Wednesday, May 31, 2006
伝記作家でもあるピーター・アクロイドは、"The Clerkenwell Tales "(14世紀)、"The House of Doctor Dee "(16世紀)、"Hawksmoor (魔の聖堂 )"(18世紀)、"Chatterton (チャタトン偽書 )"(18世紀半ば)、"The Lambs London "(18~19世紀)、"Dan Leno and the Limehouse Golem (切り裂き魔ゴーレム )"(19世紀後半)など、さまざまな時代のロンドンを舞台に小説を書いてきましたが、9月に出る新作はなんと意外にもトロイア戦争ネタです。
主人公は、古代ギリシャに魅了されているドイツ人考古学者で、彼が妻に選んだのも、ホメロスに親しむ16歳のギリシャ人少女。二人は一緒にトロイア戦争の遺跡の発掘調査を続けるのですが、妻は徐々に古代ギリシャの世界に、そして夫のヒミツの過去にも翻弄されていってしまうという、ちょっとミステリアスな展開の物語のようです。
「アクロイド+トロイア戦争」なんて楽しみ~。これは絶対買って読んで、ご報告させていただきます。
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Tuesday, May 30, 2006
絵本や挿絵で有名なイアン・ベックの初めての小説だそうです。昔話の再話やマザー・グースの絵本 は、たぶん誰もがどこかで目にしてるんじゃないでしょうか。フィリップ・プルマンのイギリス版の「ライラの冒険」の装丁もそうでした。いやまあ正直なところ、あんまり好きなタイプの絵でもないんですけど。
児童向けの小説を書くことになったきっかけは、こちらの Times の記事 によれば、I, Coriander を書いた画家仲間のサリイ・ガードナーに触発されてとのことです。まあ創作とはいっても、おなじみの昔話のエピソードを取り入れたもののようですね。
7人兄弟の末っ子トムは、story bureau で働くみなジャックという名前の6人の兄が、それぞれの物語が中途のまま行方不明になってしまったため、物語の国に調査に出かけます。赤ずきんを助けたり豆の木に登ったりということなので、何が起きるのかはだいたい想像がつきそう。他にも眠れる森の美女とかシンデレラ、ラプンツェルが登場するようです。
オフィシャル・サイト には息子さんが家族をモデルに製作したプロモ・ビデオ もありますが、なかなかいい雰囲気。ちょっと期待できそうですね。
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Monday, May 29, 2006
ううむ、こんどはなにやら悪魔の口述筆記をした本だそうですよ。絞首刑役人も出てくるそうで、どうもここのところこの手の本に憑かれてますね^^;
クーデターの失敗したイギリスで、首謀者はサドマゾの教祖として地下にもぐり、アメリカは役に立たない大統領の首を切ってイギリス国王アンディ1世に服従し、GIや男娼、自己発火する受難者がうろつきまわるロンドンが舞台だそうです。
主人公リンガスは死んだと思われているクーデターの首謀者、High John the Conqueror の息子で、見世物のフリークたちに混じって暮らしてます。どうもこの無茶苦茶な父親を持った少年の受難の物語が展開されるみたいですね。
しかしでも、ダグラス・アダムズが脚本を書いたモンティ・パイソンのエピソードで、テリー・プラチェットとアーヴィン・ウェルシュが取っ組み合いをし、レイモンド・チャンドラーがレフリーを勤めるのを見ているようだ などと形容されるともういけません。たぶんきっと Hercules Barefoot とか Zanesville とか The Coyote Kings of the Space-Age Bachelor Pad みたいな本ですよ。う~ん、読んでもいない本に読んでもいない本を引き合いに出すなんてわれながら大胆^^)
ちなみに "High John the Conqueror" っていうのは、もともとヴードゥーのまじないに使われる木の根っ子だったのが、伝説の民衆のヒーローに転じたもので、conqueror は conker と発音されるそうです。ブルース・ミュージシャンなんかがよくお守りにして、歌にもしばしば登場するのだとか。
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Sunday, May 28, 2006
またポーがらみの歴史ものですね。といっても、作者が Louis Bayard(ルイス・ベイヤード? それともフランス風にルイ・バヤールかな?)なので、本格的なミステリというよりは、歴史的背景と人物に焦点を当てたメインストリーム色の濃い作品なんじゃないかと思いますけど……いや、紹介を見る限りではバリバリのミステリみたい。
なにやら若き士官候補生のポーが、主人公を助けて猟奇殺人に挑むみたいです。前作の Mr. Timothy も面白そうなので買ってはあるんですけど、こちらはディケンズの『クリスマス・キャロル』に登場したちびのティムが大人になって、児童連続殺人事件に巻き込まれる話でした。やっぱり歴史的描写の部分が評価されてましたので、当分文芸ミステリというか文学的ミステリの路線を続けるんでしょうかね。
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Saturday, May 27, 2006
ノンフィクションです。BBCのジャーナリスト、デイヴィッド・エドモンズとジョン・エーディナウの共著『ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い一〇分間の大激論の謎 (Wittgenstein's Poker : The Story of a Ten-Minute Argument Between Two Great Philosophers )』は、ウィトゲンシュタインが起こした俗に言う「火かき棒事件」を中心に据え、両者の生い立ちや育ちからその行為を分析しようとした、野次馬的にはなかなか興味深い内容だったのですが、新作の "Rousseau's Dog " も、殴り合いをしているこの表紙からしてなにやらおもしろそうです。
