly Link & Gavin Grant, eds.
Best Collection
Magic for Beginners , Kelly Link
Best Editor
Ellen Datlow
Best Artist
Michael Whelan
Best Non-Fiction
Storyteller: Writing Lessons and More from 27 Years of the Clarion Writers’ Workshop , Kate Wilhelm
Best Art Book
Spectrum 12: The Best in Contemporary Fantastic Art , Cathy & Arnie Fenner, eds.
Accelerando と Anansi Boys は読んでるんですけど感想を書きそびれてしまいました^^; 個人的にはどちらもいまひとつ乗れない作品ではあったんですけど。
ううむ、うちのブログで遊んでくれた エリザベス・ベアの3部作は、読まなきゃと思いながらまだ手付かずです。お、YA部門は Lilith さんオススメの Pay the Piper ですね^^) ケリー・リンクはまあ当然でしょう。
ベスト・マガジンが Asimov's から F&SF に移ったことと、ベスト・エディタがエレン・ダトロウなのはごくごく納得。
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Sunday, June 18, 2006
多神教の古代エジプトで、唯一太陽神アテンを信仰し他の神々の信仰を禁じた、宗教改革者で異端の王アクナトンの妃ネフェルティティは、あの美しい胸像 でみなさんも顔はご存知ですよね。在位中権力をふるった彼女は、王が新しく建設した都市アケトアテン(アマルナ)への遷都前後に突然姿を消してしまったとか。これについては、失脚したのか、なんらかの理由で死亡したのか、いまだに分かっていないそうです。
そんな歴史的事実をもとに、遷都祝祭までの10日間を与えられ、王アクナトンに雇われたテーベの若い探偵が行方不明になった王妃ネフェルティティを探すというのがこの物語。政治的陰謀の予感もして、ちょっとおもしろそうかも。
でも結局その後の消息が現在に伝わってないということは、見つからなかったってことですよねぇ。この探偵、王にどんな処罰を与えられてしまうのでしょうか……と、ヘンなところが気になってしまいます。
しかしこの表紙は全然美女じゃありませんね~。
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猫なんて大嫌いなわたしとしては、子猫が死闘を繰り広げて自滅してくれるなんてうれしいですね。ふっ、隅っこで手なんか上げやがって、ヨワムシめ。こっちでは死んだふりなんてしてるぞ。
ということで、猫嫌いの皆さんは、こちらの Kittenwar で思う存分憎たらしい子猫を戦わせましょう。
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スティーヴン・キングの息子ジョウ・ヒルの活躍については以前からお知らせ してますが、今度はもうひとりの息子、28才のオーウェン・キング が短編集でデビュウだそうです。ううむ、兄弟そろって作家なんて珍しいですね。父親のへたくそな文章だけは受け継いでいないといいんですけど……って、ジョウ・ヒルの時にも書いたような気が^^;
コレクションのメインとなる表題作の中編は、ブッシュに反対し続ける元労働組合長の祖父に同情する少年が、独り身の母親に取り入ろうとする親ブッシュの医師を、あの手この手で追い払おうとする、いかにも今のアメリカを象徴するような物語とのこと。ううむ、ゾンビーも狼男も連続殺人鬼も出てこないメインストリームの作品のようです。
たしかにこちらサイト の写真を見ると、いかにも人のよさそうなオニイサンという感じで、ホラーを書きそうには到底見えないです。本人はスティーヴン・キング・パート2になるつもりは全くなく、地道に我が道をということのようです。2人とも立派ですね。ただまあ、個人的にはこちらの作品はあんまり面白そうじゃないので、手を出すかどうかは微妙なところ。誰かがチェックしてくれるのを待ちましょうかね。
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Saturday, June 17, 2006
自殺未遂を起こした文学部教授の書いたミステリが、未解決の殺人事件に酷似していて、同僚や被害者の姉、すねに傷を持つ刑事がその秘密に迫る文学的なミステリだそうです。
最近はメインストリームの作家がミステリ色の濃い作品を書くことが多くなってるみたいですけど(Kate Atkinson とか、このあいだ話題に上がった John Banville とか、ちょっと気になる Matthew D'Ancona とか)、マイクル・コリンズもブッカー賞の候補になったこともある作家で、これもその手の1冊みたいですね。
なにはともあれこのカバーには惹かれてしまうんですけど、ほんとに真ん中が切り抜いてあったら凄いですよね。
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故あってこの一週間というものAmazon.comを利用しっぱなしでおりましたおかげで、色々と面白い本、変な本を目撃することができたんですが、きわめつけに不思議だったのがこれでした。まずはご覧 ください。
Press-Tige Publishingという聞きなれない出版社からでたこの本のタイトルは"Aum Shinrika: A Chinese Mystery"。んんっ?、Shinrika??? 表紙の写真を見てもらえばわかりますように本当のタイトルは"Japan's Unholy Sect"でして、下の方には"Aum Shinrikyo"とありますね。そう、これはオウム真理教を扱った本なのです。
