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Wednesday, November 30, 2005

Index of November, 2005

  • 11/01 The Stone Ship, by Peter Raftos by a nanny mouse in one to watch
  • 11/01 One Hundred Great Books in Haiku, by David Bader by a nanny mouse in scribble
  • 11/01 The Book of Imaginary Beings, by Jorge Luis Borges, illustrated by Peter Sis by a nanny mouse in one to watch
  • 11/01 "The Ninth Life of Louis Drax" by Liz Jensen by Lilith in one to watch; theme: sick lit
  • 11/02 Mathematical Fiction by quark in see here
  • 11/03 The House of Paper, Carlos Maria Dominguez, illustrated by Peter Sis by a nanny mouse in one to watch
  • 11/03 "The Mysteries" by Lisa Tuttle by Lilith in reading
  • 11/04 "PopCo" by Scarlett Thomas by quark in one to watch
  • 11/05 2005 International Horror Guild Awards by a nanny mouse in news
  • 11/06 "The Rainbow Opera" by Elizabeth Knox by Lilith in one to watch
  • 11/07 2005 World Fantasy Awards Winners by a nanny mouse in news
  • 11/08 幻想標本博物館 by quark in one to watch
  • 11/08 "The House of Tekelden" by Denys Dawnay by Lilith in one to watch
  • 11/09 Nickolai of the North, by Lucy Daniel Raby by a nanny mouse in one to watch
  • 11/09 "The Prestige" to be made into a Film by Lilith in buzz
  • 11/10 Best Books of 2005 at amazon.com by a nanny mouse in misc
  • 11/11 A (Hopefully) Growing Guide to Sick Lit by a nanny mouse in footnote; theme: sick lit
  • 11/11 "Westermead: A Collection of Tales" by Scott Thomas by Lilith in one to watch
  • 11/12 "Wretched drivel of the sort that gives fantasy a bad name" by a nanny mouse in buzz
  • 11/13 R.I.P. Sci Fiction by a nanny mouse in news; theme: sci fiction
  • 11/13 "Chip Crockett's Christmas Carol" by Elizabeth Hand by Lilith in reading; theme: sci fiction
  • 11/13 "Paper" by Bahiyyih Nakhjavani by Lilith in one to watch
  • 11/15 "The Wizard, The Ugly, And The Book Of Shame" by Pablo Bernasconi by Lilith in one to watch
  • 11/16 The Chronicles of Blarnia, by Michael Gerber by a nanny mouse in buzz
  • 11/17 "The Illuminator" by Brenda Rickman Vantrease by Lilith in one to watch
  • 11/17 The House of Paper, Carlos Maria Dominguez, illustrated by Peter Sis by a nanny mouse in reading
  • 11/18 Just want to put them side by side and see...(2) by Lilith in scribble
  • 11/19 The Stupidest Angel : A Heartwarming Tale of Christmas Terror, Version 2.0, by Christopher Moore by a nanny mouse in one to watch
  • 11/19 Adventure, Vol. 1, edited by Chris Roberson by a nanny mouse in one to watch
  • 11/20 Salt, by Adam Roberts by a nanny mouse in review
  • 11/20 Celebrate Christmas with Illustrations of Lisbeth Zwerger! by Lilith in one to watch
  • 11/21 Kafka's Soup: A Complete History of World Literature in 14 Recipes, by Mark Crick by a nanny mouse in one to watch
  • 11/21 "Three Days to Never" by Tim Powers by Lilith in one to watch
  • 11/22 Black Hole, by Charles Burns by a nanny mouse in one to watch; theme: sick lit
  • 11/23 "Bright Morning", by Jeffrey Ford by a nanny mouse in reading
  • 11/23 "Arthur Spiderwick's Field Guide to the Fantastical World Around You" by Holly Black, Tony DiTerlizzi by Lilith in one to watch
  • 11/23 The Silly Side of Sherlock Holmes, by Philip Ardagh by a nanny mouse in one to watch
  • 11/24 Lambiek Comiclopedia by Lilith in see here
  • 11/24 Martin's A Feast for Crows #1 on Bestseller Lists by a nanny mouse in buzz
  • 11/25 "The Plot to Save Socrates" by Paul Levinson by Lilith in one to watch
  • 11/26 9Tail Fox, by Jon Courtenay Grimwood by a nanny mouse in one to watch
  • 11/26 Arabesk Trilogy, by Jon Courtenay Grimwood by a nanny mouse in review
  • 11/27 "The Cosmology of the Wider World" by Jeffrey Ford by Lilith in reading
  • 11/27 The Mirror of Fire and Dreaming, by Chitra Banerjee Divakaruni by a nanny mouse in one to watch
  • 11/30 "Heart Of Whitenesse" by Howard Waldrop by Lilith in one to watch
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    "Heart Of Whitenesse" by Howard Waldrop

    heart_of_whitenesse ハワード・ウォルドロップは、世界幻想文学大賞などの賞を取ってるわりには、翻訳とかほとんど出てませんよね。どうなんでしょうか。

    この短編集、マーロウが出てくる話とか、ヘンそうな話がいっぱい入ってそうでおもしろそう……と思ったら高い! サイン入り限定本か~。これじゃ試し買いはできないですね。残念。

    ちなみに 1981年世界幻想文学大賞を短篇部門で受賞した "The Ugly Chicken" は SCI FICTION で公開されています。また、その翻訳『みっともないニワトリ』は、ハヤカワ文庫「80年代SF傑作選〈上〉」に収録されています。

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    Sunday, November 27, 2005

    The Mirror of Fire and Dreaming, by Chitra Banerjee Divakaruni

    The Mirror of Fire and Dreamingインドを舞台にしたファンタジイだそうです。第1作の The Conch Bearer の時から、カバーが好みなので積読してるんですけど、今回のカバーもなかなかですね。

    The Conch Bearer第1巻は魔法の力を持った法螺貝を、山の高みに棲む修験者……じゃない、修行僧に届ける少年と少女の物語ということでしたが、今回は主人公の少年が法螺貝の力で移動するときに、昔のインドのとある王国に飛ばされて、わる~い独裁者と戦う話だとか。舞台が舞台なので、ありきたりのファンタジイとは肌合いの違う物語が楽しめそうな気がします。

    作者のディヴァカルニーは、アメリカにおけるインド人社会を、幻想味をまじえた女性の視点で描いた作品で知られた人のようですので、その点でもちょっと期待。

    しかしでも、1巻目はどこに埋もれているのでしょう。また買うしかないかな~。けど、こちらのペーパーバックの表紙はちょっと耐えられそうにないです^^;

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    "The Cosmology of the Wider World" by Jeffrey Ford

    the_cosmology_of_the_wider_world 最初、このギャグマンガみたいな表紙を見たときは、今までのフォードの作品の雰囲気からすると全然合わない気がして「げー、なんでまたこんな……」と思ったのですが、読み始めてみるとこれがなんとぴったりなんですよね。涙やら涎やら汗やらを、原稿と一緒にまき散らしてジタバタしているミノタウロス。見るからにぶざまで滑稽で笑っちゃいますが、実は本人はマジメに悩んでいるんです。そもそも外見と内面のギャップこそが彼の抱える問題なので、姿だけで彼を判断してしまった人は、反省してこの本を読んだほうがいいかもしれませんね。

    異種間交合の産物であるギリシャ神話のミノタウロスと違って、主人公ベリウスの場合、花を摘んでいるとき牛に追いかけられた母親の恐怖が、胎児形成の際に多大な影響を及ぼしたためこんな姿になってしまったということで、遺伝学的には人間(のはず)。本当なら彼は人間として普通の人生を歩めるはずだったんです。初めて手にした本がダンテ『神曲』の「地獄編」で、それを辞書を引きながらも完読してしまうほどの知能を持っているにも係わらず、容貌の違いだけで奇異な目で見られたり、偏見を持たれたりするのはさぞかしつらいことだと思います。ただ違いがあることは厳然たる事実で、人によって避けたり、憐憫を持ったり、ありのままを受け入れたり……。そんな周囲の反応が複雑に絡み合って、ベリウスに悲劇をもたらす結果となります。

