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Saturday, December 31, 2005

Index of December, 2005

  • 12/01 "The Nutcracker" by Karen Kain, Rajka Kupesic (Illustrator) by Lilith in one to watch
  • 12/01 La Horde du Contrevent, de Alain Damasio by a nanny mouse in one to watch
  • 12/02 Howard Waldrop's 'God's Hooks!' from SciFiction by quark in reading; theme: sci fiction
  • 12/03 Arcade Fire by a nanny mouse in listen, listen
  • 12/03 Giovanni Mirabassi by Lilith in listen, listen
  • 12/03 The Conjuror's Bird, by Martin Davies by a nanny mouse in one to watch
  • 12/04 Ted Chiang on the Distinction between Science Fiction and Fantasy by a nanny mouse in buzz
  • 12/04 "Jimmy Guang's House of Gladmech" by Alexander C. Irvine by Lilith in theme: sci fiction
  • 12/05 "An Audience for Einstein" by Mark Wakely by Lilith in one to watch
  • 12/06 Help Nalo Buy a New Computer by a nanny mouse in buzz
  • 12/06 Midnight Robber, by Nalo Hopkinson by a nanny mouse in review
  • 12/07 "Lobster" by Guillaume Lecasble, Polly McLean (Translator) by Lilith in one to watch
  • 12/08 "The Best of Ray Bradbury, The Graphic Novel" by Lilith in one to watch
  • 12/08 Lobsters! by a nanny mouse in scribble
  • 12/09 Hunger's Brides, by Paul Anderson by a nanny mouse in one to watch
  • 12/10 このミステリがすごい!(2006年版) by quark in news
  • 12/10 "Critique of Criminal Reason"(unpublished)  by Michael Gregorio  by quark in news
  • 12/11 "Wee Christmas Cabin of Carn-na-ween" by Ruth Sawyer, Max Grafe (Illustrator) by Lilith in one to watch
  • 12/11 "Oiche Chiun (Silent Night)" by Enya by Lilith in listen, listen
  • 12/13 Prisoner of Narnia: How C. S. Lewis Escaped by a nanny mouse in see here
  • 12/13 "The Barefoot Book of Fairy Tales" by Malachy Doyle, Nicoletta Ceccoli (Illustrator) by Lilith in one to watch
  • 12/15 Kiddography, by Tom Kidd by a nanny mouse in one to watch
  • 12/15 Everything That Creeps, by by Elizabeth McGrath by a nanny mouse in one to watch
  • 12/16 "20th Century Ghosts (A Collection)" by Joe Hill by Lilith in one to watch
  • 12/17 "Cover Story: The Art of John Picacio" by John Picacio by Lilith in one to watch
  • 12/20 Alligator, by The National by a nanny mouse in listen, listen
  • 12/21 "Mixed Beasts" by Kenyon Cox, Wallace Edwards (Illustrator) by Lilith in one to watch
  • 12/23 Temeraire, by Naomi Novik by a nanny mouse in one to watch
  • 12/24 Christmas Rhapsody, by Pledge Drive by a nanny mouse in listen, listen
  • 12/25 "The Stolen Child" by Keith Donohue by Lilith in one to watch
  • 12/29 "The Last Witchfinder" by James Morrow by Lilith in one to watch
  • 12/30 "Norfolk Coast" by the Stranglers by Lilith in listen, listen
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    Friday, December 30, 2005

    "Norfolk Coast" by the Stranglers

    Norfolk Coast実は、おじさんパンクバンド、ストラングラーズの隠れファンです。で、昨年6年ぶりに出たこのニュー・アルバム、どうしようかずっと迷っていたのですが、期待と不安半々で恐る恐る買ってしまいました。

    おおぉ~、相変わらずいいじゃないですか♪ パンクと言ってもストラングラーズの曲は、主張をがなり立てるだけじゃなく、メロディアスでなんとなくヨーロピアンな雰囲気がいいんですよね。もし(万が一)興味を持たれた方がいらしたら、一番入りやすいアルバムはヒット曲も入ってる "Feline" でしょうか。ちょっとアヤシイもの好きの方には "The Meninblack" なんていいかもしれません。

    なんか懐かしくなって久々に彼らのサイトに行ってみたのですが、なんと Mishima+Hagakure+Karate のベーシスト、ジャン=ジャックが、日本のTVアニメ『巌窟王』(見たことありません)の音楽を担当してたんですね~。あー、びっくり。

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    Thursday, December 29, 2005

    "The Last Witchfinder" by James Morrow

    The Last Witchfinderジェイムズ・モロウの新作が、やっと来年3月に出ますね。

    イギリスでニュートンが『自然哲学の数学的原理(プリンキピア)』を出版したのが1687年。ところがそれよりあとの1692年にイギリス植民地の北米セーレムでは、悪名高き魔女裁判が行われています。そんな迷信と合理的精神の混在する17世紀後半を舞台にした、最後の魔女狩りの物語みたいです。やっぱりモロウらしい皮肉とユーモアの満ちた作品になっているんでしょうね。すごく楽しみ~。

    この作品、なぜかフランス語版は2003年に出版されているのですが、オリジナルは実は Godhead TrilogyTowing JehovahBlameless in AbaddonThe Eternal Footman)を出したハーコートと1998年に一度契約しているんですね。ところが、なにやらトラブルがあって、結局ほかの出版社(William Morrow)から出すことになったようです。それについてはこちらのインタヴューで。Amazon.com にある Publishers Weekly のレヴューには「9年の歳月をかけた」とありますが、そんなこんなで、それだけ経っちゃったんですね。逆にじっくり煮詰めることができてよかったんじゃないでしょうか。