"Editorial Review"によると、この本はある一家が殺されたことをきっかけに、子供たちと大人たちが殺しあうミステリーだそうで、見事犯人を言い当てた人には出版社から100ドルが進呈されるんだとか。んんっ? 例の弁護士一家失踪事件のことのようですが、何だかおかしな感じですねぇ。
と、思っていたら、"Customer Reviews"で、なんと作者のRei Kimura本人からの反論が……。この本はミステリーなどではなく、オウム真理教のサリンガス事件を扱った実録であって、ましてやChinese Mysteryなどではないというのです。確かに、Rei Kimuraという人は、この本がでた1年後に"Aum Shinrikyo: Japan's Unholy Sect"という本をBook Surge Publishingというところから出していて、こちらの"Editorial Review" を読むと、真面目なノンフィクションであることがよくわかります。
扱っている対象が対象なだけに、あまりにいいかげんな出版社の姿勢に憤りを感じずにはいられないのですが、調べてみるとこのPress-Tige Publishinというのは、自費出版という名目で多額の金をまきあげておいて、実際は出版しないという典型的な詐欺商売で有名だったようです。去年の十二月にクレジット・カードの詐欺で逮捕されたのも自業自得でしょう。
本の中身に興味がある方は、Book Surge Publishingの方を購入してくださいね。
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Thursday, June 15, 2006
今、イラクはあんな事になっちゃってますが、あの辺りはメソポタミア文明が栄えた地。3,000年前は先進的な文化都市だったんですね。その地のシュメール人の王、ギルガメシュの遍歴を記した『ギルガメシュ叙事詩』は世界最古の神話です。
……が、19世紀に発見された粘土板の楔形文字が、1970年代に初めて解読されたのですが、それがギルガメッシュのお父さん、ルガルバンダの物語。というわけで、マイナーではありますが、こちらのほうが世界最古と言えそうです。
そのルガルバンダ伝説を、親しみやすい絵と文章で語り直したのが、この "Lugalbanda " の絵本です。
ルガルバンダ伝説についてはこちら 。彼は、シュメール神話の女神イナンナの弟でもあるみたいですね。イラストもなかなか好みっぽいです(表紙のトカゲがかわいい~)。挿絵のジェイン・レイのサイトはこちら 。
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Wednesday, June 14, 2006
なんとあのスティーヴン・ホーキング が児童書を書く そうです。
娘のルーシイと共著で計画している作品は、理論物理学を8才の子供でもわかるように説明したもので、ちょっと魔法抜きのハリー・ポッターみたいなんだとか(<絶対嘘だと思う)。ううむ、A Brief History of Time どころか A Briefer History of Time でさえ手に負えそうにないわたしには向いているかもしれませんね^^)
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Tuesday, June 13, 2006
ホラーとは名ばかりで、去年に続きまたまた文学志向の強いファンタジイの候補作が勢ぞろいでいい趣味してますね。指針となりうるジャンルの文学賞ということでは、世界幻想文学大賞、クラーク賞、ディック賞にこの IHG Awards も付け加えるべきかも。
フィクションのみリストしておきます。他の候補作はオフィシャル・サイト をどうぞ。
NOVEL
SHORT FICTION
MID-LENGTH FICTION
Laird Barron, "Proboscis" (Magazine of Fantasy & Science Fiction, Feb 05 )
Jeffrey Ford, "Boatman's Holiday" (Magazine of Fantasy & Science Fiction, Oct 05 )
Joe Hill, "My Father's Mask" (20th Century Ghosts )
Caitlin Kiernan, "La Peau Verte" (To Charles Fort, with Love )
LONG FICTION
COLLECTION (Single Author)
ANTHOLOGY
No Award
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Monday, June 12, 2006
SF界のニュー・アイドル(笑)、デイヴィッド・イツコフ による、ダグラス・コープランドの JPod のレヴュウ を挟んだNYタイムズのSFコラム2回目 ですが、今回は Nebula Awards Showcase 2006 を取り上げて、SFに見られる内なる子供、ノスタルジアについて語っています。ふうむ、クリストファー・ロウの「志願兵の州」やベンジャミン・ローゼンバウム「抱擁もて新しきもの迎える神」、ヴァーナー・ヴィンジの「クッキー・モンスター」をピックアップするなんて、予想外にしっかりした趣味してるじゃないですか。