    醜い姿が起因となった偶発的な出来事によって、結局どうにも行き場が無くなったベリウスは、人間の住む「狭い世界」を飛び出して、動物たちが仲良く暮らす「広い世界」に居を定めます。実は物語はここから始まるのですが、仲間の動物たちに囲まれていても、彼には何かが足りないんですね。そしてフラストレーションが溜まった彼の嘆き悲しむ声が、森中にとどろき渡ります。これがスゴイんですが、それを聞いた動物たちの反応がまた泣かせるんですよね~。いかに彼が愛されているかが、ひしひしと伝わってきます。そして、人間でもなく、牛でもない中途半端な存在の彼に欠けているのは、同じミノタウロスのお相手だと考えた仲間の動物たちは、知恵を絞って彼にメスのミノタウロスを贈ろうと考えつきます。

    動物たちが無謀にも、しかし熱意を込めて、生命を持つメスのミノタウロスを作り出そうとする過程に、人間界にいたときのベリウスの記憶が断片的に挟み込まれて行くのですが、彼の過去を徐々に知って読者の気持ちが一番高まったところで、最後の場面に突入するので、そのインパクトは絶大です。構成のうまさで、効果を最大限に引きだすことに成功しています。

    これは、動物たちが知恵を出し合って仲間を救おうとする友情の物語であり、また人間でも牛でもないベリウスの帰属の物語で、寓話的なところを含め、どことなくイソップ物語を思わせたりもするのですが、子供だましのお伽噺にならなかったのは、作者がベリウスに変な憐れみをかけず、あくまでも中立的な視点で書いているからだと思います。そして現実的な結末には、とても納得させられます。人によっては多分、あの最後に不満があるかもしれませんが、私はあれで満足でした。

    こんな表紙(失礼)ではありますが、フォードの紡ぎ出す物語は相変わらず繊細で美しく、ひとつひとつの言葉の選択や表現にも細やかな配慮が窺え、豊かな、そして幾分啓蒙的で哲学的な内容を持つ、かわいいトラジコメディに仕上がっています。巻頭には、息子デレクへの簡単なメッセージが添えられているのですが、確かにこれは父から息子への愛情溢れるとてもいい贈り物といえますね。大人にも高学年の子供にも受け入れられる、慈しみを持って語られる現代的な寓話でしょうか。

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    Saturday, November 26, 2005

    Arabesk Trilogy, by Jon Courtenay Grimwood

    SFノワール/ポスト・サイバーパンクの第一人者のひとりとして、イギリスでは評価の高いグリムウッドですが、代表作のエジプトを舞台にした《アラベスク》3部作が、アメリカでも登場しましたので、今回はアメリカ版のカバーで紹介しましょう。

    Pashazade Effendi Felaheen


    イスラム社会を舞台にしたSFといえば、真っ先に思い浮かぶのがジョージ・アレック・エフィンジャーの《ブーダイーン》3部作だろう。戯画化された近未来のアラブの都市を背景に、電脳小物を散りばめたスラップスティックなハードボイルドは、1990年代初頭のサイバーパンクの後期を代表するシリーズだった。

    イギリスにおけるサイバーパンクの後継者といえるグリムウッドも、もともとヒップな文体でガジェットを多用したハイ・テンションなアクションものを書いてきた作家なので、アラブをテーマにしたということではつい比較してみたくなるところだが、この作品で完結した作者の《アラベスク》3部作のベースには、《ブーダイーン》ではなく、ロレンス・ダレルの『アレキサンドリア四重奏』があるそうだ。

    たしかに、SF的要素を前面に出さない押さえた筆致による人物重視の視点や、背景の雰囲気濃厚な描写には、作者の過去の作品には見られなかった、かなり文学性を意識したアプローチが感じられる。同時に、各国の思惑が絡まりあった複雑な政治背景の取り扱いは、19世紀以来中東と緊密な関わりを持ちつづけてきたイギリスならではのものだ。文学的な異郷冒険小説やスパイ・スリラーの伝統に、ハードボイルドの語りを持ち込んだ、イギリス型のポスト・サイバーパンクといえようか。

    作品の背景となるのは、第1次大戦が早期に終結し、19世紀の政治体制がそのまま残る21世紀半ばの改変世界。北アフリカは依然としてオスマン帝国の支配下にある。自由都市エル・イスカンドリア(アレキサンドリア)は、政治経済の要衝として繁栄を極めていたが、ドイツ帝国やフランス帝国といった列強にゆすぶられ、ロシアの秘密工作にさらされ、アメリカの大企業による経済支配を受け、その独立は危ういバランスのもとに成り立っていた。

    主人公の青年アシュラフ、通称ラフは、環境写真家の亡き母が放浪時代にもうけた子で、シアトルで孤児同然の子供時代を送った。中国系マフィアに捨て駒扱いされたラフは、無実の罪を着せられ投獄されていたが、その存在さえ知らなかった叔母の手引きにより、イスカンドリアへと呼び寄せられる。驚くべきことに、まだ見ぬ父はチュニスの高官だという。叔母は、ラフと大富豪の娘との縁組を目論んでいた。

    だが、ほどなく叔母は殺害され、ラフの受難が始まる。第1部 Pashazade(パシャの息子)は、容疑者とされたラフが、婚約者のザラや姪のハニを抱えて、見知らぬ都市で右往左往しながら濡れ衣を晴らすまでを描いている。続く第2部 Effendi(上流階級人)は、警察署長を任されたラフが、ザラの父親の周囲で起こる連続猟奇殺人を捜査する過程を追う。

    いずれのエピソードも、事件の解明よりは、むしろラフと周囲の人物との関わりに焦点が当てられている。旧弊な伝統に反発しながらも、イスラムの女性としてラフに頼らざるを得ないザラ。現在の成功の影に児童兵という悲惨な過去を秘めたザラの父親。いっぽう、9才になる姪ハニは、危なっかしげなラフに痺れをきらし、小さな一家の主婦として、逆にラフの世話をやきはじめる。さらには、コンピュータの操作に天才的な才能を発揮し、図らずもラフの秘書の役目をこなすことになる。

    ここに展開されるのは、異質の文化に放り込まれた若者の、アイデンティティ探しの物語でもある。なにものでもなかったラフは、ザラとハニに対する責任を自覚しながら、自分と社会に向き合い、一歩々々足場の位置を確認しながら、自己の可能性に目覚めていくのだ。

    締めくくりとなる第3部 Felaheen(農民)は、必然的に自らの出自を探る物語となる。母親からはスウェーデン人のヒッチハイカーが父親だと聞かされて育ったラフは、チュニスの支配者が父親だといわれても到底納得はできない。だから、暗殺未遂事件を受けて、父親の護衛だという女性がラフに捜査を依頼してきても、とりあうつもりはなかった。だが、両親の結婚の証拠を見せられて、ラフはチュニスへと潜伏捜査に向かう。

    歴史と現在が交錯する北アフリカの迷宮のような回教都市は、エキゾチズムと同時に、物語に現実の手触りをもたらしている。SFというよりは、ほんの少しスペクトルを変えて見た、良質のリアリズム小説と捉えるべきなのかもしれない。(2004/7/12)

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    9Tail Fox, by Jon Courtenay Grimwood

    9Tail Foxジョン・コートネイ・グリムウッドの新作が届きました。九尾の狐なんていうタイトルなので、日本がモチーフになってるのかと思ったら、どうもこれは中国趣味のようですね。殺された警官が他人の体に移植され、自分を殺した相手をサンフランシスコのチャイナ・タウンに追ううちに、さらなる殺人者やアルビノの九尾の狐に付け狙われるのだとか。

    じつは今書いている End of the World Blues には、日本人の少女や葉隠のモチーフが登場するそうで、一年後が楽しみですね。作品の舞台のひとつは、なんと quark さんが名付け親なんですが、いったいどんな形で現われるのか期待して待ちましょう^^)

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    Friday, November 25, 2005

    "The Plot to Save Socrates" by Paul Levinson

    the_plot_to_save_socrates 「悪法も法なり」といって毒杯をあおって死んだソクラテス。さぞ無念だったでしょうね。

    というわけでこの本 "The Plot to Save Socrates" は、2042年、古典を学ぶ女学生が教授と一緒に過去にタイムトラベルして、タイトルどおりソクラテスを救っちゃおうと企てるお話。その途中でアテネのカリスマ的なリーダーと恋に落ちたり、「ヘロンの公式」のヘロンと知り合いになったり、けっこうおもしろそうかも。

    でも、肝心の救出作戦のほうはどうなるのでしょうね。ソクラテスは、姑息な手段を使って逃げようなんて絶対しないと思うんですけど。

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    Thursday, November 24, 2005