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    Sunday, December 25, 2005

    "The Stolen Child" by Keith Donohue

    The Stolen Childアイルランドの詩人で『ケルト妖精物語』などの著作もあるW・B・イェイツは、チェンジリング(取替え子)の民間伝承をもとに、The Stolen Child という詩を書いていますが、その詩から着想を得たというこの物語の主人公ヘンリーも、7歳のときに妖精にさらわれていってしまうんですね~。

    妖精界に連れ去られたヘンリーは新しい名前を得て7歳のまま永遠の命を約束され、片や「チェンジリング」として置き去られてヘンリーとして生きる少年は、ピアノの演奏に特異な才能を見せるのですが……。ふたりとも次第に自分は何者かという疑問を持ち始めるという、アイデンティティ探しの物語のようです。

    これはキース・ドナヒューのデビュー作なのですが、この作品の版権はオークションですごく高く売れたそうです。本業は国立歴史的出版物・記録委員会(NHPRC)のディレクターで、ニューヨークタイムズ、ワシントンポストなどで、ゴーストライターもしてる人らしいです。

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    Saturday, December 24, 2005

    Christmas Rhapsody, by Pledge Drive

    タイトルで容易に想像がつくようにクィーンのパロディですが、このページの Christmas Rhapsody のところで聞けます。う、まんま、という気もしないでもないですが、歌詞で遊んでますね~^^)

    Santa, been really bad
    Been writing on the wall
    Broke a window with my ball
    Santa, Christmas coming soon
    But now I've gone and thrown my toys away...

    こちらには毎年のセレクションがあるみたいですので、そのうち聞いてみよう。

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    Friday, December 23, 2005

    Temeraire, by Naomi Novik

    Temeraire前評判の高かったナポレオン戦争を背景にしたファンタジイの3部作が発売されたようです。Jonathan Strange & Mr Norrell もそうでしたけど、ナポレオン戦争っていうのは流行りなんでしょうか。

    ただの戦記ものと違うのは、このナポレオン戦争にはなんと空中戦が登場するんですね。戦闘用に飼いならされた竜が馬の代わりとなって空から攻撃をしかけるようです。となるとまたありきたりの「竜が出てくるファンタジイ」なのかというあたりが心配ですが、まともなところで評価されてますので、かなりしっかりした内容のようです。

    捕縛したフランスの艦船には、なんと中国からナポレオンに贈られた竜の卵が積まれていたんですね。貴重な戦利品を守るローレンス船長は、卵が孵る瞬間に立ち会ってしまい、嫌々ながら飛行士への道を踏み出します。ううむ、なんとなくYAものの臭いがしますけど、気のせいかな?

    公式サイトにはなかなかインパクトのある表紙が飾ってありますね。作者ナオミ・ノヴィクのブログは、うーむ、文字ばかりだ^^;

    Black Powder WarThrone of JadeHis Majesty's Dragonハードカバーのイギリス版は第2巻が8月、第3巻はいつになるのか未定のようですけど、アメリカ版はペーパーバックで3、4、5月と続けて出すみたいです。こちらはかなり一般受けを狙っているような表紙ですね。コレクション用にハードカバーを飾っておいて、ペーパーバックで読むというのが正攻法でしょうか^^)

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    Wednesday, December 21, 2005

    "Mixed Beasts" by Kenyon Cox, Wallace Edwards (Illustrator)

    Mixed Beasts"Mixed Beasts" はタイトルどおり、ツギハギ動物の図鑑です。表紙は Bumble Bee ……じゃなくて Bumblebeaver だそうな。ほかにも Rhinocerostrich、Kangarooster など、ヘンテコな動物がいっぱい出てくるみたいです。Alphabeasts

    ウォレス・エドワーズは "Alphabeasts" で、2002年にカナダ総督文学賞を児童書イラスト部門で受賞していますね。こちらは動物を使ったABC本なのですが、ヴィクトリア朝風のお屋敷の中でくつろぐ動物たちはなんともカワイイです。表紙のワニの足とか笑えるし、私はこっちのほうが好きかな。こちらのサイトの下のほうにある4点のイラストは、多分この "Alphabeasts" の挿絵でしょうね。カエルとか、めちゃくちゃよくありません?

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    Tuesday, December 20, 2005

    Alligator, by The National

    AlligatorArcade Fire に続いて憑り付かれたのがこの The National なんですが、Arcade Fire に似た音作りながら渋く聞かせるタイプですね。うーむ、むちゃくちゃかっこいいぞ。ちょっと太目の声が好みが分かれるかもしれませんけど、どうでしょう、デイヴィッド・ボウイに近いでしょうか。バック・ヴォーカルのシャウトもかわいいかも^^)

    こちらのブログでライヴがたっぷり聞けますけど、この切れのいい正確なギターとリズムはほんとにライヴなんでしょうか。フィドルが入って音が柔らかくなってるのが面白いですね。

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    Saturday, December 17, 2005

    "Cover Story: The Art of John Picacio" by John Picacio

    cover_story ひゅ~、表紙もタイトルもカッコイイですね~。

    今年のチェスリー賞ベストカバー部門(ペーパーバック)と、世界幻想文学大賞アーティスト部門で受賞したジョン・ピカシオのイラスト集が、200ページのハードカバーで来年5月に発売されます。アマゾンにはまだ出ていませんが、ファンの私は絶対買います!