表紙で殴り合ってるのはデイヴィッド・ヒュームとジャン・ジャック・ルソー。ルソーはフランス、スイス政府に迫害されイギリスに逃避行したときにヒュームに世話になったものの、温厚なヒュームもルソーの偏執狂・被害妄想振りにとうとう我慢ならず、険悪な間柄になってしまったという、ほとんどワイドショー的事実をもとに、思想家ルソーの人となりを分析していく作品のようです。
前作もそうですがこのコンビの著作は、哲学や思想を理解させるのが目的ではなく、それらがどのような時代に生きたどのような人物によって書かれたかということを主眼に、徹底的なリサーチをもとに構成されていることが特徴でしょうか。下世話な事件をトピックとして持ってくるのも、より多くの読者を得るためにはなかなか賢いやり方ではないかと。
『ポパーとウィトゲンシュタイン 』も、いろいろなエピソードてんこ盛りの伝記的な側面が強くて、昔『論理哲学論考 』とか読んでも全然意味不明だった私にとっては、ウイトゲンシュタイン自身が師であるラッセルについて彼の思想を「全く理解していない」と考えていたとか(だったら私に分かるはずありませんね)、姉のマルガレーテがクリムトに描いてもらった肖像画 を気に入らず、田舎の別荘の屋根裏部屋にしまいこんでしまったとか、しょうもないところで受けてしまいました。あの時代のウィーンに、大富豪のユダヤ人家庭に生まれたことだけをとっても、その周辺をさぐると歴史的文化的に重要な事柄がいっぱいでてきますね。
というわけで、その哲学者や思想家が生きた時代を知るには、このシリーズ(?)はとてもいいかと思います。
なお、ルソーの変人振りに関して簡単に知りたい方は、松岡正剛の千夜一冊 なんかいいかもしれません。あと、変人ルソーが出てくるフィクションでは、アンドリュー・クルーミーの "Mr. Mee " とか、おもしろかったですけど。
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Friday, May 26, 2006
う~ん、この絵本はちょっと欲しいかも。
マザー・グースでお馴染みの駆け落ちしたお皿とスプーンが、ニューヨークへと乗り出して、ヴォードヴィルで一旗揚げるも、放蕩三昧の末に尾羽打ち枯らし、挙句の果てに銀行強盗に手を染めて、とうとう25年の監獄暮らし……。ちょっと懐かしいニューヨークの光景をバックに、ナイフや肉切り包丁に追われる二人は、なにやらボニーとクライドを彷彿とさせるそうですよ。
作者のミニ・グレイという人は、スマーティーズ賞を受賞したりグリーナウェイ賞の候補に挙がったりと、なかなか人気のある人みたいですね。前作の Traction Man っていうのはあんまりよさそうな感じはしませんけど、こちらのスケッチ とか見ると、むちゃくちゃ期待持てそうですね。む、キーボードをたたくネズミなんてまるでわたしじゃないですか^^)
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Thursday, May 25, 2006
Slate でパルプ・フィクションの特集 をやってます。このところ再生パルプ……じゃなく、パルプふうの新作が流行りのようですね。
マシュー・パールの新作 The Poe Shadow の紹介 や、ハイスミスやウェストレイクなんかが取り上げられてますが、チェックしてみると面白いのが、作家や評論家がお薦めするビーチで読む本 。スコット・トローやイアン・ランキン、マイクル・コナリーなんかが先輩作家や同僚の作品を真面目に選んでいる一方で、マイクル・シェイボンやジョージ・ソーンダーズのコメントは一体なんなんですかね。ソーンダーズなんてモービー・ディック著の I Floated Nearby, Full of Envy なんて本をでっち上げちゃってますし。
お、ジェラルディン・ブルックスはクラカワーの『空へ』 ですか。ナオミ・ノヴィクのドラゴンの登場するナポレオン戦争もありますね。ううむ、トロロープなんてビーチだろうとどこだろうと読む人なんているんでしょうか。む、ジェニファー・イーガンのお薦めするウィルキー・コリンズ、イーディス・ウォートン、ドナ・タートはこの中では一番まっとうな選択かも。Salon のレヴュア、ローラ・ミラーは、この時期には昔読んだ児童書を読み返しているそうですが、『マイロのふしぎな冒険』 は再読に耐えるけど、『五次元世界の冒険』は記憶ほどではないというのには同意ですね。クーパーの『闇の戦い』はさてどうでしょう。
このなかで一番気になるのは、ホルヘ・アマドの『ドナ・フロールと二人の夫』を紹介している Gary Shteyngart(ゲイリー・シュテインガート?)の Absurdistan でしょうか。ううむ、このタイトルの誘惑には負けてしまいそう^^;
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Wednesday, May 24, 2006
これは表紙もタイトルも怪しさいっぱい(?)でそそりますね~。
作者のトレント・ジェイミスンは、moody, dark and vivid を旨とするオーストラリアのダーク・ファンタジー・マガジン "Redsine" や、KJ ビショップの "The Etched City " のエディタとして活躍した人で、この "Reserved for Travelling Shows " が初めての作品集だそうです。
出版元の Prime Books の説明とか見ると(これだけじゃよく分からないけど)、雰囲気的にはかなり好みの予感……。