    Martin's A Feast for Crows #1 on Bestseller Lists

    A Feast for Crows (Limited Edition)なんと、ジョージ・R・R・マーティンのカラスの宴会NYタイムズのベストセラー・リストで初登場1位になってますね。キングやジョーダン、コナリー並みの人気だとは知りませんでした。The Washington Post や Publishers Weekly でも1位だそうです。1996年に第1巻の A Game of Thrones が出たときとは隔世の感があります。

    The Myths: Limited Edition Signed Boxsetちなみに amazon.co.uk のみで手に入る 1,000部限定の箱入りサイン本があるようです。お早めに。

    Canongate の神話シリーズも 1,500部限定のサイン入り箱入りセットが出てますので、こちらも押さえておいたほうがよさそうですよ。

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    Lambiek Comiclopedia

    lambiekLambiek Comiclopedia は、オランダにあるヨーロッパで一番古いコミック・ショップ Lambiek の「オンライン・コミック百科」。現在、世界中の7,000人もの漫画家やグラフィック・アーティストが、経歴や作品、そして絵のサンプルつきで紹介されています。

    当然、日本の漫画家もたくさん入っていて、例えば大島弓子なんてチビ猫と一緒に自画像まで! うーん、松本大洋はデータを更新して欲しいところです。ま、とにかく、海外のコミック作家など、ちょこっと調べたいときにはとても便利です。

    アーティスト名は毎日どんどん追加されていて、留まるところを知らないって感じですね。「この人が漏れている!」というのがあったら、教えてあげましょう。

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    Wednesday, November 23, 2005

    The Silly Side of Sherlock Holmes, by Philip Ardagh

    The Silly Side of Sherlock Holmesストランド・マガジンに登場した挿絵を組み合わせてナンセンスなホームズの冒険を語ったパスティーシュもののようです。

    Not-So-Very-Nice Goings On at Victoria Lodge同じように19世紀末の少女雑誌の挿絵を使ってお話を作り上げた Not-So-Very-Nice Goings On at Victoria Lodge は、いまひとつアイデア不足であんまり面白くなかったんですけど、こんどはどうでしょう。ちなみに、あのポール・マッカートニーと共作した High in the Clouds も先月出版されてます。

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    "Arthur Spiderwick's Field Guide to the Fantastical World Around You" by Holly Black, Tony DiTerlizzi

    arthur_spiderwicks_field_guide 日本語の翻訳も出ていて、映画化も決まっている児童書「スパイダーウィック家の謎」全5巻シリーズに登場する妖精の、野外観察図鑑という想定の本で、41ページのフルカラー図版と、それぞれの詳しい解説が載っているそうです。Amazon.com で中身を見てみると、収録されているのはプーカとか、ブラウニーなど、一般的な妖精なので、シリーズを読んでいなくても普通の妖精事典(マンティコラスとかいるので、+幻獣事典?)として楽しめそうです。

    イラストのトニー・ディテルリッジのサイトはこちら

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    "Bright Morning", by Jeffrey Ford

    The Fantasy Writer's Assistant and Other Stories短編集 The Fantasy Writer's Assistant and Other Stories に書き下ろされた一編ですが、数日の間フォードのブログで読めます。

    高校時代に図書館から借りた短編集で出会った "Bright Morning" というカフカの晩年の作品。だが、もう一度読みたいと思ってカフカの短編集をいくつか当たってみても、どこにも収められていないようなのだ。しかも、読んだことがあるという人に出会い、借りる約束をする度に、相手とはなぜか離れ離れになる羽目に。

    短編でいささか名を知られるようになり、初めての長編で世界幻想文学大賞を受賞した作者は、初の短編集を出版するにあたり、新しい短編を一編書き下ろすことになるが、そこでスランプに。いくら頭を捻っても、アイデアがまったく出てこない。ふと思い出したのが、作者に作家への道を選ばせるきっかけとなったカフカの "Bright Morning" だった。あの作品をもう一度読めば、初心を取り戻すことができるかもしれない。

    いくつもの古本屋を廻り、ウェブを探し回る作者の努力は徒労に終わる。だが、そこに、件の短編集をオークションにかけるという謎の電話が……。

    フォードが作家になるまでを描いた自伝的な作品……と思いきや、いや、やっぱり作家は騙ることが仕事なんですね^^) う~、わるいやつ。いやまあ、とってもお茶目な作品なんですけど。"Bright Morning" がどういう作品かというのも、作中で紹介してくれます。小道具やアイデアをほんとにきっちりと使う作家ですね。

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    Tuesday, November 22, 2005

    Black Hole, by Charles Burns

    Black Holeあんまり好みの表紙でもないので見送ってたんですが、すごく評判がいいので結局買うことにしました。ノスタルジックなホラーだということですが、性交渉によって感染する "bug" という病気にかかると、体の一部に変形が始まり、幻覚をみるようになるのだとか。アメリカ版の楳図かずおかつげ義春なんでしょうか。

    こちらでキモチワルイ絵が一部チェックできます。う、カエルの解剖だ^^; うなされそう。

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    Monday, November 21, 2005

    "Three Days to Never" by Tim Powers

    three_days_to_never 来年の5月の話をしたら鬼が笑い死にしそうですが、ぎょえ~、これはもしかしてティム・パワーズの新作???

    12歳の少女ダフニが、おばあちゃんの家からピー・ウィーのアドヴェンチャー・ビデオを盗んだばかりに、なんとイスラエルの秘密警察とヨーロッパの古いオカルト組織から狙われるハメに! ダフニのテディ・ベアは盗まれるわ、お父さんは殺されそうになるわ、消えてるテレビからは霊が話しかけてくるわで、父娘は命からがら南カリフォルニアまで逃げるのですが……。

    イスラエルに関する古い予言から、チャップリンとアインシュタインの秘密までが係わってくる、古の超自然界のバトルに父娘が巻き込まれてしまうという、なんとも涎が垂れそうにおもしろそうな物語です。詳細は Subterranean Press のサイトで。

    しかし Subterranean Press 版は、限定本でオマケつき US$80 というスゴイ値段がついてますね。Amazon.com ではちょっと値引きで $50.40。で、超豪華な US$600 なんていうのは一体誰が買うんでしょう?

    私みたいなビンボー人は、8月に William Morrow から出る US$25.95 のを待つしかないですね。

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    Kafka's Soup: A Complete History of World Literature in 14 Recipes, by Mark Crick

    Kafka's Soup: A Complete History of World Literature in 14 Recipesホメロスからアーヴィン・ウェルシュまで14人の作家にちなんだレシピ集だそうです。それぞれの作品のスタイルで書かれているということなので、One Hundred Great Books in Haiku よりは面白そうですね。収録作家もリストしておきましょう。

    Homer, Chaucer, Jane Austen, Raymond Chandler, Graham Greene, Virginia Woolf, Franz Kafka, John Steinbeck, The Marquis de Sade, Marcel Proust, Gabriel Garcia Marquez, Jorge Luis Borges, Irvine Welsh, Harold Pinter.

    ちゃっかりとピンターまで入ってますが、ノーベル賞の発表後に滑り込ませるほどの時間があったとも思えないので、たまたまなんでしょうね。挿絵もそれぞれの作家の時代に合わせて、シーレ、ホガース、マティス、カーロ、ウォーホル、デ・キリコ、ヘンリー・ムーアなどのスタイルで描いたものということなので、ちょっと楽しみ。

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    Sunday, November 20, 2005

    Celebrate Christmas with Illustrations of Lisbeth Zwerger!

    the_night_before_christmas クリスマスの定番、クレメント・クラーク・ムーアの "The Night Before Christmas" が、オーストリアのイラストレータ、リスベート・ツヴェルガーの挿絵付で登場です。アンデルセンやグリムなど、彼女は童話や児童書の挿絵をたくさん描いていますが、あの洗練された美しいイラストは子供だけに楽しませておくのはもったいないですね。a_christmas_carol

    彼女の作品でクリスマス関連本は他に、"The Nutcracker"、"A Christmas Carol"、"The Gift of the Magi" があります。『賢者のおくりもの』は日本語版も出ています。