    ちなみに表紙のイラストは左から、フレデリック・ポールの "Gateway"、L・E・モデシットJrの "Ghosts of Columbia"、20世紀初頭のパルプマガジンの雰囲気を受け継ぐ年刊のアンソロジー "Adventure vol.1" に使われたものですね。楽しみ~。

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    Friday, December 16, 2005

    "20th Century Ghosts (A Collection)" by Joe Hill

    20th_century_ghosts過去にブラッドベリ賞やA・E・コッパード賞を受賞している新人ホラー作家の初短編集で、出版社のサイトの紹介をちょっと読んだだけでは不幸な少年少女の説明だけでよく分らないのですが、SF Site とか Publishers Weekly のレヴューとか読むとかなりよさそうですね。しかし、これも小出版社発行の限定本なので高い~。

    "Heart-Shaped Box" というタイトルの長篇も、2007年に William Morrow から出るそうです。

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    Thursday, December 15, 2005

    Everything That Creeps, by by Elizabeth McGrath

    Everything That Creepsこれもアマゾンで発見したんですが、グロい人形シアター、妙に惹かれるものがあります。作者のエリザベス・マグラアのサイトにいくと、悪趣味な人形のオンパレードでかなり遊べます。これとかこれ、インパクトありますね。Cockroach Girl

    ゴキ・ガールのバックはクリスマス・プレゼントに欲しいかも。

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    Kiddography, by Tom Kidd

    Kiddography密林を彷徨っててでっくわしたんですが、イラストレータ、トム・キッドの初の作品集だそうです。こちらで最初の20ページほどが見られますが、ここに出てくる絵より、こちらのシリーズが素晴らしいですね。この画集、やっぱり買ってしまおうかな。

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    Tuesday, December 13, 2005

    "The Barefoot Book of Fairy Tales" by Malachy Doyle, Nicoletta Ceccoli (Illustrator)

    The Barefoot Book of Fairy Talesタイトルの「ベアフット」っていうのは児童書専門の出版社の名前で、トレードマークはもちろん裸足の足形!

    で、これなんですが、「眠れる森の美女」「ヘンゼルとグレーテル」「アリババと40人の盗賊」など世界各国から集めた12篇のお伽噺からなる絵本……と言うと「な~んだ」とか言われそうですが、ニコレッタ・チェッコリのイラストがひと味違うんです。The Village of Basketeers

    彼女はイタリア、サンマリノ出身のイラストレータで、イタリアのアンデルセン賞のベストイラストレータ部門で受賞したりしているんですね。

    やはり今年出た "The Village of Basketeers" は、Amazon.com で中身を見られるのですが、色も雰囲気もとってもいいですよ~。私は買っちゃいます。

    彼女の作品はこちらでいくつか見ることができます。

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    Prisoner of Narnia: How C. S. Lewis Escaped

    ナルニアの映画化に伴っての様々な状況は、ニュー・ヨーカーに載ったアダム・ゴプニックのこの論評が、C・S・ルイスの人となりや「ナルニア国物語」の受けとめられ方をうまくまとめていて面白いです。

    The Chronicles of Narniaルイスっていうのは太平洋の西と東で評価に大きな落差があるようですね。アメリカでは宗教界を中心に崇められているのに比べ、イギリスでは独自の宗教観が疎んじられているようです。そういう意味では、原理主義的傾向に流れているアメリカで、ディズニーによって映画化されたというのは、ごく自然なことだったのかもしれません。

    現にディズニーは宗教界にも受け入れられるように企画の段階から教会関係者を取り込み、映画の宣伝のためのバックボーンにしているようです。一方で、宗教的影響力が低下してしているイギリスでは、その宗教界からも批判にさらされ、宗教とは無縁のごく普通のファンタジイとして、かなり冷笑を持って迎えられているようです。とくに『馬と少年』におけるイスラムへの揶揄をどう処理するかが今後の注目の的のようですね。

    でまあルイスその人なんですけど、ルイス・キャロルのような変質者というわけではなかったようですけど、ボーディング・スクールで苛められた影響が後々まで残っていたようで、ホモセクシュアルだったりSMに傾倒したりと、かなり複雑な性格だったようです。無心論者だったルイスが自己流でキリスト教(カトリックのトールキンの影響にもかかわらず英国国教会)に開眼した結果がナルニアに結実したようですね(トールキンはナルニアを嫌っていたとのこと)。ううむ、やっぱり物語というのはアブナイ人が書いたほうが面白くなるんだろうか。

    ただし、ナルニアの熱烈なファンだというキリスト教に改宗した裕福なユダヤ人女性ジョイと出会うことで、晩年のルイスは平安を得たということのようです。

    「ナルニア国物語」は、ここぞというときにしゃしゃり出てくるあの鬱陶しいライオンさえいなければもっと面白かったろうにと思うんですが、う~ん、これってやっぱり異端?

