Sunday, March 30, 2008

Winsor McCay's Visions of the Future

S320x320 ウィンザー・マッケイ(1867-1934)の描いた未来世界が、大きなスキャン画像で紹介されてますよ~!

思わず壁紙にしたくなるような、惚れ惚れとする作品ばかりです。

ちなみに未来世界ってのは1937年のことなんで予想としては大はずれなんですけど、このヴィジョンの素晴らしさを前にそんな野暮なことを言っちゃいけません。是非クリックして拡大画像をお楽しみください。

関連記事
Winsor McCay
http://www.obscurecities.com/marginalia/2005/10/winsor_mccay.html

Little Nemo in Slumberland - So Many Splendid Sundays!
http://www.obscurecities.com/marginalia/2006/01/little_nemo_in_.html

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Thursday, January 31, 2008

27 Big Picture Illustrators nominated!

先日「ネスレ子どもの本賞」の中止という残念なニュースをお伝えしたばかりですが、その運営に当たっていたブックトラストが、絵本の良さをもっと知ってもらおうという「ビッグ・ピクチャー」キャンペーンを展開中です。

ブックトラストによると、このたび2000年以降に英国で出版された絵本の中から、27人の優れたイラストレータが出版関係者らによって選出されました。さらにこの中からビッグ・ピクチャー委員会が10人を選び、3月31日のボローニャ国際絵本原画展で結果が発表されるとのこと。選ばれた10人のイラストレータは、絵本の重要性をアピールする活動に今年いっぱい従事するそうです。詳細についてはビッグ・ピクチャーのオフィシャル・サイトで。

ロングリストに入っているエミリー・グラヴェットミニ・グレイジョエル・スチュワートは、marginalia でも以前ご紹介したお気に入りイラストレータでもあるので楽しみ♪ このキャンペーンで絵本のイラストレータにもっと脚光があたるようになって、良質な作品がたくさん出版されるようになるとうれしいです。

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Friday, January 25, 2008

Nestlé Children's Book Prize discontinued

子供たちも審査に参加するというユニークなシステムをとり、23年間も続いてきた英国の「ネスレ子どもの本賞(旧スマーディーズ賞)」に終止符が打たれることが、運営側のブックトラストとスポンサーのネスレによって確認されました。

双方ともが、文学賞より他に活動の重点を移してきたための、ごく自然な結果だと言っていますが、Guardian の記事で指摘されているように、発展途上国で行っている母乳の代わりに粉ミルクを使うキャンペーンで非難を浴びているネスレが、児童書の賞のスポンサーになっていることが物議をかもしているのが最大の原因と言えそうです。実際、昨年「5歳以下の部」で "When a Monster is Born" が金賞を受賞したショーン・テイラーは、賞は受けたものの、子供の健康より利益優先の「粉ミルクキャンペーン」を批判して、ネスレから出される賞金の小切手の受け取りは拒否したそうです。それについての記事はこちら

子供たちも楽しみにしている歴史のある賞を、大人たちの都合で廃止してしまったような結果になって、なんだか後味が悪いですね。

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Shirley Jackson Award established!

亡くなってから 40年以上経ちますが、日本でも『くじ』『ずっとお城で暮らしてる』と再刊が続いて人気の、アメリカのホラー作家シャーリイ・ジャクスン。その彼女の名を冠した賞 The Shirley Jackson Award が設立されたと公式発表がありました。前年に出版されたサイコサスペンス、ホラー、ダークファンタジーの作品の中から、長編、短編、コレクション、アンソロジーなどのカテゴリ別に授与されるとのこと。賞の詳細や今回の審査員についてはオフィシャル・サイトでご確認ください。

賞の顧問には、ファンタジー界の敏腕編集者エレン・ダトロウや、夫で作家のジェフと共編のファンタジー系アンソロジーをいくつも出しているアン・ヴァンダーミア、そしてラヴクラフトの研究家S.T.ヨシらが名を連ねているので、もしかして既存のファンタジー・ホラー系の賞より marginalia 好みの結果が出るんじゃないかと、ちょっと期待しちゃいますね。