    ファンになってしまった人は、イラスト集 "The Art of Lisbeth Zwerger" をどうぞ。

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    Salt, by Adam Roberts

    アダム・ロバーツがパロディ専門の作家だと思われてしまうとかわいそうですので、2000年に出版されたデビュー長編を紹介しておきましょう。なんかテロリストと原理主義者の戦いなんて、発表された時点よりも今のほうが切実なテーマになっているような気がしますね。本職はれっきとした英米文学の教師で、そちらの方面の研究書も出してます。

    Salt一面の塩に覆われた惑星での、イデオロギーのぶつかり合いを描いたSFなんて、一体どこが面白いのかと思うのだが、抜群の筆力を持った作家の手にかかると、これが宝石に変わるのである。デビュー作とは思えないほどに磨き上げられた作者の筆によって、微妙な陰影を施されたシンプルなプロットは、叙事詩的な高みにまで登りつめる。

    閉鎖的になった地球を離れ、十二組の宗教集団が新天地を目指す。恒星間飛行の推進力は、楕円軌道から解き放たれた彗星である。それぞれの集団を乗せた十二機のロケットは、ケーブルで彗星にぶら下がり、目的地へと牽引されていった。だが、事前調査では地球型の惑星だと思われていた植民先は、一面が塩化ナトリウムの結晶で覆われた不毛の地であった。

    十二組の集団のなかには、航行中から歯車の噛み合わなかった、両極端ともいえる二つのグループがあった。原理主義のセナールと、宗教集団を擬して一団に紛れ込んだ無政府主義者の集まりアルスである。セナールは一同のリーダー、バーレイのもと、階級制度に基づいた管理社会を築いていく。一方、アルスは、個人の意志を絶対なものと考え、電子的なクジによる作業割り当てに従い、リーダーを持たない自由社会を目指した。ストーリーは、バーレイと、アルスの一員ペーチャの視点から交互に語られていく。

    個々のイデオロギーはさておき、一致協力して開拓にあたるべきだと考えるバーレイは、周辺の植民都市にも働きかけ、鉄道や道路、風を遮る土手や水を供給する運河など、社会基盤の整備を進める。遠隔地に植民したアルスにも、当然のこととして交流を迫る。だが、総意を求めないアルスは、判断は個々人の意志によるものとして、一向に反応を示さない。特に、航行中の業務割り当てによりセナールと交渉に当たったことのあるペーチャは、バーレイからはアルスの代表者と見なされて、繰り返しアプローチを受けるが、何等行動を取ることはなかった。

    そして、父系社会のセナールが、航行中にセナールの男がアルスの女性に産ませた子供たちの親権を主張し始めたとき、緊張は最高潮に達した。次第にエスカレートしていく角突き合いは、工業力を背景としたセナールによるアルスの空爆へと発展し、ついに業を煮やしたペーチャは、全力をあげてのゲリラ戦へと突入する。

    微視的に見れば、小さな誤解の積み重ねによる破局の構図である。巨視的には、自己の正当性のみに基づいた異文化の衝突のアレゴリーであるといえるかもしれない。作者の筆は、どちらかの社会に肩入れすることもなく、淡々と双方の思想と、他者を理解しようとする発想の欠如を語っていく。語り手の立場の違いにより、同じ出来事が全く違う意味合いを見せる構成は、スリリングでさえある。また、最初は純粋な理想主義者だったバーレイが、次第に自己正当化の凝り固まりである狂信者に変わっていく過程と、無気力に見えたペーチャが、冷徹なテロリストに変貌を遂げる様子は、多分にブラック・ユーモアを含み、よく練られた小説を読む醍醐味を味わわせてくれる。

    設定や構成には、『デューン』や『所有せざる人々』が影響を与えているそうだが、新天地でのイデオロギーのぶつかり合いということでは、『JEM』や『レッド・マーズ』を思わせるところもあり、また作中のワン・シーンには、『闇の左手』を想起させる部分もある。とはいえ、押さえた筆致による政治的なモチーフとアレゴリーは、多分にイギリスSFの伝統を感じさせる。アイデア豊富な重厚なスペース・オペラの対極に位置する、ミニマリズムSFの秀作とでもいえようか。(2001/8/11)

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    Saturday, November 19, 2005

    Adventure, Vol. 1, edited by Chris Roberson

    Adventure, Vol. 1なにやらマクスウィーニイの向こうを張って、ファンタジイ、ホラー、ミステリ、ウェスタンと、様々なジャンルのパルプ小説ふうの冒険ものをテーマにした書き下ろしのアンソロジイだそうです。Two-fisted, pulse-pounding narrative っていうやつでしょうか。

    収録作家は John Edward Ames, Lou Anders, Neal Asher, Kage Baker, Barry Baldwin, O'Neil De Noux, Paul Di Filippo, Mark Finn, Michael Kurland, John Meaney, Michael Moorcock, Chris Nakashima-Brown, Kim Newman, Mike Resnick, Chris Roberson, Matthew Rossi, and Marc Singer とのこと。ベテランと若手、知らない人(<わたしが)を取り混ぜてますね。テーマといい選ばれた作家といい、かなり期待できそうです。ちなみに編者のクリス・ロバスンは上り坂のSF作家。

    "Annual" ということは毎年出していく予定なんでしょうか。この色使いからすると、表紙はジョン・ピカシオかな~^^)

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    The Stupidest Angel : A Heartwarming Tale of Christmas Terror, Version 2.0, by Christopher Moore

    The Stupidest Angel : A Heartwarming Tale of Christmas Terror, Version 2.0サンタクロースがスコップで殴り殺される場面を目撃したジョシュア・ベイカー少年の願いに答えて、お馬鹿な天使ラジエルが田舎町パイン・コーヴに現れて、しっちゃかめっちゃかにしちゃう話だそうです。あれあれ、なんか今年は 2.0 にヴァージョン・アップしてるぞ。The Stupidest Angel : A Heartwarming Tale of Christmas Terror

    去年はクリーム色のカバーで出てたんですが、カバーが変わっただけなんでしょうか、それとも続編なんでしょうか。どうも買って確かめてみるしかなさそうです。ただの色違いだったらどうしよう?

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    Friday, November 18, 2005

    Just want to put them side by side and see...(2)

    また表紙で遊んでみました。

    "La Ghirlandata" by Dante Gabriel Rossetti

    mortal_love the_lady_of_the_sea

    なんか文字の感じも似てますね~。でも同じ絵なのに、エリザベス・ハンドのほうが、目つきが鋭い? ロザリンド・マイルズのほうは、イゾルデのはず。


    "Ophelia" by John William Waterhouse

    the_child_of_the_holy_grail the_third_witch_2発狂したオフィーリアの絵なので、オリジナルは視線が定まってなくて怖いんですが、その辺、苦心のあとが。しかし、それぞれグェネヴィアとマクベスの物語なんですけど~。

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    Thursday, November 17, 2005

    The House of Paper, Carlos Maria Dominguez, illustrated by Peter Sis

    The House of Paper読みました……っていっても、100ページほどの小型のハードカバーなんで、1時間ほどで読めちゃうノヴェラの長さなんですけど。

    なんと~、わたしと同業、じゃない、同類の、バベルの塔のレンガ積みの話でした^^; う~む、身につまされる。

    本好きなんてろくなことないんですよ。語り手の知り合いには、ブリタニカ百科事典5巻を頭に受けて麻痺になったり、フォークナーの『アブサロム、アブサロム』を取ろうとして脚立から落ちて脚を折ったり、古文書館に篭って結核になったりした人がいるそうな。はたまたチリでは『カラマーゾフの兄弟』を喰らって消化不良で死んだ犬もいたという。

    語り手の同僚の英文学の教師ブルーマも、本によって運命を変えられた人のひとり。エミリー・ディキンスンの詩集を読みながらロンドンの街角を歩いているときに、車に当たって、死んでしまったのだ。そのブルーマの元に、遠くウルグアイから奇妙な小包が届いた。中に入っていたのは、ブルーマがカルロスという相手に贈ったコンラッドの The Shadow-Line。だが、その本は、なぜかセメントに塗り固められていた。

    休暇で故郷のブエノス・アイレスに戻った語り手は、謎の「カルロス」を探して隣国ウルグアイへと足を伸ばす。古本屋を廻ってカルロスの足取りを追う語り手は、愛書家にまつわるおばかな噂を耳にしながら、ついに、鄙びた海岸で、バベルの塔のレンガ積みを探し当てるのですが……なかなか虚しさの漂うエンディングですね。