    あ、すみません、この項、ゴプニックの論説からはかなり離れてしまいました。大人の視点からナルニアを捉えなおしてみたい人はニュー・ヨーカーへどうぞ。

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    Sunday, December 11, 2005

    "Oiche Chiun (Silent Night)" by Enya

    oiche_chiun 昔エンヤにはまったので、こんなん持ってます。ゲール語版「きよしこの夜」。今の季節しか聴けませんね。

    エンヤ好きだったのは「シェパードムーン」あたりまでかな? ニューアルバムでたみたいですけど、どうなんでしょ?

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    "Wee Christmas Cabin of Carn-na-ween" by Ruth Sawyer, Max Grafe (Illustrator)

    Wee Christmas Cabin of Carn-na-weenアメリカやヨーロッパ各地で民話を集めて再話し、いくつもの児童文学賞を受賞しているルース・ソーヤー。1941年に出版された彼女のクリスマス・ストーリーが、マックス・グレイフの絵で蘇りました。

    100年以上も前のアイルランドで、子沢山のため置き去りにされた旅回りの鋳掛け屋の娘ウーナ。そんな境遇から、家も家族も持たずに人々に尽くしてきたのですが、年老いたあるとき飢饉が襲い、余裕のない村人たちから彼女は締め出されてしまいます。寒さの中で行き場を失ってしまったウーナ。クリスマスに奇跡は起こらないのでしょうか。

    チロル民話の再話 "The Remarkable Christmas of the Cobbler's Sons" は『とってもふしぎなクリスマス』として翻訳が出ています。

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    Saturday, December 10, 2005

    "Critique of Criminal Reason"(unpublished) by Michael Gregorio

    角川書店が『このミス2006年版』で来年の隠し玉として紹介しているのがマイケル・グレゴリの『純粋理性批判殺人事件Ⅰ・Ⅱ』(仮題)なんですが、この本に関する情報がネットを探しても殆ど見つからないんです。だもんで、ここはひとつ全文引用という掟破りの紹介といきましょう。

    『舞台は十九世紀初頭の東プロシアはケーニヒスベルク。不可解な連続殺人。事件にまつわる思わせぶりな噂。鍵を握るのはアルビノの助産婦。そしてこの謎に挑むのが、哲学者カントとくれば“この手”のミステリー好きは素通りできないはず。事件解決になぜ駆け出しの刑事が指名されたのか理由も判然としない。物語はこの二つの謎をめぐり展開する。冒頭から読み手を引きつけ、冗長な表現をいっさい排した鋭い筆致で、ぐいぐいとこの時代へと引っ張っていく。器具に頼らない当時の検屍の様子やオイラーの一筆書きの問題で有名な七つの橋など、さりげなく挿入されるエピソードもふんだんで興味はつきない。ブックフェアでエージェントたちの度肝を抜いた話題の新人のデビュー作。誰よりも、担当編集者が読むのを待ちきれない。』(『2006年版このミステリがすごい!』(宝島社)P165)

    むむむ、これは確かに素通りできませんね。

    theBookseller.comの情報によると、本書はナポレオン時代を舞台にしたシリーズ物の第一作にあたるそうです。哲学者カントの弟子である刑事ハンノが、師の哲学を応用して謎の事件を解決するという趣向だとか。版元のFaber社が6カ国に翻訳権を売ったとか景気のいい話はあるんですが、肝心の本はいつ出るんでしょう。

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    このミステリがすごい!(2006年版)

    お約束なんで、『このミステリーがすごい!2006年版』の海外編ベストテンの結果をご報告します―――

    1位『クライム・マシン』 ジャック・リッチー著
    2位『暗く聖なる夜(上下)』 マイクル・コナリー著
    3位『無頼の掟』 ジェイムズ・カルロス・ブレイク著
    4位『輝く断片』 シオドア・スタージョン著
    5位『獣たちの庭園』 ジェフリー・ディーヴァー著
    6位『百番目の男』 ジャック・カーリイ著
      『カリフォルニア・ガール』 T・ジェファーソン・パーカー著
    8位『ストップ・プレス』 マイクル・イネス著
    9位『ジーヴズの事件簿』 P・G・ウッドハウス著
    10位『最後の一壜』 スタンリイ・エリン著

    ミステリー冬の時代の現われなのか、短篇小説復権ブームのせいなのか、これが年間ベストとは思えないような奇妙な顔ぶれになってますね。このブログとは本当に何の関係もなさそう。まあ、スタージョンくらいですか。

    ということで、ミステリ版元の「我が社の隠し玉」から、みなさんに興味のありそうなところをピックアップしてご紹介。これでもう買わなくて済みますよ(笑)。

    ☆二見書房よりアルトゥーロ・P・レベルテ『南の女王(仮題)』(田口俊樹訳)が出版されます。スペイン沿岸の地中海を舞台に伝説の女麻薬王を描いた作品だとか。

    ☆国書刊行会からは、<未来の文学>シリーズ第Ⅱ期でジーン・ウルフの短編集『デス博士の島その他の物語』などが翻訳されるほか、<短篇小説の快楽>という新シリーズも始まる模様。ビオイ=カサーレス、カルヴィーノ、クノー、トレヴァー、エムシュウィラーなどの名が挙がっています。

    ☆東京創元社からは、いよいよイアイン・ピアーズの"An Instance of the Fingerpost"が登場。「百年前の未配達の手紙が秘める米国史の闇」としか紹介がない"Nature of Midnight"がなんだか面白そうです。

    ☆角川書店の『純粋理性批判殺人事件Ⅰ・Ⅱ』は、本当に面白そうなので別項たてます。

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    Friday, December 09, 2005