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Tuesday, May 23, 2006
ユーロヴィジョンの今年の優勝はフィンランドのヘビメタ・バンド、Lordi の "Hard Rock Hallelujah!" ということで、いつもはなまぬるいポップ・ソングばかりのこの賞が、色々なところで話題になっているようです。
ううむ、ユーロヴィジョンって、仮装大会だったんですか。ドラマーが人間じゃない^^;
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ヴァンダーミアのブログで面白いものを見つけました。カナダの医学雑誌に掲載された論文 ということなのですが、『クマプーさん』の登場人物たち(?)を病理学的に分析したところ、非常に危ない状況に置かれており、早期に何らかの処置をしないと大変なことになると警鐘を鳴らしています。
まずはクマのプーには明確な ADHD の兆候があり、蜂蜜に対する強迫性障害が見られるとのこと。トゥーレット症の可能性もあるそうです。ピグレットについてはヘファランプ(ゾゾでしたっけ?)を捕らえようとした経験がトラウマとなり、全般性不安障害へと発展した恐れがあり、イーヨーは気分変調症、フクロウは典型的な失読症とのこと。
また、ルーに対しては過保護な片親による生育環境面での不備や、ロール・モデルであるティガーの悪影響が指摘されています。クリストファー・ロビンについては明確な疾病の兆候は見られないものの、シェパードの挿絵から察するに、性同一性障害の可能性もあるそうです。
ううむ、いちいち思い当たる指摘ばかりですね(笑)。しかし、この CMAJ って、れっきとしたカナダ医学協会(Canadian Medical Association)の専門誌だそうですけど、学術論文ってこういうもんだったんですか(<普通は違うと思う)。
チェックしてみたところ、この論文、「ユリイカ」2004年 1月号のクマのプーさん特集号に、「百エーカーの森の病理:A・A・ミルン作品にみる発達障害」の題で邦訳があるようです。う~ん、プーのファンはこれを読んで面白がったんだろうか、怒ったんだろうか。
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Monday, May 22, 2006
またちょっと面白そうな本にまつわる児童書を見つけました。
両親を亡くし(ううむ、児童書にはこのパターンが多いですけど、親がいてはおちおち冒険もできないということでしょうか)、祖父母に引き取られた本好きの少年の物語。なかなか新しい環境になじめないところに、祖父は大の本嫌い。家の中で本を見かけると怒り出してしまう始末。
そこで少年は、同好の士の祖母とともにこっそりと古本屋を漁ることに。ところがあるとき、ふと見つけた "Great Big Book Exchange" という名前の古本屋は、奇妙な条件を出してくる。不要になった古本は必ず返すこと、それと交換に別の本を渡してくれるというのだ。ううむ、 Book Off だったら何冊も持っていかないと1冊の本が買えませんが、ここでは1冊返したら1冊もらえるみたいですね。とっても良心的。
とはいえ、この店の存在理由にも、なにやら怪しげな義手の店主にも、どうやら秘密があるらしい。プッツンのゴス少女とのロマンスもあるようで、そうこうしているうちに自分のちっぽけな悩みはどこかに忘れ去ってしまう……という展開でしょうかね。あまり評判になっている様子はありませんが、超自然な要素を使わずにファンタジイ的な物語を成立させてしまうタイプの作品のように思えます。ちょっと期待しておきましょう。
作者の名前はポール・モーズと読むそうですが、本職は英文学と創作の教師で、児童書以外にドクター・フーのフランチャイズものを手掛けてるみたいです。アメリカだとスター・ウォーズやスター・トレックになりますが、イギリスの中堅作家(midlist)の場合、ドクター・フーで生活費を稼ぎ、その合間で自分の書きたい作品を書くというパターンが多いですね。オフィシャル・サイト は最近アップデートされてないようで、こちら とか Wikipedia のほうがわかりやすいようです。
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Sunday, May 21, 2006
てんかんの発作を苦にして孤独な生活を送ってきたヒロインが、母親の死をきっかけに故郷に戻り、家族のしがらみや人とのかかわりに目覚めていく物語のようです。とはいいながら、幼児虐待がらみの暗い展開もあるようですね。
で、ちょっと話題になっているのが主人公の鮮烈な語り口で、特にてんかんの発作の場面では、万華鏡のようなとも形容されてますが、タイトルにふさわしい電撃的な描写になっているようです。
She looks at me and we smile and the bolt, it snaps my hand away like fire and the planet tilts, burnt wind blowing around inside me, skin suck-sucking the dust in and the crackles, the coughing . . .
They're here again.
Shadows moving all around me, breathing static breath, smell them in the buzzing as they sliiiiiide their long fingers in, tickling the switch and the colours, the sweet colours are here wrapping their arms around me like they love me.