    本にまつわるエピソードを散りばめてはいても、ぺダンチックな濃さよりはほどほどの軽さが味になってます。だからビブリオマニアの狂態を期待すると肩透しを食いますが、微笑ましいというか、なぜか惹かれてしまう奇妙な魅力がありますね。大して盛り上がりも驚きもない地味な作品ではあるんですが。同業、じゃない、同類の血が呼ぶんでしょうか^^)

    マス・マーケットのペーパーバックより一回り大きい程度の小型本なんですが、濃いグレーの刷り色の本文に、10点ほど茶色で印刷したピーター・シスの挿絵が彩りを添えてます。文章を補完するというよりは、本文からインスパイアされて自由に描いたという感じで、なかなかかわいいです。

    たぶん作中に出てくる「カルロス」とは別人の作者カルロス・マリア・ドミンゲスはウルグアイ在住とのこと。凝りに凝った濃い作品ばかりでなく、こういうほどほどの作品も時にはいいんじゃないでしょうか。本好きに(警鐘を込めて)クリスマス・プレゼントに贈るなんていうのもいぢわるでいいかも。

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    "The Illuminator" by Brenda Rickman Vantrease

    the_illuminator 政治的にも宗教的にも揺れる14世紀のイングランド。教会の写本彩飾師でありながら、陰で宗教改革者ウィクリフのためにも働いている男が主人公の、愛あり、政治あり、宗教あり、陰謀あり、哲学ありの物語だそうです。なかなかおもしろそうです。

    デビュー作なのに、版権はすでに11ヶ国に売れてるとか。日本はどうなんでしょ。

    ペーパーバックは1月発売です。

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    Wednesday, November 16, 2005

    The Chronicles of Blarnia, by Michael Gerber

    The Chronicles of Blarniaあ~あ、ゴランツったらやっぱりやってしまった^^;

    ハーヴァード・ランプーンの指輪のパロディを小型のハードカバーでリプリントして30万部、アダム・ロバーツのホビットとシルマリリオンのカバーが合わせて16万部売れたそうで、こんどはバリー・トロッターで50万部売ったマイクル・ガーバーを引っ張り出してきたようです。あ、イギリスではもともとバリー・トロッターがゴランツから出てるんですね。

    いったい誰が買うんだこんなの……とか思いながら、同じシリーズのアダム・ロバーツのマトリックスやスターウォーズ、ダ・ヴィンチ・コードまで揃えていることに気付いてしまいました。はは^^;

    せっかくですからゴランツのミニ・ハードカバーのパロディ・シリーズ、リストしておきましょう。

    いっそのことデイヴィッド・ビショフの Philip K. Dick HighJ.R.R. Tolkien University もいかが?

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    Tuesday, November 15, 2005

    "The Wizard, The Ugly, And The Book Of Shame" by Pablo Bernasconi

    the_wizard_the_ugly_and_the_book_of_shame かわいい~~♪ この絵本は絶対買いですね!

    ある日魔法使いが留守の隙に、醜い弟子が見よう見まねで自分に魔法をかけてみたら……なにやら、とんでもないことになってしまったようです。

    Amazon.com で中をちょびっと覗けます。

    作者のパブロ・ベルナスコーニは、パタゴニア育ちで、アルゼンチン在住のイラストレータ。サイトはこちら。楽しいイラストとコラージュをたくさん楽しめます。

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    Sunday, November 13, 2005

    "Paper" by Bahiyyih Nakhjavani

    paper この表紙はめちゃくちゃ好みです。内容もおもしろそうなので、これは買うしかないですね。>自分

    "Paper" の主人公は19世紀中央アジアの代書人。世の中は、スパイや学者や聖職者や御姫様、そして盗難や陰謀や奇跡や殺人でいっぱいで、書くことには事欠かないのですが、代書人は自分で最高傑作を書いてやろうと思い立ち、それを記すための完全無欠の美しい紙を探しに旅に出ます。ところが……。

    もうひとつ、彼女のデビュー作 "The Saddlebag" もよさそうです。これも舞台は19世紀。砂漠を行くキャラバンは、多様な宗教と民族の寄せ集め。そこで謎の巻物が入った鞍袋が盗まれ、それをめぐって各人各様の人生が焙り出されていくという、中東版カンタベリ物語みたいなお話だそうです。いろいろな宗教の訓話が織り込まれ、19世紀の民話のような語り口で語られるということで、これもとっても好みのような気がしますね。

    著者はイラン生まれ、東アフリカ育ちで、ウェールズの寄宿学校を出て、アメリカとイギリスの大学で教育を受け、現在はベルギーに住んでいるそうです。

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    "Chip Crockett's Christmas Carol" by Elizabeth Hand

    scifictionFarewell SCI FICITON + クリスマス特集ということで。

    2004年の世界幻想文学大賞をコレクション部門で受賞した、エリザベス・ハンドの US$50 もする短編集 Bibliomancy に収録されている4篇の内のひとつ "Chip Crockett's Christmas Carol" も SCI FICITON で無料公開されています。クリスマスにはちょっと早いですが、いい機会なのでご紹介します。

     誰もが幸福な気分になれるクリスマス。だが四年前のイヴに弁護士事務所のパートナーを事故で失い、二年前には健常者だった一人息子がツリーの下のプレゼントに全く関心を示さず自閉症と診断されたとなれば、ブレンダンがクリスマス嫌いになっても無理はない。四歳になるピーターはそのときからひと言も話さず、何の表情も顔に出さない。その後妻とは離婚し、息子は火曜と隔週の週末だけ預かっているのだが、症状の改善の見られない自閉症児との生活で、気丈な彼もかなりまいっていた。

     そんなブレンダンのもとへ、高校時代からの友人でミュージシャン崩れのトニーが転がり込んでくる。彼は、子供時代にTVの人気者だった人形師チップ・クロケットの訃報に接して、驚くほど動揺していた。

     中年にもなって、子供の頃のお気に入りに執着しているトニーの姿は滑稽だ。ところがその熱心な姿を追っていくうちに、自分自身が年を重ねる過程で封印してしまったもの、そしてもう取り戻せないものへの、ノスタルジックな感覚にふと襲われる。無駄なものに思えても、それらは心に大きな影響を及ぼしていたのだ。

     脳天気でナイーヴなトニーが居候を始めてから、ピーターはときに微かな反応を見せるようになる。ディケンズの『クリスマス・キャロル』を下敷きに、心の病を扱った現代的なこの作品は、ファンタジー的な要素は全くないのに、それでいてこれぞファンタジーと思わせる心温まるクリスマス・ストーリーだ。

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    R.I.P. Sci Fiction

    ウェブのそこらじゅうで悲鳴が上がっていますが、6年にわたってフリーでトップクラスの短編を提供してきたオンライン・マガジンの老舗 Sci Fiction が、今年いっぱいで打ち切りになるそうです。

    理由は、セールス・プロモーションのために、一銭の儲けにもならない活字作品にお金を出していたヴィジュアル・メディア中心の SciFi.com が、単に方針変更したということだけらしいです。Sci Fiction がなくなったら、SciFi.com なんて存在価値ゼロなのにねえ。

    SF、ファンタジイからホラーまでカバーして、数々の名作・新人作家を世に送り出してきた神様のような編集者エレン・ダトロウは、OMNI、Event Horizon に続いて三つ目の廃刊を向えることになりました。次のプロジェクトはまったく白紙ということですが、どこかの雑誌で編集長の座は空いてないですかね。いっそのこと Datlow's Cross-Genre Magazine とか作ってしまうとか。

    ちなみに気さくなダトロウおばちゃんは、こちらとかこちらのフォーラムでどんな質問にも親切に答えてくれます。今は作家とかファンの悲しみの言葉いっぱいですね。

    これまでに発表された作品はアーカイヴとして1年間は公開されているそうですが、クラッシック作品のリプリントは作品ごとの契約期間が過ぎたら消されてしまうそうです。いまのうちに保存しておきましょう。

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    Saturday, November 12, 2005

    "Wretched drivel of the sort that gives fantasy a bad name"

    Touched By Venomまともな業界紙 (Kirkus Review) で、デビュー作に対しこうまでいわれてしまっては、立ち直れそうにないですね。ワールド・ファンタジイコンでも "that venom cock" と呼ばれ今年最悪のファンタジイとして話題になった Janine Cross の Touched by Venom というのがその本なんですが、なにやら少女がドラゴンを誘惑する話のようです。う~ん、そこまでひどいひどいといわれると、どれほどひどいのか確かめたくならなくもないですが……はは^^;