    Hunger's Brides, by Paul Anderson

    Hunger's Brides英語で書かれた一冊本の小説で、いちばん長いのはヴィクラム・セトの A Suitable Boy だとどこかで読んだ記憶があるんですが、ひょっとしたらこの本、その記録を塗り変えたのかもしれませんね。A Suitable Boy のほうは、最初に出たインド版とイギリス版が 1,349ページだったようですが、この本はなんと 1,376ページあるようです。

    まあ、合本によりこれより長くなった本というのはあるんじゃないかと思いますし、何冊かにわたる小説というのもありますが、なんにせよ、『指輪物語』の合本のハードカバーが 1,200ページないんですから、その長さは想像つくと思います。

    SF作家のポール・アンダースンと同姓同名ですが、こちらは新人作家の12年がかりで書いたデビュー作とのこと。300年前のメキシコの女性詩人の受難の物語を核に、メキシコの歴史を語ったもののようですが、かなり面白そうではあるんですけど、けっこう退屈そうでもあります。さすがにこの長さではちょっと手は出せそうにありませんね。読まなくても話の種に買おうかなとも思ったんですが、どう考えても邪魔になりそうなんでやっぱりパスします。

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    Thursday, December 08, 2005

    Lobsters!

    The Secret Life of LobstersConsider the Lobster

    ロブスターといえば、なんだかよくわからないけどこのロブスターの秘密の生活が以前から気になってるんですよね。ハサミに呼ばれてるんだろうか。

    こちらのデイヴィッド・フォスター・ウォレスのエッセイ集もなにやら面白そうなんですけど。ロブスターが痛みを感じるかどうかの考察が入っているそうです。ウォレスですから、脚注マニアも満腹すること間違いなしの、懇切丁寧余計なお世話な注釈が満載のようです。

    AccelerandoSF界でロブスターといえば、宇宙に進出したロブスターのエピソードで始まるチャールズ・ストロスの Accelerando ですね。後半に行くにしたがってあんまり面白くなくなるんですけど(というか、濃すぎ)、来年のヒューゴー賞を受賞すべき作品ではあります。アマゾンでもダウンロードできますけど、よいこはオフィシャル・サイトへ。

    あれ、ロブスター特集は quark さんの一言で終わっちゃったんですか? 残念。オマールエビと伊勢えびとロブスターの違いについて聞きたかったのに。

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    "The Best of Ray Bradbury, The Graphic Novel"

    The Best of Ray Bradbury最近小説のグラフィック・ノヴェル化が流行っていますが、これは各アーティストが過去にそれぞれ発表したレイ・ブラッドベリ原作のグラフィック・ノヴェルを1冊にまとめたものだそうです。収録作品とアーティスト名は次の通りです。

    "A Sound of Thunder" by Richard Corben
    "The City" by Mike Mignola
    "Night Meeting" by Daniel Torres
    "Come Into My Cellar" by Dave Gibbons
    "It Burns Me Up" by Harvey Kurzman and Matt Wagner
    "Picaso Summer" by John Van Fleet
    Michael Lark, Dave McKean, Moebius, Kent Williams, P. Craig Russell

    おおお、デイヴ・マッキーンがいるじゃないですか♪ これはちょっと気になります。

    日本代表として、萩尾望都の『ウは宇宙船のウ』からもひとつぐらい英語化して載せて欲しかったですね。

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    Wednesday, December 07, 2005

    "Lobster" by Guillaume Lecasble, Polly McLean (Translator)

    lobsterヘンな本をいっぱい出している出版社 Dedalus の Euro Shorts シリーズの1冊。

    あの豪華客船タイタニック号で、主人公のロブスターはなんと自分の父(ロブスターです)をむしゃむしゃ食べてしまった人間のアンジェリーナに恋をしてしまったそうです。

    当の主人公のロブスターは、煮えたぎる鍋に入れられた直後タイタニックが氷山に衝突してしまったので、その衝撃で鍋が床に落ちて無事命は取り留めたとか。でも殻がもう赤く茹で上がってますね。

    と、いろいろ暗喩に富んだ、とってもフレンチで、シュールでアヤシイお話ということで、quark さんあたりお味見どうでしょう?

    Guardian のレヴューはこちら

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    Tuesday, December 06, 2005

    Midnight Robber, by Nalo Hopkinson

    ナロ・ホプキンスンの超オススメの作品を紹介しておきます。

    Midnight Robberヴードゥーと臓器売買という奇妙な取り合わせをモチーフに、近未来のトロントのスラムに中米のマジック・リアリズムの世界を出現させた快作 Brown Girl in the Ring で一躍注目を浴び、見事その年のキャンベル新人賞とローカス第一長篇賞を射止めたナロ・ホプキンスンが、ジャマイカ出身という背景を十二分に生かし、またまたカリブの熱気が濃厚な元気のいい第二作を書いてくれた。

    カリブの民が植民した惑星トゥサンでは、AIによるネットワークが世界の隅々まで行き渡り、人々はほぼユートピアに近い生活を享受していた。だが、天国のようなのんびりした世界も、犯罪とは無縁ではなかった。妻の浮気現場を目撃したコックピット郡の郡長アントニオは、不穏分子から入手した痺れ薬を手に、妻の浮気相手に決闘を挑むが、不運にも相手はショック死してしまう。幼子タン・タンは、不穏分子から手渡された合鍵を手に、監禁された父のもとを訪れるが、アントニオは、もはや行く先は一つしかないことを理解していた。親娘は、重罪人が送り込まれる一方通行の意次元、「新しい中途の木」へと逃走する。