とはいえ、今回のアーギュメントは、Matt Cheney の「もっと大人になれ」(... if "Dave Itzkoff ever digests his inner child, he might discover that the world is far more complex and multilayered and joyfully, frustratingly paradoxical than he noticed before.")というブログでのコメントに対するリアクションという形を取っていますが、チーニイはといえば、一流紙の書評家が市井のブログの無責任な書き込みに直接言及すべきものではない といなしてますね。ううむ、相変わらずちょっと変わった困った子ちゃんのイツコフでした。
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Sunday, June 11, 2006
少し前まで日本に数年滞在していたことから "Yume No Hon: The Book of Dreams " という中世の日本を舞台にした著作もある、キャサリン・M・ヴァレンテの新作は "The Grass-Cutting Sword " です。
このタイトル、すぐにはピンとこないと思いますが、素戔嗚尊と八岐大蛇の伝説の再話ということなので、これって「草薙剣」のことなんですね。"The Labyrinth " ではめくるめくシュールで幻想的な世界を見せてくれたヴァレンテなので、日本の神話がどんな雰囲気の物語に変身してしまうのか興味津々。
そういえば "Yume No Hon " は、赤本と青本とどっちにしようか迷ってて、そのままになってました。
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Friday, June 09, 2006
カンザスの田舎町ペイシェンスでは、主人公の曾々々祖父が町を開いて、最初の水洗トイレを据え付けて以来ろくなことがなかった。すぐにでもこの町を飛び出したいと思っているジェイクと、アメリカ初のトイレ博物館を開くことを夢見るジェイクの父は、空からトイレット・プランジャーが降り注いだ日、町にかけられた曾々々祖父の呪いを経験することとなる。果たしてジェイクは、曾々々祖父の秘密を解き明かし、町を破滅から救うことができるのだろうか……。
ううう、なにやら血湧き肉踊る大冒険が始まりそうですね^^) ルイス・サッカーの『穴』 の再来となるのでしょうか。野球と竜巻(<カンザス!)とトイレット・プランジャーとアンティック便器と……牛の糞に魅せられた読者は必読だそうです。そういわれて手に取る読者はまずいないんじゃないかと思いますけど^^; 邦訳のタイトルは(もし万が一邦訳されるとすればですが)『しびれを切らして』がいいかな~。
ちなみにトイレット博物館ってこんな感じ でしょうかね。
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Thursday, June 08, 2006
1985年にコールデコット賞を "Saint George and the Dragon " で受賞したトリーナ・シャート・ハイマンのイラストと、娘カトリン・ハイナン・チャーナの再話による世界の女神神話ということで、児童書ながらかなり好みの予感です。
収録されている女神たちは、ヒンドゥー教のドゥルガー、エジプトのイシス、ケルトのマーハ、シュメールのイナンナ、そして日本からは天照大神などで、こちら で各女神のイラストを見ることができます。天照の装束 を見ても分かるように、細かい約束事には囚われずにその国のイメージを元に自由に描いているという感じで、伝統的な姿とは違っていたとしてもとても好感が持てますね。
この母娘コンビによる作品は、ほかに世界の龍退治の物語を集めた "The Serpent Slayer " など数冊あるようです。娘のカトリンは作家になる前は、Peace Corps の隊員として世界各国を訪れたそうで、そんな経験が作品にいかされていそうです。母のトリーナは2004年に癌で亡くなってしまったということで、新たな作品を望めないのが残念です。
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Wednesday, June 07, 2006
交通事故で死んだ父親の幽霊が、葬式の席に血みどろの姿で現れて、11才の息子を幽霊たちが集まるクラブに連れて行きます。じつは、叔父に殺された父は、犯人に仕返しするまでは成仏できないのでした。なんとかしないと一生付きまとってやると脅された主人公は、母親に色目を使い出した叔父を殺そうとするのですが……。
ここ数年流行しているゴースト・ストーリーの枠組みを借りたコメディ、というよりは「ハムレット」のパロディなんですね。少年視点の大人の話というあたりが面白そうです。じつはこの作者の長編第1作の The Last Family in England も、「ヘンリー4世」を下敷きにした、犬の視点から見た作品でした。楽しそうなんで買ったはいいものの、長らく積読になってますけど^^;
シェイクスピアの作品をベースに使うというのが作者のこだわりなんでしょうか。Guardian には作者のマット・ヘイグが選んだシェイクスピアの影響を受けて書かれた小説10選 がリストされてますが、ずいぶん意外な作品が並んでますね。まあそれだけ沙翁の影響が隅々まで浸透しているということなんでしょうけど。
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Tuesday, June 06, 2006
初出は 2001年ということなので、ちょっと古い本になりますが、科学者の父やウミイグアナ、アシカとともに孤島で暮らす少女の、現代版『家族ロビンソン』だそうです。