    ファンタジイではないですけど、こちらの The Truth About Diamonds も、ひどさでは負けてないようですけど。ちなみに、数年前にどうしょうもなくひどいファンタジイとして話題になった Robert Newcomb の The Fifth Sorceress は、悪評を宣伝になにやらファンもついて、順調にシリーズが続いているようです。まともな作品より遥かに売れているというのが不思議ですね。

    そうかと思えばこちらではブルックスがぼろくそにされてます。すごくいい人らしいんですが、最初の Tolkien raper として、エディングズ、ジョーダン、グッドカインドあたりのリサイクル作家に先鞭をつけたところが一番の悪行だったみたい。

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    Friday, November 11, 2005

    "Westermead: A Collection of Tales" by Scott Thomas

    westermead ウェスターミードという架空の国の四季を綴った物語。ここには変わった人々が住み、不思議なことが当たり前のように起こるとか。出版社のサイトを見ると、文が詩的な感じできれいですね。内容もちょっとおもしろそうかも。

    ペーパーバックは1月発売。そのほかに、装幀が凝っていて美しいイラストが満載の、150部限定版(US$85)があるそうです。

    しかし Raw Dog Screaming Press って、なんかとても怪しそう。

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    A (Hopefully) Growing Guide to Sick Lit

    このところ病気、というよりは、特殊な感覚を持った主人公や、異常な状態に置かれた人々を扱った作品が数多く書かれています。流行とまでいえるのかどうかは分かりませんが、特殊な視点を得るための手法として積極的に活用されているのは確かです。

    これにともない、一般的な用語というよりは、半ば冗談で sick lit という言葉が生まれました。通常の疾病をストレートに扱ったものではなく、あくまで視点の転換を目的にしたものなので、それって厳密には病気じゃないだろっていうものが主な対象となります。実質的にはドラッグによる幻想や現実崩壊感をもっと一般的に受け入れられやすい形で描き出した、いわば合法的なドラッグに相当するものなのではないですかね。

    とうことで、目に止まった作品をリストしてみました。もし他にもここに当てはまるような作品がありましたら、コメントや掲示板でお知らせください。随時追加します。ただし、現実の病気を揶揄するような作品やコメントはご遠慮ください。(2005/11/9)

    The Thackery T. Lambshead Pocket Guide to Eccentric & Discredited DiseasesGeneral Guidebooks:

    Synaesthesia (共感覚):

    • Starseeker, by Tim Bowler (『星の歌を聞きながら』)
    • A Mango-Shaped Space, by Wendy Mass (『マンゴーのいた場所』)
    • Mondays Are Red, by Nicola Morgan
    • "The Empire of Ice Cream", by Jeffrey Ford (「アイスクリームの帝国」)
    • Evening's Empire, by David Herter
    • Painting Ruby Tuesday, by Jane Yardley
    • Astonishing Splashes of Colour, by Clare Morrall
    • Memory Artists, by Jeffrey Moore [+アルツハイマー]

    Autism, Asperger's Syndrome (自閉症、アスペルガー症候群):

    • The Curious Incident of the Dog in the Night-Time, by Mark Haddon(『夜中に犬におこった奇妙な事件』)
    • The Speed of Dark, by Elizabeth Moon (『くらやみの速さはどれくらい』)

    Amnesia (記憶喪失):

    Coma, NDE (昏睡、臨死体験):

    The Tarrying Dead (死者):

    • The Lovely Bones, by Alice Sebold (『ラブリー・ボーン』)
    • Shade, by Neil Jordan
    • The Innocent's Story, by Nicky Singer

    Others (その他):

    • Motherless Brooklyn, by Jonathan Lethem (『マザーレス・ブルックリン』) [トゥーレット症候群]
    • Hallucinating Foucault, by Patricia Duncker [統合失調症]
    • 98 Reasons of Being, by Clare Dudman [精神病院の患者]
    • Skallagrigg, by William Horwood (『スカヤグリーグ』) [脳性マヒ]
    • Set This House in Order, by Matt Ruff [多重人格]

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    Thursday, November 10, 2005

    Best Books of 2005 at amazon.com

    The History of Loveamazon.com の今年のベストがリストされてます。

    一般文芸The History of Love の一位はよしよしという感じですね。

    SF/ファンタジイの The Algebraist は首を傾げます。せめて Accelerando をトップにしておけばよかったのに。今年の最高傑作の A Princess of Roumania が入っていないのもおかしい。まあ一時期と違って、最近のアマゾンはまともな SF/F/H のエディタ置いてないからしょうがないのかも。

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    Wednesday, November 09, 2005

    "The Prestige" to be made into a Film

    the_prestigeeng クリストファー・プリーストの、1996年度世界幻想文学大賞受賞作『奇術師The Prestige)』の映画化の話が具体化してきたようです。

    監督は『バットマン・ビギンズ』のクリストファー・ノーラン。奇術師のひとりアルフレッド・ボーデンはクリスチャン・ベイル、そのライバルのルパート・エンジャはヒュー・ジャックマンという配役で、マイケル・ケインも出演の可能性が……って、なにやら帽子からコウモリがでてきそうなメンバーです。the_prestigejap

    ジョナサン・ノーランの脚本はプリーストも大絶賛! というわけで、華麗なイリュージョン対決(と怪しいニコラ・テスラ)を映像で見られるのは楽しみですね。

    クランク・インは来年1月の2週目だそうです。詳細はノーラン監督のサイトと、プリーストのサイトで。

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    Nickolai of the North, by Lucy Daniel Raby

    Nickolai of the Northなんのお話か、表紙で一目瞭然ですね。

    魔女マグダに滅ぼされた妖精界の最後の生き残りニコライが、若返りのために人間の子供たちを集め始めたマグダに立ち向かい、最後にはサンタクロースになる話しだそうです。いやいや、なかなかかわいいんじゃないでしょうか^^)

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    Tuesday, November 08, 2005

    "The House of Tekelden" by Denys Dawnay

    the_house_of_tekelden 古くは 463年のローマ略奪の頃まで遡れるという、由緒正しく高貴な家柄のテケルデン家。先祖の肖像画はファン・ダイクからピカソまで超一流の画家によるものばかりで、あるものはチョーサーのカンタベリ物語に登場しているというから、タダモノではありませんね。

    そんなセレブな一族の歴史が、オールカラーのイラストつきで語られるのが、この "The House of Tekelden"。この本、そもそもはデニス・ドーネイのお手製で、1945年に(前書きを書いている)ルシンダ・ラムトンのお母さんがプレゼントされたものだそうです。そして、ラムトン家のダックスフント、フラワーに捧げられています。そう、表紙の絵を見てもらえればわかるように、西洋史とともに綴られる、フラワーのご先祖様たちの物語なんでした。表紙がとっても豪華ですね~。クリスマスのプレゼントにいかがでしょう?

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    幻想標本博物館

    今テレビで紹介してたんですけど、この江本創って人のサイトはなかなか楽しいです。
    和製「ジュラシック・テクノロジー博物館」の趣きなんですけど、一度ご覧になってみてください。
    ま、幻獣辞典がらみってことで。

    インタヴュー記事はこちら

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    Monday, November 07, 2005

    2005 World Fantasy Awards Winners

    11/6 に世界幻想文学大賞の受賞作・受賞者が発表になりました。候補作を含めた全リストは公式サイトへ。

    LIFE ACHIEVEMENT:

    • Tom Doherty
    • Carol Emshwiller

    Jonathan Strange & Mr NorrellNOVEL:

    NOVELLA:

    • "The Growlimb", Michael Shea (F&SF Jan 2004)

    SHORT FICTION:

    • "Singing My Sister Down", Margo Lanagan (Black Juice, Allen & Unwin Australia)

    Dark Matter: Reading The BonesANTHOLOGY (tie):

    Black JuiceCOLLECTION:

    ARTIST:

    SPECIAL AWARD, PROFESSIONAL:

    • S.T. Joshi (for scholarship)

    SPECIAL AWARD, NON-PROFESSIONAL:

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    Sunday, November 06, 2005

    "The Rainbow Opera" by Elizabeth Knox

    the_rainbow_opera "The Vintner's Luck"、"Black Oxen" などの著作があるニュージーランドの作家、エリザベス・ノックスの初めてのYA本です。"The Rainbow Opera" は2巻完結の上巻で、本国NZでは "Dreamhunter" のタイトルで出版されています。

    夢には、楽しいものから怖いものまでいろいろありますが、15歳の少女ローラが住む世界には、そんなたくさんの夢が集まっている「場所」があります。とはいっても、そこは選ばれた者、ドリーム・ハンターにしか見えないのですが、彼らが夢をつかまえては夢の殿堂「レインボー・オペラ」で人々に見せているんですね。ところが堕落した政治家グループが、夢を使った陰謀を企てていて、それをドリーム・ハンターになったばかりのローラといとこのローズが阻止しようとする物語のようです。

    とかなんとか書きながら、「持ってます!」の声が聞えてきそうな予感……。当たったら、なにかもらえるでしょうか?