    森林に覆われた「新しい中途の木」には、伝説の世界が息づいていた。到着したばかりの新入りを迎えたのは、鳥から進化したと思われる珍妙な原住民チチバッド。要領を得ない受け答えの割には、悪い人間ではないようだ。二人は奇妙な植生の中を、大木のような脚をした巨大な鳥に襲われて命からがらとなりながら、先住者の入植地へといざなわれる。ここに送り込まれた犯罪者たちは、あちこちに集落を作りながら、米開拓時代のような質素な暮らしをしていた。

    村の生活にも溶け込み、友達も得て、すくすくと成長したタン・タンだが、新しく妻を迎え幸福なはずの父親の様子がどうもおかしい。男友達と親しくするタン・タンを見る父親の目の光が異様なのだ。やがて訪れた悲劇から、森へと逃れたタン・タンを暖かく迎えてくれたのは、チチバッドと、彼のペットであるダチョウのような大型の鳥だった。森での生活を通じて、巨木を中心としたチチバッドたちの奇妙な社会にも慣れていったタン・タンだが、彼女のロビン・フッドのような振る舞いが、次第にチチバッドたちに危機を呼び寄せていることに気づき、再び人間社会に戻ることを決意する。

    タン・タンの脳裏には、幼い頃にカーニヴァルで扮した、「真夜中の盗賊」の姿が焼きついていた。道行く人を呼び止めて、啖呵とともに自分の身の上を吐き出して見得を切る、伝統の出し物の姿が。

    実はこの作品は、最初から最後までクリオール訛りの英語で書かれている。通常、方言混じりの文章や特殊な文体は、ラッセル・ホーバンの Riddley Walker やイアン・M・バンクスの『フィアサム・エンジン』の(原文の)ように、読みにくさばかりが目立ち、決してプラスには働かないのだが、この作品に限っていえば、この文体こそが最大の魅力といえよう。歯切れのよいリズミカルな文章と、ところどころに挟まれる民話風のエピソード、自然に取り入れられたカリブの風物と、前向きな主人公の造型が、少女の成長に伴う暗いテーマを、生き生きとしたパワフルな物語に昇華している。軽く触れられているだけに過ぎないが、AIが背景に溶け込んだ未来社会と、鳥から進化した人類を中心とした異世界の描写の対比も、SF/ファンタジイというジャンルを超えて、作者の腕の冴えを見せている。天性の語り部の誕生である。(2001/8/6)

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    Help Nalo Buy a New Computer

    Brown Girl in the Ringナロ・ホプキンスンのコンピュータが壊れちゃったそうで、資金集めに本のセールをやってます。カリブ育ちのカナダ人作家なんですが、SFとファンタジイにカリブの民話・伝説を柔軟にミックスしたパワフルなノリはもう絶品。最近は非白人系の作家の作品を集めたアンソロジイを編集して頑張ってます。

    姉御肌のやさしい人で、彼女の短編が翻訳された雑誌を送ってあげたら、お礼にと何冊か本を送ってくれました。早く新作が読みたいので、みんなで彼女から本を買って援助しましょう。200ドル(カナダドル)分買うと、彼女の作品に登場していぢめてもらえるそうです^^)

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    Monday, December 05, 2005

    "An Audience for Einstein" by Mark Wakely

    an audience for einsteinYA本ですが、なかなか評判よさそうです。

    身体が衰弱し死期迫る天体物理学者パーシヴァル・マーロウ。生涯をかけた研究を極めるには少し時間が足りなそうです。そんなとき、人から人への記憶の移植法が発見され、彼はその手術を受けることに。

    マーロウの記憶が移植されるのは、ホームレスの少年ミゲル。富と知性と名声を得られるという甘い言葉で誘われ、少年はあまり深く考えずOKしてしまいます。ところが術後、ひとつの身体をめぐる両者の争いになってしまうんですね。

    というわけで、アイデンティティ、そして人の優劣など、道徳的・倫理的問題が問われる物語のようです。

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    Sunday, December 04, 2005

    "Jimmy Guang's House of Gladmech" by Alexander C. Irvine

    scifiction

     昔から紛争の絶えない中央アジア。ソビエト帝国南部に位置する未来のキルギスは、非アラブ系イスラム国家が緩やかに纏まったイスラム連邦(IF)に属し、アラブ諸国から資金援助を受けていた。そのため中央アジアの覇権を狙うソビエト、IF、そして西進を窺う中国の小競り合いの場となっていた。

     二〇八三年、そんな紛争地域に商人ジミー・クワン・ハミッドがやって来る。中華系ペルシャ人のジミーは、イスラム教徒であっても宗教的なこだわりのない平和的な自由人で、彼は敵対する陣営の間に入って日用雑貨や嗜好品の売買を行っていた。ところが、中古のロボット六体を買い付け、商人仲間の思いつきで〈剣闘士ロボット〉として闘わせる興行を始めたこと、そして恋をしたことから立場が一変する。