ううむ、全編この調子だったら目がくらくらしそうですけど、五感を刺激する文章は読む価値がありそうですね。
基本線はハンディを負った主人公の肯定的な物語ということで、ウケ狙いの微妙に安っぽい印象の表紙とはかなり違った内容のようです。
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カモルというヴェネチアに似た架空の都市を治めるロック・ラモーラという男が主人公の物語。この男が機知と狡猾さを武器に金持ちを騙して弱者に施しを与えるという、現代版ロビン・フッドみたいな人らしいです。
弱冠26歳という作者のデビュー作なのですが、なかなか才能のある人のようで、ジョージ・R・R・マーティンのブラーブもついていて、かなり期待できそうな予感。
で、この作品、なんと7部作(!)の1作目らしいのですが、出版前というのにもう映画化権が売れてる そうです。
表紙は落ち着いていてなかなかいいカンジですね。
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Saturday, May 20, 2006
引退していた悪魔祓い師が、やむなく引き受けた幽霊退治が地獄の釜の蓋を開けてしまうみたいです。ロンドンの街を舞台に、死霊や吸血鬼、人狼が総登場して祈祷師を付け狙うのだとか。
Lucifer や Hellblazer といったコミックスの原作者 が初めて書いた小説ということで、お手軽な作品かと思ったら、Gabe Mesa がなかなかいい出来だと褒めてましたので、ちょっと気になります。Lee Martinez の Gil's All Fright Diner とか、Jim Butcher の Harry Dresden のシリーズ並みにアイデアいっぱいの楽しい作品であればチェックする価値はありますね。
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Thursday, May 18, 2006
なにやら死神が語り手の本だそうですよ。
ナチスの時代のドイツを舞台に、両親と離れ離れになり、里子に出された少女の日常を描いたものとのことですが、この少女が弟の埋葬の場で、最初に手にした本が墓堀人夫の手引書。死者を迎えにやってきた死神は少女を目に留め、彼女の物語を語り始めます。
人のいい養父は、文字の読めない少女に、墓堀人夫の手引書を教科書代わりに読み方を教えます。以降、ナチスの焚書の山から本をくすねたり、見てみぬ振りをしている市長夫人の蔵書を持ち出したりと、少女の本泥棒は続きます。
本を盗むという行為がどうテーマやプロットと係わっていくのか、読んでみないと分かりませんけど、言葉の持つ力というのが重要なテーマになっているみたいですね。なかなかインパクトのある設定ですので、期待しておきましょう。
作者のマーカス・ズーサック (でいいのかな?)はオーストラリアのYA作家で、前作の I Am the Messenger の時もかなり奇妙な作品ということで話題になってましたが、この新作は更に評判がいいようです。児童書の今年の収穫の1冊になりそうな雰囲気ですね。
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20世紀初頭の絵本の黄金期に活躍した、デンマーク出身の挿絵画家カイ・ニールセンは、『おしろいとスカート 』『十二人の踊る姫君 』などが翻訳で出ているので、ご存知の方も多いと思いますが、彼のイラスト集 "Nielsen's Fairy Tale Illustrations in Full Color " が7月にお手頃価格のペーパーバックで発売されます。
ドーヴァーのこのフルカラー・シリーズは、"Dulac's Fairy Tale Illustrations In Full Color " と、ウォルター・クレインの "Flora's Feast: A Fairy's Festival of Flowers in Full Color " を持っているのですが、どちらもとても美しくてオススメです。個人的にはデュラックがとても好きなのですが、うっとり見とれて、思わず御伽の世界に引き込まれてしまいそうになりますよ。
デュラックとニールセンは、1975年発行でもう絶版になっているデイヴィッド・ラーキン編のイラスト集も持っているのですが、デュラックで比べてみると色の美しさが全然違っていて、このフルカラー・シリーズのほうが格段にいいです。
ちなみにデュラックの絵はこちら 、ニールセンの絵はこちら で見ることができます。
なにげに検索してみたら、荒俣宏コレクションのカイ・ニールセンの時計 なんていうのが出てきました。太陽とか木のひょろひょろっとしたところとかは、ニールセンっぽいでしょうか。
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Wednesday, May 17, 2006
ちょっと話題になっている Anathallo っていうグループの、「浮世」 という日本趣味のタイトルが気になって買ってみましたが、ううむ、なかなか微妙でした。
音そのものは、よくありがちな似非オリエンタリズムなところは全くなくて、ブラスとドラム、様々なパーカッションをスペーシイに配置した軽いポスト・ロックふうの味付けに、エモーショナルなヴォーカルがメランコリックに絡むという好感が持てる展開です。
面白いのは一部の歌詞が日本語で、間奏的なインストルメンタルの曲も、雨とか雪とか犬とか、音で日本的な情景を描いたトーン・ポエムの雰囲気。ドラムスティックの乱打で雨を表わしたりとか。唐傘の骨を題材に私を捨てないで~っていう歌もちょっとかわいいですね。ただまあ日本語の部分には意味不明のところも混じってますけど^^;
全体が大まかなコンセプト・アルバムになっているようなのですが、メインはなんと、Hanasakajijii というタイトルの付いた4つの曲。そう、あの花咲爺の物語をそのまま歌にしてるんですよね。苦難の後の蘇りのイメージが効果的に使われてます。
ということで、きれいな音を聴いている分にはチャーミングですし、日本のモチーフが普遍的なテーマに昇華されている部分にはくすぐられるところもあるんですけど、歌詞のベースに流れるキリスト教的な説教臭さがどうしても鼻について素直に楽しめないんですよね。そう、なにやらネイティヴ・アメリカンみたいなバンド名ながら、アナサロっていうのはクリスチャン・ロック・バンドなんでした。
ううむ、いわれてみれば全体の柔らかくきらきらした雰囲気は Sufjan Stevens にそっくり。ヴォーカルのトーンまでごく近いです。Danielson とか Page France、Half-Handed Cloud とか、クリスチャン・ロックっていうのはどれも似たようなところがあるのはなんでなんでしょう。まあスフィアン・スティーヴンズ並みにずば抜けてれば、宗教臭はさておいて聴き惚れてしまうんですが、やっぱり素直にのりにくいですね。ということで、微妙。
本当なのか冗談なのかはわかりませんが、スフィアンの全米50州をテーマにしたアルバム作りに対抗して、アナサロはこの日本を皮切りに、各国をテーマとしたシリーズを計画していて、最終的には全世界制覇を目指すのだとか。ううむ。
アルバムの中から代表的な2曲が MySpace で聴けますので、チェックしてみてください。
オフィシャル・サイト では送料込み12ドルで買えます。iTunes や eMusic でもダウンロードできますね。
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Tuesday, May 16, 2006
古代エジプトが舞台の児童書です。
