Elan Vital, by Pretty Girls Make Graves
このところ気に入って聴いているのが、Pretty Girls Make Graves の4月発売の新作なんですが、聴くや否や前2作もすぐさま注文し、待っていられなくなって eMusic でダウンロードもしてしまったというむちゃくちゃゴキゲンなバンドです。
かなりハードな音作りの Good Health から、バランスの取れた The New Romance を経て、Elan Vital ではかなりポップな側面が強くなっていますが、パンク風のラフな側面は見せても、基本はパワー・ポップでしょうか。聴きやすいメロディアスな曲を、切れ味のいいバックで支えて、けなげな女性ヴォーカルが光ります。うー、むちゃくちゃかっこいいぞ。
バックの演奏も音を重ねずに一つ一つの音がクリアに響くところがいいですね。いろいろ工夫を凝らしてて、曲ごとに印象が変わるのも見事です。パンクや軽いエレクトロニカの味付けも、上手いプレーヤーが手すさびでやっているというよりは、様々な演奏スタイルをひとつひとつ真面目にこなしてきたという印象で、ほんと、文句のつけようがないです。
Elan Vital では、シングル向きのテンポの速い曲を立て続けに5曲並べて、後半を押さえた曲調の作品で絞めているという構成を取っているため、あんまりバランスがいいとも思えないんですが、前半が名曲揃いなんで、3枚のうちいちばん聴きやすいし、やっぱりベストですかね。ジャケットはちょっと冴えませんけど。特に冒頭の3曲の並びは絶品です。
個人的には一番ポップな2曲目の "Pyrite Pedestal" にやられました。イントロがかっこいいアルバム冒頭の "The Nocturnal House" がマタドールのサイトで聴けます。他にも前作からのシングルやビデオが公開されてます。それほど売れているバンドではないようですが、この新作でブレイクして欲しいですね。
Elan Vital はアマゾンではまだリストされていないようですので、マタドールにリンクしておきます。うむ、ヘンなジャケットの Good Health は recommendation にして飾りにしてしまおう^^)
ちなみにバンド名はスミスの曲から取ったとかケルアックの Dharma Bums が出所だとかいわれてるようですが、「美人薄命」ということなのか、それとも「美人は災いの元」という意味なんでしょうか。う~ん、あとのような感じがしますけど。
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Comments
う、だ~れもコメントくれない^^; むちゃくちゃいいんですよ。
Posted by: a nanny mouse | Wednesday, February 08, 2006 22:05
ちょっと聴いてみたけど、なんか懐かし~カンジでした。
バンド名は「かわいこちゃんには気をつけろ」とか、そんなんじゃないですか?(なんとなく)
Posted by: Lilith | Wednesday, February 08, 2006 22:59
いろいろ聴いてみてわかったんですけど、かなり昔風のポップな音が主流みたいなんですよ。どうも音楽っていうのは、数十年程度の範囲で見た場合には、変わっていくというより積み重なっていく感じなんですよね。少しずつ新しい部分が付け加えられながら、その時代に不要な部分がだんだん薄れていくという変化の仕方をしているんじゃないでしょうか。まあ文化とか社会なんてみんなそうなんでしょうけど。
Posted by: a nanny mouse | Thursday, February 09, 2006 22:00
昔を知らない最近の人が聴くと新しいのかも。
ファッションとかも、周期的に昔のが流行するけど微妙に違うので○○年前のは着れませんよね。
しかし本を読む量もハンパじゃないですが、最近の音楽聴くとなったらこれまた集中豪雨のような……。
Posted by: Lilith | Thursday, February 09, 2006 22:36