     敵味方でも、観客として闘技場で顔見知りになれば、殺し合いなんてできないはずだ――正義感だけは強い、おっとり型の三枚目ジミーは、剣闘士ロボットが和平に貢献することを思い描く。しかしその夢が潰えたとき、平和で豊かな生活に慣れた余所者の考えがいかに甘いか思い知らされる。

     私的な揉め事さえ争いに油を注ぎ、本人は中立のつもりでも、そこに存在するだけでいつの間にか戦争に加担している恐ろしさ。当事者以外の思惑が絡み、個人の力では何ともしがたい地域紛争の難しさ。それらが軽妙ながら時にシニカルな語りの中から伝わり、主義も主張もない戦いのやるせない現実を突きつけられる。

    この作品は、限定版の短編集 "Unintended Consequences" に収められています。

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    Ted Chiang on the Distinction between Science Fiction and Fantasy

    サラ・モネットのポストを受けて、SFとファンタジイの違いを科学と魔法という視点から見ようとするテッド・チャンのこのポストが話題になっているようです。

    「魔法=主観的=個人の能力・努力により結果が異なる=職人芸=神の支配する世界」が、産業革命をはさんで「科学=客観的=機械による再現性=大量生産=非個性的な世界」へと移行し、個人の意思が意味を持っていた時代を希求するファンタジイと、変わり行く世界と個人の意思をどう折り合いつけるかを探るSFが生まれたというのがその主旨のようですが、う~ん、まあ、ありきたり。チャンならもっと凄いことをいうかと思いましたが。

    どっちでもいいアーギュメントのわりには、けっこう皆さんの気に障ったようで、どちらかというとファンタジイよりの陣営で反応が出ているようです。問題点は、チャンの念頭にあるファンタジイが中世ふうのエピックものらしいところと、SFにおける科学は煎じ詰めればフィクションじゃないかというあたりでしょうか。表面的には中立を守っているように見せながらも、実質的にはSFの意義しか語っていないことで、結果としてファンタジイ批判と捉えられたようです。

    反応してるのはジェフリイ・フォードジェフ・ヴァンダーミアニック・ママタスエマ・ブルウィル・シャタリイジョン・スカルジエリザベス・ベアハル・ダンカンデイヴィッド・モウルズジェイ・トミオといったあたり。ざっと見たところでは、分ける意味があるのか、単にチャンの認識を披露しただけ、まったくの的外れというのが大半のようですね。

    そもそもなんで分けることにこだわるんでしょう。ヴァンダーミアに対するチャンのこの返答を見てもよくわかりません。たしかに無自覚にミックスされちゃうと目も当てられませんが、両方の側面をうまく使った作品は、作者がどう片を付けてくれるかという緊張感がたまらないんですよね。チャン自身がかなりそれをやってるのに。まあ中間地帯の作品の場合、SFに引っ張ってくれたほうが一般的に面白いとは思いますが、それもやはり作者の見せ方によるものでしょう。むりに細分化する意味はないのでは?

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    Saturday, December 03, 2005

    The Conjuror's Bird, by Martin Davies

    The Conjuror's Bird博物学にまつまるミステリのようです。現代の博物学者が、別れた妻の頼みで、行方不明になった世界でただひとつしかない「ウリエタの鳥」の剥製を探すうちに、ダーウィンからその鳥を手に入れたという18世紀の博物学者のドラマと、現代における陰謀が解きほぐされていく構成とのこと。謎の鳥を追って……いやまあまさかそういう見えすいた結末ではないでしょうけど、単なる骨董ミステリじゃなくて鳥の剥製というところが気になりますね。

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    Giovanni Mirabassi

    prima_o_poi うにゃ~、昔はロックやらパンクやらの人だったのですが、落ち着いた曲に惹かれてしまう今日この頃……。年のせいでしょうか? というわけで、私のオススメはこれ!

    イタリア出身のジャズ・ピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシのニュー・アルバム "Prima O Poi" が、ヨーロッパ系ジャズを専門とする澤野工房から発売されたので、早速買ってしまいました。今回はソロではなくトリオ+なんですが、う~ん、相変わらずいいですね~。心の琴線に触れる美しいメロディが魅力です。なぜか『ハウルの動く城』のテーマも入ってますが、これを含む2曲以外は全て彼自身の作曲で、最後に4分ほどのビデオ・クリップも入ってます。

    実は私、ジャズは全然知らなくて、聞けば好きな曲はあるけど、入り口が分らない状態なんですが、ミラバッシは数年前、ウェブ上を彷徨っているときに、偶然1曲だけ音声ファイルを見つけて、それがいたく気に入って衝動買いしてしまったんです。その曲が入ってるアルバムが "Avanti!"。訳せば「前進!」って感じでしょうか。こちらは切なく美しい哀愁の漂うメロディ満載のピアノ・ソロ・アルバムなんですが、ブックレットを見ると分るように、チリのピノチェット政権への抵抗の歌『不屈の民(El Pueblo Unido)』や、チェ・ゲバラのコンゴ旅立ちのavanti際に書かれた『アスタ・シエンプレ(Hasta Siempre)』、パリ・コミューンのシンボルで宮崎アニメの『紅の豚』でも歌われた『さくらんぼの実る頃(Le Temps des Cerises)』、イタリア・パルティザンの『さらば恋人よ(Bella Chiao)』 など、どれも民衆の間で歌い継がれてきたプロテスト・ソングばかりなんですね。一番新しいのはジョン・レノンの『イマジン』かな。無心に聴いても感動なんですが、曲の背景を知ってから聴くと、また全然違う曲に聞えてきます。これは超オススメ! 