主人公は両親を失い、叔父の家に身を寄せる13歳の少女。住んでいるのは、ファラオの墓の建設労働者たちの村なのですが、そこではなにか不穏な動きが……という、ミステリ仕立ての物語のようです。この女の子、あてがわれた婚約者が気に入らなくて神々にお願いして、叔父さんに追い出されちゃったりと、結構お転婆っぽそうでおもしろそうです。
Set Maat という村は実在するそうで、作者自身その地を訪ねて、当時の風習などを調査したようです。ハーヴィはウェールズ出身なのですが、エジプトを旅行してそっちの世界にハマっちゃったみたいですね。
"Orphan of the Sun " の紹介サイトはこちら 。
エジプト旅行に行った少女のロマンスを書いた "Love in Luxor " も昨年出版されています。
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Monday, May 15, 2006
これもタイトルに惹かれて覗いてしまったのが運の尽き、買う羽目になってしまいました。
登場人物がすべてスーパーヒーローの物語ということなんですが、スーパーヒーローったってそんじょそこらのスーパーヒーローとは一味違います。主人公トムの妻はパーフェクショニスト。つまりはなんでも完璧なスーパーヒロインなわけですが、これが別れた元夫のヒプノに催眠術を掛けられてしまい、目の前にいるトムが見えなくなってしまったのでさあ大変。悲嘆にくれるトムはあの手この手で催眠術を解こうと奮闘するのですが……。
おお、これは今はやりの悲劇のヒーロー/ヒロインによる泣きたいときに読む純愛もの、それも「超」のついたパワーアップ版……には到底見えないですね^^; 友人の間を渡り歩いて煙草には事欠かないカウチ・サーファーなんていう羨ましい……いや情けないスーパーヒーローも出てくるみたいですし。
なぜか日の丸アマゾンに在庫があったので、最近出たイギリス版を買ってしまいましたが、2003年のアメリカ版が初出のようです。う、アマゾンには表紙の絵がなかったので気にしてませんでしたが、アマゾンUKを覗いたら、絶対手に取りたくない表紙がこっちを睨んでますね^^; いや、見なかったことにしておこう。
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Sunday, May 14, 2006
う~ん、どうしても見過ごし出来ないタイトルと表紙ですね。
反逆罪で切り落とされた伯父の首を救い出し、首のない胴体と一緒に埋葬しようとする少女が、なぜか王の軍隊に追われて、変装しながら逃げ回る歴史ものだそうです。児童書でコメディとはいうものの、物語はリアルな斬首刑のシーンで始まるのだとか。で、ペチコートに首を隠した主人公アリスの道行きのお供は、なんと人のいい首切り役人ダン・スキンスライサー! 後を追う青い目のハンサムな隊長さんもアリスに首ったけになってしまい、なにやら大変そうです。
作者のケイティ・グラントは、十字軍の時代を舞台にした子供向けの歴史もの3部作も書き継いでいるということですが、ひょっとしたらジョーン・エイキンみたいなタッチなのかも。ちょっと期待してしまおう。
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Saturday, May 13, 2006
Guardianの外国文学紹介ブログ"Culture Vulture" で、今月は日本が取りあげられてます。Haruki Murakamiの圧倒的な知名度はさておいて、その他の日本人作家がどれくらい認知されているのか興味のあるところなんですが……。
谷崎潤一郎、三島由紀夫が圧倒的に人気で、他には川端康成、夏目漱石、安倍公房、芥川龍之介なんかが読まれているみたい。源氏物語や枕草子も人気ですね。 肝心の現役日本人作家というと、う~ん、残念ながらあまり読まれていないようです。Banana YoshimotoとRyu Murakamiぐらいしか名前が挙がってこないですね。中上健次も高橋源一郎も島田雅彦も全滅。このあたりは、フランスで同じような企画をやったらかなり違ってくるような気がします。 しかし、"Monkey Brain Sushi" はともかく、あんなに頑張って日本文学の翻訳をだしてるVertical の本を誰も読んでないってのは何なんでしょう。
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Friday, May 12, 2006
この前はトーベ・ヤンソン版のアリス の紹介がありましたが、こちらはフランスのイラストレータ、アン・バシュリエ画のちょっと大人っぽいアリスです。透明感のある落ち着いた色彩の世界の中で、ひと味違ったアリスを楽しめそうですね。
バシュリエのアリスの絵はこちら で少し見ることができます。色が綺麗で、暈かしたところはとても幻想的。きゃ~、チェシャ猫かわいい~。
この本、アマゾンでは扱ってないのですが、コミック本・イラスト本の専門店 BudPlant で売ってますので、気になられた方はどうぞ。ペーパーバック US$19.95、サイン入り限定版ハードカバー は US$75.00 です。私はペーパーバックを注文しちゃいました。因みに送料は船便で US$9.00 でした。
アン・バシュリエのちょっとシュールな他の絵は、同じサイトのこちら 。
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いやあ~、困ったもの 見つけちゃった。 ロシアのナボコフ・サイトなんですが、ナボコフの作品がロシア語と英語で入手できます。全作品というわけではありませんが、とりあえず英語で最初に発表された作品はすべて読めるようです。 あくまで、商業的利用あるいは出版を目的としないという前提での公開のようですから、そのつもりで。
もちろんパソコン上で読むわけじゃありませんが、単語検索ができるようになるってのがありがたいですね。これでもう『ロリータ』を読みながら、「あれピーター・クリストフスキイって、確か前に一度出てきたよなあ」と頭を悩ますことがなくなります。
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Thursday, May 11, 2006
鉄のカーテンがまだ存在した 1975年のチェコスロバキアで起きた、動物園のキリンの処分を核に、全体主義国家の影を描いた作品とのことです。それだけじゃなんだかよく分かりませんが、アフリカでキリンの群れが捕獲されるところから書き起こし、いかにして殺される羽目になったかを追いながら、捕縛されたものの疎外感を……ううむ、やっぱりなんでキリンなんだろう。読んでみなけりゃわかりそうにありませんが、どうもわたしのヒゲにピピッときますね。買ってしまおう。
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Tuesday, May 09, 2006
「まさかこれからも短篇をひとつずつ小出しに出版するつもりでは……」
28ページのチャップブック "The Bible Repairman " が出たときの私の予感が当たったかもの、今年後半に同じ出版社から出る "The Properties of Rooftop Air " は、この前の2倍のページ数の小型のハードカバーだそうです。短篇1本でハードカバー出すっていうのもすごいかも。
こちらは、30年前の詩集を見つけた稀覯本のディーラーが、その詩人の死の状況を変えてしまうような、不思議なプロットに巻き込まれてしまう話とか。とってもおもしろそうではありますが、う~~ん、欲しいけどやっぱり高い……。
そのうち、この前のと、もしかしてこれからも出るかもしれないのと、1冊にまとめて廉価版できっと再登場しますよね???
