"A Child Again" by Robert Coover
童話の語り直しといえば、大御所ロバート・クーヴァーを忘れてはいけないんですが、正直忘れてました。知らない間に、短編集が出てたので慌ててチェック。なんと前作("Stepmother")からMcSweeney'sに出版社を移してたんですね。造本も素晴らしそうなので届くのが楽しみ。
傑作短編集"Pricksongs & Descants"(1969)以来、童話や伝説、ポルノグラフィや野球小説といったサブジャンルを題材に、ある時はシュールかつグロテスクに、ある時は実験的手法を駆使して、またある時はひたすらエロティックに語り直してきたクーヴァーですが、その創作力はちっとも衰えてない模様。
青ひげやパイド・パイパーといった古典的童話の再話に加えて、アリスのその後を描いた"Alice in the Time of Jabberwock"、H.G.Wellsのパロディでタイトルもそのままに"Invisible Man"、Peter Paul & Maryの"Puff the Magic Dragon"の世界を描いた"Sir John Paper Returns to Honah-Lee"など全18編。さらに、13枚のカードに書かれたカードを好きな順序に読んでいいという"Heart Suit"なる短篇(というかカード)がついてくるらしいんですが、これなどはクーヴァーが大学で取り組んでいるハイパーテキスト論の見本みたいなもんでしょうかね。
ちなみに1996年に出版された"Briar Rose"が、Web上で公開されてますので興味のある方はお試しを。私としては、もうちょっと猥雑なほうのクーヴァーが好きなんですけど。
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Comments
そういえば、いかにも怪しげで quark さん好みっぽい "Lucky Pierre" は読まれたのでしょうか?(とはいっても、どんなに薦められても私は読みませんけど)
Posted by: Lilith | Thursday, January 12, 2006 at 22:47
たしかに McSweeney's に向いてそうな趣味人向けの作家ですね。ううむ、ピーター・パン、じゃなくてピノキオの再話でしたっけ、積読になってました。
Posted by: a nanny mouse | Monday, January 16, 2006 at 22:01
絶対みなさんに喜んでもらえる作家だと思うんですけどねぇ。
"Pricksongs & Deathcants"はホントにお薦めです。
"Lucky Pierre"は……完璧に忘れてました。読まねば。
Posted by: quark | Tuesday, January 17, 2006 at 22:00
> "Pricksongs & Deathcants"
タイトルだけでみんな引きますって^^;
Posted by: a nanny mouse | Tuesday, January 17, 2006 at 22:25