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    Saturday, November 05, 2005

    2005 International Horror Guild Awards

    11/3 に IHG アワードの受賞作が発表されました。ブラム・ストーカー賞とかと比べるとマイナーで、正直あんまり気にもしていないんですけど、ホラーというよりはメインストリームのファンタジイまで広くカバーしていて、今年は候補作のレベルでも好みの作品がかなり含まれてるので紹介しちゃいましょう。フィクション部門は候補作も挙げておきます。フル・リストについては公式サイトで。

    Recognized for achievement in the field of horror/dark fantasy during 2004 are:

    The OvernightNOVEL: Ramsey Campbell. THE OVERNIGHT (PS Publishing, UK)

    Also nominated:

    • Elizabeth Hand. MORTAL LOVE (William Morrow)
    • James Hynes. THE KINGS OF INFINITE SPACE (St. Martin's Press)
    • Lucius Shepard. A HANDBOOK OF AMERICAN PRAYER (Thunder's Mouth Press)
    • Peter Straub. IN THE NIGHT ROOM (Random House, US; Harper Collins, UK)

    The Ghost WriterFIRST NOVEL: John Harwood. THE GHOST WRITER (Harcourt, US; Jonathan Cape UK)

    Also nominated:

    • Susanna Clarke. JONATHAN STRANGE & MR NORRELL (Bloomsbury)
    • Nick Mamatas. MOVE UNDER GROUND (Night Shade)
    • Dan Vining. THE QUICK (Jove)
    • Carlos Ruis Zafon (Translated by Lucia Graves). THE SHADOW OF THE WIND (Penguin, US; Weidenfeld & Nicolson, UK; Text Publishing, Australia)

    ViatorLONG FICTION: Lucius Shepard. VIATOR (Night Shade)

    Also nominated:

    • John Connolly. THE REFLECTING EYE: A CHARLIE PARKER NOVELLA (Hodder & Stoughton, UK; Atria, US)
    • Leena Krohn. TAINARON (Prime)
    • Lisa Tuttle. MY DEATH (PS Publishing)

    MID-LENGTH FICTION: Daniel Abraham. "Flat Diane" (The Magazine of Fantasy & Science Fiction, Oct/Nov 04)

    Also nominated:

    • Laird Barron. "Bulldozer" (SciFiction, Scifi.com, 25 Aug 04)
    • Stephen Gallagher. "Restraint" (Postscripts 1)
    • Barbara Roden. "Northwest Passage" (ACQUAINTED WITH THE NIGHT)
    • Michael Shea. "The Growlimb" (The Magazine of Fantasy & Science Fiction, Jan 04)

    SHORT FICTION: Don Tumasonis. "A Pace of Change" (ACQUAINTED WITH THE NIGHT)

    Also nominated:

    • Dale Bailey. "The End of the World as We Know It" (The Magazine of Fantasy & Science Fiction, Oct/Nov 04)
    • Margo Lanagan. "Singing My Sister Down" (BLACK JUICE)
    • Holly Phillips. "In the Palace of Repose" (HP Lovecraft's Magazine of Horror #1)
    • Kit Reed. "Family Bed" (SciFiction, Scifi.com, 12 May 04)

    The Wavering KnifeCOLLECTION: Brian Evenson. THE WAVERING KNIFE (Fiction Collective Two)

    Also nominated:

    • John Connolly. NOCTURNES (Atria, US; Hodder & Stoughton, UK)
    • Stephen Gallagher. OUT OF HIS MIND (PS Publishing)
    • Francis Oliver. DANCING ON AIR (Ash-Tree Press)
    • Conrad Williams. USE ONCE THEN DESTROY (Night Shade)

    ANTHOLOGY: ACQUAINTED WITH THE NIGHT, edited by Barbara and Christopher Roden (Ash-Tree Press)

    Also nominated:

    • NIGHT VISIONS 11, edited by William Sheehan (Subterranean)
    • QUIETLY NOW: A TRIBUTE TO CHARLES L. GRANT, edited by Kealan-Patrick Burke (Borderlands)
    • A WALK ON THE DARKSIDE: VISIONS OF HORROR, edited by John Pelan (Roc)

    NON-FICTION: DM Mitchell. A SERIOUS LIFE (Savoy, UK)

    ART: [Tie] Darrel Anderson and Rick Berry

    FILM: SHAUN OF THE DEAD. Directed by Edgar Wright, written by Simon Pegg and Edgar Wright

    TELEVISION: LOST, created by J.J. Abrams and Damon Lindelof (ABC)

    ILLUSTRATED NARRATIVE: THE BUG BOY by Hideshi Hino (DH Publishing)

    PERIODICAL: The Third Alternative (TTA Press)

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    Friday, November 04, 2005

    "PopCo" by Scarlett Thomas

    popcoタイトルにあるPopCoとは、玩具業界に君臨する巨大企業の名前。そのPopCoで少女向けの新しいヒット商品を開発することになった主人公アリスは、祖父に数学者、祖母に暗号学者を持つ、特異な経歴の持ち主だ。新聞のクロスワードを作っていた彼女は、PopCoに引き抜かれ、子供向けスパイ・キット開発に携わったのち、今のプロジェクトに呼ばれたのだ。「Thought Camp」と呼ばれる極秘施設で仕事に没頭するアリスは、次第に玩具業界にまつわる闇の部分に気づきはじめるのだが……

    というのが縦糸とすれば、横糸となるのがアリスの祖父から伝わる謎のネックレスをめぐるエピソード。400年前の宝の地図の謎を解いた祖父は、その秘密を暗号の形でアリスに残したのだった。暗号の解読を進めるうちに、彼女自身の知られざる過去が関わっていることがわかり、PopCoそのものとも奇妙な因果関係を見せはじめるのだが……

    さらに、Mathematical Fictionによれば、この小説はいくつもの数学的トピックを巧みに小説内に取り込んでいるという。リーマン仮説、ゲーデルの不確定性原理、コンウェイのゲーム・オブ・ライフ、超限基数などなど、怖ろしげな名前がズラズラと並んでいる様は壮観。果たしてこれはいかなる小説なのでありましょうか。

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    Thursday, November 03, 2005

    "The Mysteries" by Lisa Tuttle

    the_mysteries 美女が妖精王に誘拐されちゃう話なんて、ちょっと少女シュミかな~と思いながらも、表紙に釣られて買ったら、これがとてもよかったのでご紹介します。

    主人公は、ロンドン生活の長いアメリカ人青年イアン。彼が米国で暮らしていた子供の頃、まるで神隠しにあったように父親が目の前で忽然と消えてしまうという事件があった。それ以来、彼は他の失踪事件にも強い関心を持ち続け、ロンドンに事務所を開いて失踪人の捜索依頼を受けるまでになっていた。ある日、娘が行方不明になっているという母親が訪ねてきて調査を始めるのだが、直前まで彼女と行動を共にしていた元恋人によると、彼女はミダーという名の男に連れ去られたという。彼の話を聞くと、その時の状況はアイルランド民話の "The Wooing of Etain" そっくりだった。その民話では妖精王ミダーが、人間界の美女を娶るためその夫と取引をするのだ。そして彼女が残していた雑記帳にも、ミダーの出現を裏付けるような出来事の記述があった。