    "Avanti!" はアマゾンのマーケット・プレイスでも出ているのですが、とんでもない値段なので、ミラバッシの曲は全て制作/輸入販売元の澤野工房で買いましょう。1枚から送料無料、すぐに発送してくれます。曲を全部試聴できるのがうれしいですね。

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    Arcade Fire

    The Arcade Fire最近音楽にはうといので、なにをいまさらなのかもしれませんが、この Arcade Fire っていうグループむちゃくちゃいいですね。

    じつはグリムウッドがなぜか本と一緒にミニ・アルバムを送ってくれたんですけど、これには本当に感謝。曲の並びが絶妙でじわじわと燃えていくんですが、なんとなく聞き始めて最後には大感動っていうやつ。聞き終わるまでにファンになってました^^)

    Funeral音の全体的な印象は、80年代初頭のニュー・ウェーヴがポップになったころのストレートな乗りのよさですね。そこそこに荒削りで、洗練される前の U2 みたいな感じでしょうか。Roxy Music ふうのはずしも利いてます。Talking Heads の粋と Tom Tom Club のヘタウマも入ってるような(いやまあ、いななくギターと時々入る女性ヴォーカルのせいかもしれませんけど)。あ、いや、形容が古いですか。ともかくシンプルにかっこいいです。Funeral っていうフル・アルバムも出てるのでさっそく注文しました。

    このプロモーション・サイトではヘンなアニメやライヴのビデオ・クリップが見られますので是非ともチェックしましょう。

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    Friday, December 02, 2005

    Howard Waldrop's 'God's Hooks!' from SciFiction

    物語は一軒の旅籠から――

    客でごったがえす店内には、なぜか焦げ臭い匂いが充満している。
    1666年ロンドン。なんとか大火を免れたこの店に、四人の男たちが集まっている。
    長老格のアイザックという男を中心に近況をこまごまと語り合っていると、近郊のベッドフォードで化け物魚が見つかったという噂が飛び込んでくる。とたんに男たちの目が輝きだす。そう、彼らは釣り仲間なのだ。

    このアイザックという男の苗字がウォルトンということがわかってくる頃から、ようやく話の骨格が見えてくる。『釣魚大全』で知られる実在の文筆家アイザック・ウォルトンの釣り旅行を描いた短篇らしいのだ。
    気の合う仲間たちとの馬車の旅はのんびりと楽しい。会話を中心にゆっくりと進む物語は、しかしそのままで終わるはずもなく、ベッドフォードの町で彼らは奇妙な伝道師に出会う。男の名はジョン・バンヤン。『天路歴程』の作者である。
    問題の化け物魚のいる沼を「落胆の沼」と呼び、巨大な魚を「リヴァイアサン」と呼ぶ伝道師は、これが神の怒りの印であり、大いなる裁きの前兆だという。なんとか釣りをやめさせようとするバンヤンを尻目に沼の主に立ち向かうウォルトンは、しかし普通の人間ではなかったのだ……。

    ってな感じに展開する短篇。結末は読んでのお楽しみですが、このわけのわからなさっぷりは凄い!今はただホーソン的とだけ申しておきましょう。異形の名作ですね。

    ちなみに本編は、SciFictioinにて無料で読むことができます。こちら

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    Thursday, December 01, 2005

    La Horde du Contrevent, de Alain Damasio

    La Horde du Contrevent日本語にすれば『逆風の民』でしょうか。今年の grand prix de l'imaginaire (幻想文学大賞でしょうか)受賞作ということで、なにやら怪しそうなので注文してみたんですが、強風の吹き荒れる砂漠のような世界を舞台にしたクエストもののようです。(ちなみに翻訳部門の受賞作はクリストファー・プリーストの The Separation でした)。

    フランス語で本格的な小説が読めるほどのレベルではないので、とうぜん積読になりますが、おまけについてたCDで雰囲気だけ味わってみました。力の抜けた一時代まえのプログレの感じですね、これは。おどろおどろしいというよりは、民族音楽ふうの効果音も入れてなかなかに牧歌的です。

    本を開いてちょっとびっくりしたのは、ページが 521 から逆に振ってあること。日本語の本と間違えて逆から開いたわけではありませぬ。お、最後は 0 になってる。ううむ、カウントダウンしていく本なんて見たのは初めてかも。いやまあ、あと何ページあるのか数えなくてもわかるのは便利ですけど、どうせ読まないんですよね^^;

    オフィシャル・サイトにはなんだかよくわからない地図や図解があります。なにやら「風の谷のナウシカ」みたいな様子ですね

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    "The Nutcracker" by Karen Kain, Rajka Kupesic (Illustrator)

    heart_of_whitenesse今日から12月ですが、クリスマスの風物詩と言ったら、やっぱりバレエの「くるみ割り人形」ですね。

    この絵本 "The Nutcracker" は、ナショナル・バレエ・オブ・カナダの振り付け師であり、芸術監督でもあるジェイムズ・クデルカのプロダクション「くるみ割り人形」がもとになっている物語。人気バレリーナのカレン・ケインの書いた優美なテキストページと、画家のライカ・クペジックのフルページのイラストが交互に出てくるそうです。

    表紙のカンジはけっこう好みなのですが、中をちょっと覗いてみたい気がしますね~

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