アマゾンにはまだ出ていないので、上のリンクは Subterranean Press のサイトになってます。
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整理しなおしたということで、ヴァンダーミアのファンタジイ・リストがリヴァイズ され、一部削除・集約も含め64作に落ち着いたようです。以前のリスト と基本的には変わらないようですが、クレア・ダドマン やデイヴィッド・ミッチェル 、レーナ・クルーン などが追加されたのはうれしいですね。
55番と56番が伏せられていますが、これは世界幻想文学大賞のジャッジを務めているため、昨年出版された作品についてはノミネーションが発表されるまで公にコメントできないからということのようです。う~ん、ヴァンダーミアの趣味からすると、ポール・パークの Princess of Roumania やコリイ・ドクトロウの Someone Comes to Town, Someone Leaves Town じゃなくて、おそらくハル・ダンカンの Vellum と、ジェフリイ・フォードの The Girl in the Glass あたりでしょうか。
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Monday, May 08, 2006
ロンドンに巨大な機械仕掛けの象 が出現したそうです。
5月4日から7日まで、4日間にわたりロンドンの街中をねり歩いたこの象、高さは12メートルあるといいますから、4階建てのビルがのそのそ動いている感じなわけですね。夢のお告げに従い時空を超える象を作ったインドのサルタンが、ロンドン市内に墜落したロケットから登場した巨人の少女を追って現れたものだそうです。なかなかスチームパンクなデザインがそそりますね。
じつはこのプロジェクト 、昨年のジュール・ヴェルヌ没後100年を記念して、ナントとアミアンの2市がスポンサーとなり、両市を皮切りに世界各地のいくつかの都市を巡業しているストリート・シアターの一環とのこと。これを製作したフランスのロワイヤル・ド・リュクス(Royal de Luxe)という会社は、巨人がらみの企画をいくつも手掛けていて本国では有名なんだとか。欧州版のねぶたですかね。日本にもこないかな~。
コンセプトはヴェルヌの『80日間世界一周』に出てくるサルタンの夢のエピソードをベースにしたものということですが、コスチュームも含め、なんか『ガリバー旅行記』の雰囲気がすごくするんですけど。大人国か小人国かは、どちらに視点をおくかによりますけどね。実物をしかと目にした fictionalcities のジェフによれば、かなり宮崎アニメのイメージだったとのこと。いずれにせよ、たまたまロンドンでこの公演に出くわした人はうらやましい限りです。
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Sunday, May 07, 2006
世界の神話シリーズ 5巻目にして初めて、ギリシャ・ローマ圏外の神話の登場です。この "Lion's Honey " で、イスラエルのユダヤ人作家デイヴィッド・グロスマンは、ユダヤ人の英雄サムソンの真の姿を探ります。
ユダヤの子供にとってサムソンは、ライオンを素手で引き裂き、ペリシテ人との戦いではユダヤ人を先導する英雄。ところが旧約聖書の士師記で伝えられる彼は、神の使命を課されて生まれたものの、次々と困難に見舞われ、最後には愛するデリラの裏切りによってペリシテ人の手に渡され、壮絶な最期を遂げる孤独な人物です。旧約聖書にある記述に納得のいく背景説明を付し、旧約聖書には書かれていない登場人物の感情にまで踏み込むことによって、無味乾燥な聖書のエピソードを血の通ったひとりの人間の苦悩の物語に高めているのがこの作品。サムソン伝説についてのエッセイであるのに、小説を読んだような読後感が残るのはそのためでしょう。
30人もの何の罪もないペリシテ人を殺したり、300匹のキツネを2匹ずつ尻尾で結び、それに火をつけてペリシテ人の農耕地を焼き払ったり、驢馬の顎の骨で1,000人のペリシテ人を殴殺したり、サムソンのやることは狂暴で弁解の余地は全くないのですが、それらの行動を作者は、屈強な身体に子供のような精神を持ったサムソンのアンバランスさ、繰り返される裏切りへの報復、そして特別な使命を持って生まれたため相手と親密さを築けない苛立ちなどが起因となっているとして、そのときどきの彼の精神状態を分析していきます。タイトルも、サムソンを語る上で重要なエピソードから取られています(注:昔は現イスラエルのあたりにもライオンが生息していたそうです)。
もちろん聖書に書かれていることは全て真実とは限らないのですが、それを出発点としてユダヤ人の英雄サムソンの人物像を、ユダヤ人の視点であざやかに肉付けした作品といえるでしょう。
作者のグロスマン は邦訳のある『ヨルダン川西岸―アラブ人とユダヤ人 』や『ユダヤ国家のパレスチナ人 』など、パレスチナ問題に関する著作を始め、多くの本を出版しています。
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ネビュラ賞の受賞作が発表 されましたが、長編部門はなんか意外ですね。いえ、ジョー・ホールドマンが嫌いというわけではありませんけど、まるで……SFの賞みたいな結果じゃないですか(笑) ケリー・リンクの "Magic for Beginners" は同名タイトルの短編集の中でも一、二を争う傑作ですが、"The Faery Handbag" は、悪くはないですけど、リンクの作品の中ではそう取り立てて……と思うのはわたしだけ?