    このようにして、妖精郷にさらわれて行ってしまった可能性の高い美女を、そんなこと信じられない現実的な母親、そして彼女の映画を制作している元恋人とともに、彼女が目撃されたスコットランドの荒地まで行って、民話をヒントに捜します。メインプロットとの脈絡は無しに、ところどころにケルト各地に伝説として残っているいくつもの不思議な失踪物語が章として挿入され、謎めいた雰囲気を盛り上げてくれます。本の中でも言及されているのですが、ギリシャ神話のデメテルとペルセフォネ母娘のあの有名な物語も二重写しになってくるんですよね。この作品のポイントは、伝統的な物語を下敷きにしながらも、事件がとても現代的に解決されるところにあるのですが、『フェミニズム事典』の著書があるタトルの、いい意味でのこだわりも色濃く出ていますね。

    イアンの身近では普通の失踪事件も何件か起こっていて、一見傍流のエピソードとしか思えないそれらが、実は重要な意味を持っていることに、読者はだんだん気づかされていきます。現実世界によくある「失踪」という行為。そこに至る心理の謎が真のテーマでしょうか。妖精物語というファンタジーを中心に据え、幻想的な味付けをしながらも、地に足のついた堅実な作品という印象です。従って、タイトルに騙されて本物のミステリとして読むと肩透かしかもしれませんが、ファンタジー・ファンにもメインストリームの人にも満足してもらえる1冊だと思います。作品の構成や語りも上手いし、いろいろな工夫がされているので、あっと言う間に物語の世界の中に引き込まれてしまうんですよね。主要な登場人物がみな、過去の恋人と、目の前にいる意中の人(または現在の恋人)との間で選択を迫られているというのも、おもしろいですね。

    読む前に、なぜ主人公がアメリカ人なのか疑問だったのですが、イギリス、そしてケルトの文化を自然に読者に伝えるためだったようで、その辺もけっこう楽しめました。この前読んだ、やはりケルト文化色の強い児童書 "The New Policeman" を思い出す場面もちらほらあって、「そうなのよね~」とちょっと物知り気分。

    で、ハードカバーの表紙が妙に美しく見えて、こっちを買ってしまったのですが、デザインはいいんですけど、字の部分とか金とか使ってもっと豪華にして欲しかったですね。これだったら色違いのペーパーバックでもよかったかも。でも、おもしろかったから許しちゃいます。

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    The House of Paper, Carlos Maria Dominguez, illustrated by Peter Sis

    The House of Paperピーター・シスといえば、まえから気になってたこの本の挿絵もそうでした。こちらはウルグアイの作家の英訳本ですが、なにやらこれもボルヘス絡みの話みたいですね。

    エミリー・ディキンスンの詩集を片手に交通事故で死んだケンブリッジ大学の同僚の元に届いたコンラッドの本。その謎を追ってウルグアイに渡った主人公が、本にまつわる怪しい出来事に振り回される話のようです。

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    Wednesday, November 02, 2005

    Mathematical Fiction

    RCO数学と小説というと、およそ対極にあるように思われがちですが、意外に縁の深いものなのではないでしょうか。
    本職が数学者だったドジソン先生ことルイス・キャロルを筆頭に、暗号解読の名人だったポー、チェス・プロブレムの名手として知られたナボコフなど、数学(というと大袈裟ですがロジック)に深い関心を持っていた作家は少なくありません。

    今回ご紹介するのは、Alex Kasmanという数学者が主宰している、Mathematical Fictionというサイトです。写真にあるように数学をモチーフにした小説も書いていますが、本職は完全に数学者。このサイトも、主に同僚や学生のために、教育的な目的で作られているようです。
    紀元前414年のアリストファネス『鳥』から現在にいたるまで、数学をテーマにした小説、数学者が登場する登場する小説、数学啓蒙のために書かれた小説など、およそ数学に関係した小説を網羅的に紹介してくれてます。小説としてみれば、もちろん玉石混交……というよりは明らかに石の方が多いんですが、意外な視点から選ばれた作品リストを眺めているだけでも充分楽しめます。どこまで本気なのかと疑わしくなるようなBrowseコーナーも素敵。
    第二次大戦後はジャンルSFが大半をしめるようになりますが、トマス・ピンチョン、ギルバート・ソレンティノ、ジョルジュ・ペレックらポストモダン系作家への目配りも忘れず、戯曲や映画までカヴァーしているあたり、情報収集力はなかなかのもの。小川洋子の『博士の愛した数式』までちゃんと入ってますしね。

    知らない作家も多いんで、どこかに埋もれた傑作が隠れてるんじゃないかとついつい捜しちゃうんですよ、これ。私としては、Don Delilloの"Ratner's Star"やJeff Noonの"Nymphomation"みたいなのが見つかると嬉しいんですが、みなさんもチェックされてみては如何?

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    Tuesday, November 01, 2005

    "The Ninth Life of Louis Drax" by Liz Jensen

    the_ninth_life_of_louis_drax 傷んだセルロイドの人形は、純真無垢な表情をしているようでいて、周りの骸骨とか毒薬とかを見ると、なにやら悪意を抱いているようにも見えるし、この表紙はとても気になります。

    Cats have nine lives と言いますが、"The Ninth Life of Louis Drax" の主人公、聡明だけど変わった少年ルイ・ドラックスは、毎年とんでもなく危険な目にあっては、辛うじて助かってきたものの、9歳のときに崖から落ちて昏睡状態に陥ってしまうそうです。

    この作品は、昏睡状態に陥ったルイと、昏睡患者を扱うクリニックの医師ダナシェによって語られるサイコ・スリラーだそうなのですが、う~ん、読んでみないとよく分りませんが、なんかおもしろそうです。

    ペーパーバックも出ているのですが、表紙はやっぱりハードカバーですね。

    アンソニー・ミンゲラの監督で映画化も決まっていて、来年公開予定のようです。

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    The Book of Imaginary Beings, by Jorge Luis Borges, illustrated by Peter Sis

    The Book of Imaginary Beingsボルヘスの『幻獣事典』が、なんとピーター・シスの挿絵で登場しました。これはもう他の版で持ってる人でも must have ですね。いやまあデフォルメがきつくて、もともとどんな動物かよくわからないのが、なおさらわからなくなるという危険性もなきにしもあらずですが、どうせこういう動物に出くわすのは素面じゃない時ぐらいでしょうから、まあ問題はないでしょう。

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    One Hundred Great Books in Haiku, by David Bader

    One Hundred Great Books in Haikuホメロスからミルトン、ドストエフスキーまで、100冊の古典を俳句で紹介しちゃおうという本らしいです。アメリカ版は Haiku U というタイトルで出ているようです。作者のプロモーション用のサイトはこちら

    まともな本をほとんど読んでないものぐさなわたしにはピッタリかと思いましたが、さて、どうでしょう。サンプルをいくつかチェック。

    What have I become?
    Uncertain,
    Gregor Samsa puts out some feelers.

    これは分かりやすい。

    Pilgrimmes on spryng braecke -
    roadde trippe! Whoe farrtted? Yiuw didde.
    Noe, naught meae. Yaes, yiuw.

    これは分からないのでどの本かすぐわかりますね。ちなみに翻訳してみましょう。

    Pilgrims on spring break -
    road trip! Who farted? You did.
    No, not me. Yes, you.

    う、しょうもな^^;

    Lecherous linguist -
    he lays low and is laid low
    after laying Lo.

    ふむ~、これは quark さん向きですね。

    Snow-drops hang like tears.
    Shy, sweet, saintly Beth has died.
    One down, three to go.

    ここまでくるとちょっと見も蓋もなさすぎます。やっぱり買うのやめよう^^;

    これだったら Jeff & Co. のハロウィン俳句の会のほうがなんぼかマシでした。

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    The Stone Ship, by Peter Raftos

    The Stone Shipバベルの塔が表紙になってますが、なんかその通りの怪しい大学が舞台の話のようですよ。

    自殺し損ねた主人公が幽霊に助けられて、その交換条件として幽霊の復讐のために人里離れた海際の大学へ向かうんですが、そこは200歳を越える学長を筆頭に、カフカの城のような非人間的なお役所仕事がまかり通っているところなんだとか。かつまた城の、じゃない、大学の地下には化け物が巣くってて、どうもお偉いさんに睨まれた人間は餌にされてるみたいですね。なんかカフカというよりはテリー・ギリアムふうというコメントもありますので、シリアスに暗いというよりはかなりおかしな作品なんでしょうか。

    日本のアマゾンにもリストされてますが、オーストラリアの小出版社(というより大学出版局)から出ているものなので、手に入らないかもしれませんね。直接注文したほうが確実かも。

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