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Tuesday, July 19, 2005

Someone Comes to Town, Someone Leaves Town, by Cory Doctorow

Someone Comes To Town, Someone Leaves Town

8月に第1長篇『マジック・キングダムで落ちぶれて』の邦訳が出るコリイ・ドクトロウBoing Boing の人といったほうが有名かもしれないですが。その3冊目の長編のこの本がいいんですよね。1作目より遥かに面白いです。

作者によれば『クリプトノミコン』『リトル、ビッグ』とのことですが、なにやら不思議な出自の主人公が、死人の弟に悩まされながら、ワイアレスによるフリーのネットワークをトロントの街に広めていく話。なんとこの主人公、父親が山で柴刈り、母親が川で洗濯じゃなくて、父親がで母親が洗濯機なんですね^^) その弟がまた個性的で、予言者とか、とか、死人だったりして。で、末っ子の三人がマトリョーシカ。つまり、五男の中の六男の中に七男が納まるという具合。

う~ん、洗濯機のお産のシーンがなんともいえないんですよね。いやまあご想像の通りの情景ではあるんですが、まるで当たり前のように描かれるとかなり笑えます。他にもまあ、隣に住んでる少女の背中にはが生えてて、邪魔なんで時々切り落としてたりしてるんですよね。

四男坊の死人っていうやつが生まれた時から陰険なやつで、ロシア人形の五六七男坊を誘拐してしまって、これを助け出すのがメイン・プロットのひとつなんですが、ユーモラスでありながらも適度にダークです。作品の感じということでは、『クリプトノミコン』+『リトル、ビッグ』というよりは、グレアム・ジョイスの The Tooth Fairy の思春期ものと、チャールズ・デ・リントのニューフォードを舞台にしたコミュニティものを掛け合わせたみたいな印象ですね。どちらも超自然の邪悪な意志が平穏な日常生活を混乱に陥れるというところで。そういえばデ・リントもドクトロウもカナダ人ですね。メンタリティにどこか近いところがあるんだろうか。ちなみに文章や描写はデ・リントよりも遥かに上手いです。

結末はかなりお約束の感じもしますが、これはもうこのヘンな設定だけで魅力十分です。今年のベストの1冊ですね。

ちなみにドクトロウは Creative Commons による自作のデジタル版のフリー提供を進めていて、今までの長編や短編はもとより、この作品も発売と同時にダウンロード可能となってます。まあデイヴ・マッキーンのカバーが手に入るというだけでも、本を買う価値はあると思いますが。

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Comments

やっと届きました。背表紙にまでマッキーンの絵がついてるなんて超豪華。近々読む予定です。で、「マトリョーシカ」やら「死」やらで思い出した松本大洋の『ナンバー吾』は5~8巻をまだ買ってませんでした……。

Posted by: Lilith | Wednesday, July 20, 2005 at 21:57

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