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Friday, November 11, 2005

A (Hopefully) Growing Guide to Sick Lit

このところ病気、というよりは、特殊な感覚を持った主人公や、異常な状態に置かれた人々を扱った作品が数多く書かれています。流行とまでいえるのかどうかは分かりませんが、特殊な視点を得るための手法として積極的に活用されているのは確かです。

これにともない、一般的な用語というよりは、半ば冗談で sick lit という言葉が生まれました。通常の疾病をストレートに扱ったものではなく、あくまで視点の転換を目的にしたものなので、それって厳密には病気じゃないだろっていうものが主な対象となります。実質的にはドラッグによる幻想や現実崩壊感をもっと一般的に受け入れられやすい形で描き出した、いわば合法的なドラッグに相当するものなのではないですかね。

とうことで、目に止まった作品をリストしてみました。もし他にもここに当てはまるような作品がありましたら、コメントや掲示板でお知らせください。随時追加します。ただし、現実の病気を揶揄するような作品やコメントはご遠慮ください。(2005/11/9)

The Thackery T. Lambshead Pocket Guide to Eccentric & Discredited DiseasesGeneral Guidebooks:

Synaesthesia (共感覚):

  • Starseeker, by Tim Bowler (『星の歌を聞きながら』)
  • A Mango-Shaped Space, by Wendy Mass (『マンゴーのいた場所』)
  • Mondays Are Red, by Nicola Morgan
  • "The Empire of Ice Cream", by Jeffrey Ford (「アイスクリームの帝国」)
  • Evening's Empire, by David Herter
  • Painting Ruby Tuesday, by Jane Yardley
  • Astonishing Splashes of Colour, by Clare Morrall
  • Memory Artists, by Jeffrey Moore [+アルツハイマー]

Autism, Asperger's Syndrome (自閉症、アスペルガー症候群):

  • The Curious Incident of the Dog in the Night-Time, by Mark Haddon(『夜中に犬におこった奇妙な事件』)
  • The Speed of Dark, by Elizabeth Moon (『くらやみの速さはどれくらい』)

Amnesia (記憶喪失):

Coma, NDE (昏睡、臨死体験):

The Tarrying Dead (死者):

  • The Lovely Bones, by Alice Sebold (『ラブリー・ボーン』)
  • Shade, by Neil Jordan
  • The Innocent's Story, by Nicky Singer

Others (その他):

  • Motherless Brooklyn, by Jonathan Lethem (『マザーレス・ブルックリン』) [トゥーレット症候群]
  • Hallucinating Foucault, by Patricia Duncker [統合失調症]
  • 98 Reasons of Being, by Clare Dudman [精神病院の患者]
  • Skallagrigg, by William Horwood (『スカヤグリーグ』) [脳性マヒ]
  • Set This House in Order, by Matt Ruff [多重人格]

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Comments

"The Mysterious Flame Of Queen Loana" by Umberto Eco は amnesia ですね。60歳の主人公が記憶喪失になっちゃうんですが、歴史的な出来事などをそこに置かれた者としての利害に左右されず、第3者の目で再評価するための設定という感じでした。

"Hallucinating Foucault" by Patricia Duncker は schizophrenia でしょうか。もうあまり覚えていないのですが、イギリスの学生が、フランスの精神病院に収容されている、フーコーの研究者でもある作家を訪ねる話。かなり屈折した愛のありかたを書いた作品……だったような。

"98 Reasons of Being" は精神病患者を扱いながら、逆に正常人との区別の曖昧さが強く出ていましたが、こういうのはダメ? 

あと、奇病にかかって余命幾ばくもない少年がでてくるジェイムズ・モロウの "City of Truth" とか?

Posted by: Lilith | Thursday, November 10, 2005 22:16

ほい、追加しときます。

よくある「限られた命」とか「疫病によるパニック」的なプロットは意図してるところと違うので取り上げるつもりはないんですが、まあそれも扱い方によりますかね。City of Truth はどうなんでしょう。とりあえず外しておきます。

Posted by: a nanny mouse | Friday, November 11, 2005 21:20

ちょっと古い作品ですが、Skallagrigg も追加しておきました。むちゃくちゃいい話ですよ。

Posted by: a nanny mouse | Friday, November 11, 2005 22:06

City of Truth は「よくある限られた命」なので、忘れてください~。フーコーもちょっと違うかな。微妙です。

あと、"Set This House in Order" by Matt Ruff はどうでしょう。多重人格? 私はまだ積んだままでした。

Posted by: Lilith | Friday, November 11, 2005 22:07

"Set This House in Order"は、文句なく多重人格ものです。頭のなかに家があって、そこに人格たちが暮らしてるって部分はかなり虚構性が強いですけど、基本的に作者が病気に対して誠実に向きあっているので、絵空事という印象は受けません。

多重人格ものの小説は数えはじめたら切りがなくなりそうですね。何年か前に「このミス」ベスト1になったジェレミー・ドロンフィールドの『飛蝗の農場』もそうだったんですが、多重人格であることがトリックの鍵になってる場合はおおっぴらに言いにくかったりもして。

Posted by: quark | Friday, November 11, 2005 22:47

あ、オチになってる場合はやっぱり触れたらまずいでしょう。そういう作品はリストするのは避けます。

Posted by: a nanny mouse | Sunday, November 13, 2005 20:40

そういえば "Mobius Dick" by Andrew Crumey も amnesia でしたよね。作品の中では false memories を特徴とする AMD (Anomalous Memory Disorder) なんて病名つけられてましたけど。

Posted by: Lilith | Monday, November 14, 2005 21:04

あ、クルーミイはそんな気がしてました。

もうひとつ、児童書で Nicky Singer の作品を付け加えました。

Posted by: a nanny mouse | Monday, November 14, 2005 21:40

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