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Thursday, January 24, 2008

"All Shall Be Well; And All Shall Be Well; And All Manner of Things Shall Be Well" by Tod Wodicka

All Shall Be Wellノリッジの聖ジュリアンの名句を引用したタイトルに、中世の衣服を着た老人と子供の絵の表紙……。一見マジメ本の顔をしていて、でも、よ~く見るとなんかちょっとヘン? チェックしてみたら予感的中で、やっぱりヘンな本っぽいですねぇ。これは買いかも。

チュニック着て、フライドポテトは拒否して(←中世にジャガイモはまだ入ってきてなかったから)何から何まで中世の生活を再現してニューヨークに暮らす変人バートですが、プラハで息子のトリスタン(!)を捜していく過程で、彼の悲しい過去が次第に分かっていくという、聞くも涙、語るも涙……じゃなくて、めちゃくちゃ楽しいお話みたいです。ってことは、表紙は親子再会の場面の想像図なのかな?

Amazon.com にブラーブがいくつか載ってるんですが、ケヴィン・ブロックマイヤーなんて結構楽しんじゃったみたいですね。しかし US版の表紙はしょぼすぎ。

All Shall Be Well

アマゾンUK には、これがデビュー作になる著者自身によるこの本のサウンド・トラックが編まれているので、BGM 流しながら読むのもいいかも?

BBC による著者インタヴューとちょこっと抜粋はこちら。

そういえばノリッジの聖ジュリアンって、『聖書の絵師』にご本人が出てきてたはず(未読ですがそのうち……)。

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Thursday, January 17, 2008

"Blank Gaze" by Jose Luis Peixoto (Author), Richard Zenith (Translator)

Blank Gaze

あらら、この表紙のイラストはアンドリュー・クルーミーでお馴染み(?)のサラ・ファッネリじゃないですか~。

と相変わらず表紙にひっかかって、昨年11月のイギリスでの出版時からチェックを入れてレヴューが出てくるのをひたすら待っていたのですが、レヴューが出てくる前にイギリス・アマゾンでは取り扱いがマーケット・プレイスだけになっちゃいました。あまり売れてないんでしょうか? ちょっと残念。

舞台はポルトガルの寒村。その厳しい環境の中で生活する人々の愛憎の物語のようなんですが、出てくる人たちがちょっとヘンです。悪魔に「寝取られ男」と告げられた主人公、その相談にのる120歳の老人、指でくっついてるシャム双生児やら、盲目の娼婦やら……。そんなユニークな人々が織りなすのは、どこにでもあるような普遍的な物語。それが美しい詩的な文章で書かれているそうです。

この作品、ポルトガル語からの英訳なのですが、ポルトガルの小説家であり詩人でもある作者のジョゼ・ルイス・ペイショートは、なんとこの作品で 2001年にジョゼ・サラマーゴ賞を受賞しているんですね。そう言われると、う~ん、やっぱり気になります。

こちらで彼の詩を数編読むことができます。ちょっとユニーク? その下にあるサラマーゴの彼に対する評 "Jose Luis Peixoto is one of the most suprising revelations in recent Portuguese literature. I have no doubts that he is the safe promise of a great writer." って、スゴイお墨付きじゃないですか?

日本語訳の出版も決まっているようなので、英訳で読むか邦訳で読むかも悩みどころですね(って、UK版は相変わらず値段高いですが、米国でも今年発売されるようです)。

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Wednesday, January 16, 2008

Japanese Translation Debut 2007

翻訳本出るの、早くなりました? 「まだ積ん読なのにもう訳書が~~~」ということが最近よくあるんですけど。

marginalia でご紹介してきた洋書(未読/既読)でも、既に翻訳が出たものが何点もありますねぇ。といういわけで、昨年出版された中から日本初お目見えの作家の作品をリストアップしてみましょう。原題は marginalia の記事に、邦題はアマゾンの和書にリンクしてありますので、これを機に原書、翻訳書どちらでも読んでみてはいかがでしょう。読み終わったら、それぞれのスレッドにご感想などよろしく~。