父親の船が操縦不能になり、ひとり残されたニムの頼みの綱は、愛読書の作者との e-mail だとか。ときどき迷い込んでくる旅行者を煙に巻いたりとか、いろいろアイデアが凝らしてありそうですね。
う~ん、このカバーにこのタイトルでは、ぜったい読んじゃう人がいるんじゃないでしょうか(笑)。いや、まじに面白そうですよ。
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Monday, June 05, 2006
ジャン・モリスの作品は、日本でも『わたしのウェールズ、わたしの家』 、『ヴェネツィア帝国への旅』 、『香港』 などが翻訳されていて、トラベル・ライターとしては有名なんですが、その彼……いや、彼女の(う~ん、元彼です……っていうと違う意味になってしまうのか^^;)たしか唯一のフィクションに、1985年に出版されてブッカー賞の候補にもなった Last Letters from HAV っていう短い作品があります。
中東の小国を訪れた作者が、人々の姿や日々の生活を、歴史や社会体制を交えて語った紀行文で、発表当時多くの読者がこの小国に行こうと旅行社に出向いたそうです。でまあ、なぜトラベローグなのに「フィクション」なのかというと、お察しのとおり、ハヴは架空の国だったんですね。この作品は、内乱により全体主義的国家に向かうハヴを作者が去るところで終わっていました。
と、まるで読んだみたいに書いてますが、じつは、持ってはいるものの例によって積読のまま^^; そうこうしているうちに、20年後のハヴを描いた続編を付け加えた新版、というか新作が出てしまいました。何年か前にもう本は書かないと宣言した作者のかわいい言い訳 がこちらにあります。Last Letters from HAV が20世紀の社会を描いたものだとすれば、続編の Hav of the Myrmidons は21世紀の国際情勢を反映したものとのこと。
相変わらず眼光鋭いル・グィンによる紹介 がこちらにありますが、彼女によれば、ユートピア文学的なサタイアのファンタジイではなく、出版社は嫌がるかもしれないが、現実社会を観察することから生まれたSFだそうです。う~ん、ル・グィンのおばちゃんは苦手なんですけど、いつも感心させられてしまうんですよね。ということで、マルコ・ポーロやイブン・バトゥータが世に知らしめ、T・E・ロレンスやヘミングウェイ、ル・カレが滞在したというハヴの街を、これを機会に訪れてみましょうかね。
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イギリスでホテル・レストランなどを展開する企業、ウィットブレッドが文学賞から手を引くことになり、代わりのスポンサーを探していましたが、コーヒー・チェーンのコスタが引き継ぐことに決定したようです。
The Costa Book Awards は来年1月に、ウィットブレッド賞と同じカテゴリで受賞者を選出するとのこと。
35年の歴史を持つウィットブレッド賞ですが、スポンサーが変わることによって、受賞者の傾向などに何らかの変化が起きるんでしょうかね。ちょっと気になります。
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Saturday, June 03, 2006
う、なんて悪趣味なカバーなんだ、とかいいながらつい手を出してしまいそうですね。子供向きのしょうもない作品かと思いきや、なんと、1938年のオーソン・ウェルズによるH・G・ウェルズの『宇宙戦争』のラジオ放送が引き起こしたパニックの様子を描いたノンフィクション絵本だそうです。ラジオ放送の部分をカラーで描き、当時の現実の部分を白黒で表現するという工夫が凝らしてあるとか。
ちなみに以前紹介 したように、ウェルズの放送 がフリーの mp3 で提供されてますので、これを聞きながら読むといいかもしれませんね。
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お遊びですけど、お好みを作家を捜す役に立つかもしれないサイトのご紹介です。 その名も「Literature-Map」 。
適当な作家の名前を入力すると、その作家の名前の周辺に似たような作風の作家が表示される仕組み。フワフワ浮かんでる名前をクリックすると、再びその作家を中心にして似た作風の作家が表示されます。 まずはお試しあれ。
はっきり言って、精度はイマイチかも知れません。 例えば、Jeffrey Fordが表示されませんね。 ミス入力も無造作に混じってるみたいで、Alasdair Grayと入力すると、その周辺にAlistair Gray、Alisdair Grayなんかが表示されます。Amazonのデータか何か利用してるんでしょうか?
まぁ、欠点を承知の上で遊ぶのなら、なかなか愉しいかも知れませんよ。 ちなみにトップページからは、音楽や映画で同じことが出来ます。
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Thursday, June 01, 2006
なかなかのびないうちのカウンターですが、それでも1年を待たずしてそろそろ 20000 に届きそうですので、踏んだ方、このエントリにコメントください。大盤振る舞いで Da Vinci Code のサイン入り初版本……はちょっとやっぱり惜しいので、代わりの本かCDかアマゾン・ギフトカードでも進呈しますよ^^)
申告してくださった方が1人だったら、嘘でも信用します(笑)。2人以上だったら……う~ん、ウェブで大岡裁きっていうのはどうやるんだろう? ま、だれもいないと寂しいのでよろしくお願いします。
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