"Singing Innocence and Experience" by Sonya Taafe
SF Poetry なんて言葉があるんですね~。SFPA(The Science Fiction Poetry Association)が選ぶ 2003 年度の Rhysling Awards (ハインラインの作品に出てくる盲目詩人の名から)をタイで受賞したのが、ソーニャ・ターフェの詩 "Matlacihuatl's Gift" で、彼女初の短篇集 "Singing Innocence and Experience" が届いたので、いくつか読んでみました。
最初の "Shade and Shadow" は、リストカットをしてはその血で死者の霊を呼び集める、一風変わった女性カイロの物語。ある日彼女は海辺で、バッコスの信女に八つ裂きにされたオルフェウスの頭を見つけ、家に持ち帰ります。何千年もたった今も、エウリュディケへの愛を歌い続けるオルフェウス。此岸と彼岸の狭間で揺れる主人公が、オルフェウスの想いの理由を探り、自分の存在について考える物語です。ほかに海の妖精セルキー(アザラシ系?)に魅せられた男の悲恋 "A Maid on the Shore" や、現代のゴーレムの話 "Clay Lies Still"、愛する女性に自分の心臓を捧げることを約束するポー風の作品 "Featherweight"(女性の名はライジーア!)など。SFというより、神話や民話に題材をとったちょっとホラーがかった作品が多いです。ティム・プラットの前書きによると、彼女は子供の頃から神話にのめり込んで、イェール大学では古典を専攻。バビロニアやアッシリアの神話も原語で読めちゃうそうなので、ハンパじゃありません。最後に作者による作品解説がついていて、I still cannot read hieroglyphs. なんて書いてあるのですが、なんか将来的には読めちゃったりしそうですね~。ちなみに表紙はウォーターハウスの『セイレン』です。
あと詩集 "Postcards from the Province of Hyphens" もちょっと前に出ましたね(で、持ってるんです)。受賞作 "Matlacihuatl's Gift" は両方に入っています。
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Comments
むむっ、てことは、楔形文字が読めるってことですね。
原稿も粘土板に刻んでるとか……はは。
Posted by: a nanny mouse | Saturday, July 30, 2005 at 23:03
楔形文字とかいうと「スゴイ!」と思うのですが、考えてみたら日本語やアラビア語を学習するのと大差ない気も……。イェールは全米一のバビロニア・コレクションを持っているそうなので、アッカド語を学ぶには絶好の環境なのかもしれませんね。
Posted by: Lilith | Sunday, July 31, 2005 at 19:58
しかしでも、粘土板を読んでて、おお、これは!ってところで欠けてたり、落として砕けたりしたら悲惨ですね。
Posted by: a nanny mouse | Monday, August 01, 2005 at 00:24
ちなみに、内容もブレイクと関係あるんでしょうか。タイトルと表紙は完全に意識してますよね。
Posted by: a nanny mouse | Monday, August 01, 2005 at 00:29
キャッチコピーが These songs of innocence and experience, Blake never knew. なんですよね。で、内容的に特に関連はないですが、コンセプト的には近いものがないともいえません。というより、尊敬する詩人にあやかったというのが正しい気がします。表紙はブレイクとは全然関係なくて、ギリシャ神話ネタだからじゃないでしょうか。あと出版社のプライムはウォーターハウス大好きみたいですしね。この前のヴァレンテのオラクルの表紙もウォーターハウスだったし。
Posted by: Lilith | Monday, August 01, 2005 at 21:05