とりあえずは今思いついただけ。

"His Majesty's Dragon" by Naomi Novic
テメレア戦記 I 気高き王家の翼』ナオミ・ノヴィク

"The End of Mr. Y" by Scarlett Thomas
Y氏の終わり』スカーレット・トマス

"The Horrific Sufferings of the Mind-Reading Monster Hercules Barefoot: His Wonderful Love and His Terrible Hatred" by Carl-Johan Vallgren
怪人エルキュールの数奇な愛の物語』カール=ヨーハン・ヴァルグレン

"Mr Thundermug" by Cornelius Medvei
ミスタ・サンダーマグ しゃべるヒヒの話』コーネリアス・メドヴェイ

"The Rainbow Opera" by Elizabeth Knox
ドリームハンター (上)』『ドリームハンター (下)』  エリザベス・ノックス

"Stoneheart" by Charlie Fletcher
ストーンハート』チャーリー・フレッチャー

"The Third Witch" by Rebecca Reisert
三番目の魔女』レベッカ・ライザート

addition 19.01.2008 :
"Wolves" by Emily Gravett
オオカミ』エミリー・グラヴェット


あとは思い出したときに追加しましょうね~>みなさま

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Tuesday, January 15, 2008

Season's Greetings

Kanchu


寒いですね~。みなさまお元気でしょうか?

もう2ヶ月以上冬眠している marginalia ですが、そろそろ再開したいところですね!(と、まるで人ごとのように、とりあえず継続の意思表示をしてみたりする)

年末年始のご挨拶がなかったので、寒中見舞いなどしてみました。

お正月休み、私はゴーセイにスペインに行ってきましたが、ねずみの人は今頃地獄の3丁目あたりで苦しんでるところかも。ははは、かわいそ~~~。スペインは(迷子になりましたが)楽しくておいしかったですよ♪♪♪

ではみなさま、今年もよろしくお願いいたします。

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Wednesday, October 31, 2007

Scariest Characters in Literature

AbeBooks.com で、文学に出てくる恐ろしいキャラクタのアンケートを取ったようですが、ハニバル・レクターかスティーヴン・キングのホラーの登場人物が1位になるのかと思ったら、『1984年』のビッグ・ブラザーでしたか。けどでも、あれってキャラクターなんだろうか??

これを受けてガーディアンのブログでも読者のコメントを受け付けてますが、こちらでは『アメリカン・サイコ』のパトリック・ベイトマンが強いようですね~。もちろんわたしはああいう鬼畜本は読まないので、なんともコメントはできませんが。他にも Blood Meridian の判事や The Use of Weapons の椅子制作者が複数の評を集めてます。ううむ、The Use of Weapons だけは読みましたけど、確かにえぐいです。

さてさて、他にはどういう怖いキャラクタがいるんでしょうか。quark さんと gardener さんで「普通の人は読んじゃいけない怖い本ガイド」でも作ってくれると、安心して避けて通れるんですけどね^^)

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Tuesday, October 30, 2007

Where the Wild Things Are on Film

モーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』が実写映画になるそうですよ……っていっても、公開は 2008年の10月ということで、1年も先の話ですが。

監督のスパイク・ジョーンズとともに脚本を担当するのはなんとデイヴ・エガーズ。もともとは絵本なので、長編映画化ということでは余計なエピソードで膨らませて台無しにならないかという点が心配ですが、心理的な描写に重きを置いて原作に奥行きを与えるようなしっかりした台本になっているようです。期待できそうですね。

この作品の映像化ということでは、作曲者のオリヴァー・ナッセンが指揮したグラインドボーンのオペラのライヴ映像を見たことがありますが、正直音楽ともどもかなり退屈だったような記憶が……^^; センダックが美術を担当した『三つのオレンジへの恋』のほうが遥かに印象に残っています。アニメ化ということでは 1983年にディズニーが手を出しかけたということですが、実現しなくてよかったですね。これとは別に 1988年にセンダックを絵を元に短いアニメが制作されたそうですが、こちらは youtube に上がってます。画質はいまいちで残念ですが、なかなかチャーミングな出来なのでリンクしておきましょう。

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