Best Novel : Camouflage by Joe Haldeman
Best Novella : "Magic for Beginners" by Kelly Link
Best Novelette : "The Faery Handbag" by Kelly Link
Best Short Story : "I Live with You" by Carol Emshwiller
Best Script : Serenity by Joss Whedon
Andre Norton Award: Valiant: A Modern Tale of Faerie by Holly Black
Damon Knight Memorial Grand Master Award : Harlan Ellison
Author Emeritus : William F. Nolan
ローカスの受賞者の記念写真 を見ると、ハーラン・エリスンがとうとう吼えたまま石像化してますね。
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Saturday, May 06, 2006
フランクフルト・ブックフェア といえば、100国以上が参加し国際間の出版権の売買なども行われる世界一有力な本の国際見本市。それが 2007年4月16日~18日まで、ロンドンのアールズコート・エキシビジョン・ホールで開催されると、正式発表がありました。
ロンドンでは、国際的な本の見本市ロンドン・ブックフェア が毎年春に開かれているので、それと競合する形になりますが、フランクフルト・ブックフェア のCEOユルゲン・ボースによれば、既にいくつかのイギリスの出版社や代理店の賛同を得ているとのこと。実際、フェイバー&フェイバー、アシェット(英)、ペンギン・グループ、ランダムハウスなどがサポートを表明しているようです。
都市名を冠したブックフェアが、他の国の都市で行われるというのは考えもしませんでしたが、経済の世界では国際企業はもとより、最近では米ナスダックがロンドン証券取引所に買収提案をしたりと国境が形骸化した形になっているので、本の世界でも他国への進出は当然と言えば当然ですね。
フランクフルト・ブックフェア のロンドンでの開催は、ボローニャ・ブックフェア (2007年は4月23日~27日)と期間を近づけて、エージェントがロンドンからボローニャと続けて回れるよう配慮しているそうで、2008年の開催期間もボローニャに合わせるとのこと。
正式なアナウンスはこちら 。
地元フランクフルトでは、今まで通り秋に開催されます。
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Friday, May 05, 2006
ヒツジのことを考えてる犬が表紙だなんて、これは中身を見ずとも買ってしまいそう。牧羊犬として育ちながらも、火事で牧場を失ったボーダー・コリーが、様々な飼い主を転々とする半生を綴った自叙伝だそうです。カメ やネズミ に続いて、こんどは犬のモノローグですね^^)
ラッシーとオリヴァー・ツイストの伝統に連なる艱難辛苦の成長物語ということで、長編に手を伸ばし始めた小学校高学年の児童にうってつけとなっていますが、う~ん、なんかわたし向けの感じが。
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The National Short Story Prize と言ってもご存知の方は少ないでしょう。なにしろ NESTA (スポンサー)、BBC Radio 4 、Prospect Magazine によって設立されたばかり。運営は Book Trust と Scottish Book Trust で、毎年優れたイギリスの短篇に授与されるそうです。賞は既にたくさんあるとはいえ、短篇に限ったものは初めて。イギリスでは最近短篇があまり読まれなくなったため、危機感を抱いた関係者たちが行き着いた打開案がこの賞ということのようです。
先月発表された、第1回の候補作は次の通りです。 (括弧内は、収録されている短編集のタイトル)
"The Flyover" by Rana Dasgupta (Tokyo Cancelled ) "Men of Ireland" by William Trevor (A Bit on the Side ) "The Safehouse" by Michel Faber (The Fahrenheit Twins ) "The Ebony Hand" by Rose Tremain (The Darkness of Wallis Simpson ) "An Anxious Man" by James Lasdun (The Paris Review Magazine)
このショートリスト作品は、4月10日~15日の5日間に BBC Radio 4 の Front Row で1篇ずつ朗読が放送されたんですね。気づくのが遅すぎました。残念!
受賞者は5月15日の BBC Radio 4 の生番組 Front Row で発表されます。
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Thursday, May 04, 2006
このブログでもレヴュウした Insect Dreams や The Education of Arnold Hitler など、実在の人物を自在に使い一風変わった現代史を描いてきたマーク・エストリンが、新作長編をウェブでの週間連載 の形で提供しようとしています。
まず5月8日に最初の3章が公開され、購読料8ドル払った人は、毎週パスワードが知らされて1章ずつアクセスできるようになり、11月の第1週で完結するそうです。また、15.95ドル支払った人は、11月10日に出版されるトレード・ペーパーバックがサイン入りで貰えるそうです。ただしまあ日本に送ってもらうには別途送料がかかるんでしょうけど。
物語のほうは、自分がユダヤの民を救うゴーレムだと思い込んだ主人公が、アンチ・セミティズムに対し戦いを挑むものとのことで、またまたシリアスなテーマを抱えながらもヘンテコリンなことになりそうです。どちらかというと長編を一気に読むほうが好きなんですけど、8ドルだったら、ちょっとこの変わった試みに乗ってみるのも楽しいかな。
普通に出版してもほとんど目立たずに、すぐに忘れ去られてしまうケースが多いので、プロモーションも兼ねた試みなんでしょうか。ブログをベースとした出版物や雑誌の連載と通常の本との中間を行くようなやり方ですが、なかなか部数が捌けないけど根強いファンのいる作家には向いていそうで、今後メール・マガジンに近いこの手の形態が増えていくのかもしれません。
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Wednesday, May 03, 2006
いっぽう、こちらはパリのグラフィティ・アーティスト、ミス・ティック の画集。Mystique に掛けてあるんですね^^) わざわざ英語にしてるのは、やっぱり胡散臭さを出すためなんでしょうか。画集のタイトルも "a Paris" でなく "in Paris" になってます。ちなみにリンクは amazon.fr へ。
う~む、ロンドンはパンクな政治的風刺がメインの印象ですけど、こちらはなにやら色っぽいですね。いやまあ2人のアーティストだけを見て一般化するのもなんですけど、お国柄が出ている感じがします。
古典絵画の落書き も楽しいし、女性をテーマにした作品 はエロティックというよりお洒落ですけど、やっぱりこのいかにもグラフィティらしいラフな作品群 がベストですかね。
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Tuesday, May 02, 2006
ええと、わたしの本職はといえば、日々街の美化に励んでいるわけなんですけど、そのわたしの働く姿をスケッチ してくれてる人がいました……じゃなくて、この人、ロンドンのグラフィティ・アーティストだそうです。オフィシャル・サイト に行くと、ネズミだけじゃなく面白い絵が満載ですね。警官が抱き合ってるシーンとか、ヒッチハイカーの絵なんて、けっしてリアルではないですけど、街中で突然であったら一瞬ビクッとしてしまいそう。
やっぱり街をキャンバスにした落書き(Outdoors)のところがいちばん魅力的ですが、ちゃんとした作品(Indoors)のほうも、風刺の利いたパロディ絵画としてなかなかの出来。アンディ・ウォーホルやモネのパロディもありますね。まだ全部は見てませんが、これではこの画集、買わないわけにはいきませんぞ。
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シャンソンなんてめったに聴かないんですが、このポーリン・クローズ って人の歌を何曲か聴いて、結局アルバムを買っちゃいました。あ、いえ、けっしてジャケットに呼ばれたわけではありません^^; あんまりシャンソンくさくなくて、かなりフォークっぽいんですよね。軽くボサノヴァやレゲエも取り入れてますし。ちょっとカスレの入ったアルトっぽい声がクセになります。(日本語表記は「ポーリーヌ・クローゼ」になってますが、相変わらずフランス語の日本語表記はダサいですね。そのうえ間違ってるし。)
こちらのギャラリー に写真が……じゃない、ビデオ・クリップが2曲ありますのでチェックしてみてください。Larmes (Tears) のほうがアルバム全体の雰囲気をよく表してますかね。T'es beau (You're beautiful) はかなりシャンソン的な作品。どちらかというとこの2曲より印象的な作品がアルバムにはたくさん入ってますけど。
日本のアマゾンではほとんど値段が変わらないので、どうせならこちらの DVD 付きの限定版 をお薦めします。まあちょっとしたドキュメンタリーと Larmes のビデオが入っているだけなので、DVD のほうはほんとのオマケなんですが、ボーナス・トラックの英語で歌った You're the One That I Want がかなりの拾い物。スロー・テンポのソウルフルな歌い方のせいで最初は気づかなかったんですが、オリジナルはオリヴィア・ニュートン・ジョンが「グリース」で歌っていたしょうもないやつ。歌っていうのは歌う人とアレンジによって驚くほど様変わりするもんなんですね。
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Monday, May 01, 2006
"Pay the Piper " に続いて、ジェイン・ヨーレン&アダム・ステンプル母子が贈る、ロックンロール・フェアリー・テイル・シリーズ第2弾は "Troll Bridge "。表紙でフィドルを弾いている、カワキモイのがトロールのようですね。
ヴァンダビーの品評会では、毎年乳製品の女王が選ばれます。そしてバターで造った12人の少女の似姿がトロールホルム・ブリッジに並べられるそうです。16歳の天才ハーピスト、モニカもその中のひとり。
ところが遠方でツアーをしていた十代の少年のバンドとともに、彼女らもいつのまにか別世界のトロールホルムに来てしまったようです。そこでは魔法のフィドルをめぐって、魔法を使うキツネと怪物のようなトロールがバトルをしていたとか……。よく分からないけど、なんだかおもしろそうです。日本のアマゾンでは「4~8歳児」と書いてありますが、Amazon.com では全年齢対象となっていますね。
しかし本の説明を読むと、しょうもないダジャレがいくつか出てくるのですが、もしかして中身もそうなんでしょうかね~。ますます気になります。
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